カスタムマシン作りやレストア時に威力を発揮「スポーク」は自作可能

いわゆるパイプ=チューブベンダーのようにも見える?工具だが、曲げ部分の作りから理解できるように、これはスポークを曲げるために開発された特殊なベンダーである。なかなか入手できない特殊なサイズのスポークを自作したいときなどには、最高のアイテムになる「スポークベンダー」に注目してみよう。

先端ピースと送り込みストッパーの調整

スポークベンダーを開発販売しているのはオフロードスペシャリストとして数多くのファンに愛され、最近は、旧車系バイクやハーレーのスポークにも注目しているダートフリーク。スポーク関連部品の販売ブランドはDachi。名称は、スポークベンダーP1010。品番はDC591-1010

「ストレート形状」=ブランクスポーク


Dachiでラインナップしているブランクスポークは、すべてステンレス製で驚くほど豊富な数。スポークの太さ=線径Φ2.9mmは、長さ134~248mm、Φ3.2は134~258mm、Φ3.5は132~258mm、Φ4.0は134~246mm、Φ4.5は134~200mmで、それぞれの太さで長さは2mm刻みである。このラインナップの豊富さは、驚くべきことである。

ステンレスニップルも豊富に揃う

ステンレススポーク専用のニップルがあるので安心だ。スポークの太さに対応したサイズもあり、このニップルとスポークは完全別売になる。太さが同じスポークでもニップル外径Φサイズを選べるパターンはありがたい。スポークやニップルをピカピカに輝かせたいなら、ポリッシュ仕上げにすれば良い。

ハブへの掛け方で曲げ寸法が異なる

一般的にホイールハブには、曲げが浅い内掛け用と曲げが深い外掛け用のスポークがある。自作する際に純正スポークのサンプル=見本があれば、曲げ作業も手際良く進めることができる。サビサビでも良いので、寸法確認できる見本があるのはありがたい。

先端ピースを調整して曲げてみた

クビ下の曲げ寸法変更時はハンドル側ストッパーも要調整。

慣れるまでは徐々にゆっくり進めていこう。

最終的な曲げ角度は見本と比べて決定。完成したらストッパー固定。

純正スポークに習ってベンダーの調整金具をセッティングして曲げ作業に入る。軸部分のクランプ幅はドンピシャではなく紙一重で隙間を空けておくと曲げる際にズレ込みスムーズに作業進行できる。曲げ過ぎないように溝内ストッパーも付属する。最初の曲げで先端の首の部分をグイッと押し込んでしまった。最初の1本目はセッティング&練習のつもり曲げられる。1スポーク10本セットなので、36穴スポークなら4セット買って4本余る。40穴スポークなら本数ドンピシャなので、失敗しないように慎重に進めよう。

クビ部分の寸法が長くなって……


完成したスポークと見本の純正スポークを比較すると、新作したスポークはクビ下が2mmほど長くなってしまった。クビ下が長いとハブに引っ掛けたときに、ハブから釘頭が出っ張ってしまいカッコ悪いので、作り直すことにした。クビ下の長さをノギスで測り、その違いを明確にした上で再挑戦。


クビ先を曲げながら引っ掛け部分のコマを微調整してみた。このセッティングが決まりさえすれば、あとは繰り返し作業でスポーク量産することができる。調整後は、見本の純正スポークとほぼ同じサイズに仕上げることができた。昔のステンレススポーク(アメリカ製カスタム部品)は材質が硬く靭性が低く、張り過ぎた状態で段差を乗り越えたり、ジャンプから着地するような走りをすると、スポークが「ボキッ」と折れてしまうこともあった。一方、Dachi製ステンレススポークは、高性能マテリアルのチョイスで安心。曲げ作業時も無駄なチカラは不要である。慣れれば、いい感じの仕上がりに!!

ストレート形状ならそのまま利用可

例えば、70年代のドゥカティ用スポークホイールはストレートスポークを採用する例が多かったが、このようなタイプなら、長さを合せればブランクスポークのままで利用可能なケースもある。また、ホイールを組み込む際には、スポークのネジ山とニップルの焼付きを防止するモリブデンスプレーをスポーク側のネジ山へ塗布して組み立てるのが良い。

POINT
  • ポイント1・ スポークホイールをDIY張り替え、しかもカスタムしたいときにはDachiのブランクスポークとスポークベンダーを要チェック
  • ポイント2・ プランクスポークは10本1セットで販売され、ニップルは別売になるので要注意
  • ポイント3・他機種用リムの流用でスポークを張りたいときにはニップルの立ち上がり角度に注意

カスタム好きやレストア好きのサンデーメカニックなら、過去にスポーク張りや緩んだスポークの増し締め調整を実践したことがあるはず。バイクの美しさや輝きは「足元で決まる」と言われるが、スポークホイール車は、特にその傾向が強いと言える。オフロード車にロードスポーツのワイドリムを張り込むスーパーモタード仕様が流行った当時は、オフ車の純正ハブはそのままに、前後ホイールを17インチ化したアルミ製ワイドリムに交換するのが流行った。ここに紹介する特殊工具は、スポークを一から作ることができる「スポークベンダー」である。開発販売を手掛けているのはダートフリークのDachiブランド。同社は、最新モトクロッサー用パーツの開発販売にチカラを入れる一方で、70~80年代に活躍した旧車オフロードバイクやビンテージモトクロッサー用パーツの開発販売にも積極的だ。そんな同社製スポークベンダーを利用すれば、ユーザー自身がブランクスポーク(曲げ加工されていない直線スポーク)をベースに、求める角度に曲げたワンオフスポークを自作することができる。純正部品が廃番だったり、ステンレススポーク化によってカスタマイズや「防錆対策」したいユーザーには、実に興味深い商品と言えるだろう。

ここでは、メーカー純正スポークを見本に曲げ加工を試してみた。ステンレス素材とはいえ、スポークに適した靭性(じんせい)を備えたブランク材を採用しているため、曲げ加工に対し、実にスムーズ且つフレキシブルに作業することができた。一般的にスポークホイールと言えば、一輪あたり32~36本仕様。中大型モデルのなかには40本仕様もある。例えば、カワサキZ1やH1/H2マッハ、ホンダCB750Kシリーズは、片輪あたり40本なので、前後ホイールで80本曲げなくてはいけない。

しかし、ベンダーのセッティングさえ決まれば、曲げ作業そのものは無駄なチカラは必要なく、スムーズ且つ実に軽く曲げることができる。数が多くても、決して作業が苦になることは無さそうだ。

一発で成功させようとは考えず、テスト曲げでベンダーの動きや曲げの傾向を体感し、それから本曲げにトライするのが良いかも知れない。見本スポークが無くても、実計測によって導き出した数値をもとにスポーク製作することも可能である。とにかくベンダーのセッティングさえ決まってしまえば、あとは必要本数をひたすら曲げるだけで欲しかった寸法サイズのスポークが手に入る。極めてユニークな、ダートフリークらしい特殊工具と言えるだろう。

 
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