転倒後には要点検!!前後ホイールとベアリングコンディションに要注意

レース時やサーキット走行時はもちろん、街中での転倒なら尚更しっかり点検しておきたいのが、前後ホイールリムの歪みだろう。単純にリムが押されてめくれるなどのダメージではなく、衝撃によってはスポーク部分に想定外のチカラが加わりリム部分ではなくスポーク部分からホイールが歪んでしまうこともある。点検してダメージが無ければ、不幸中の幸い=ラッキーと思うしかない。どんな状況であれ、まずはホイールやリムの振れや歪みの有無を確認し、同時に、ハブベアリングのコンディションもチェックしよう。

ジャイロスタンドがあれば楽々確認可能


前後ホイールを車体から取り外したら、ホイールハブにアクスルシャフトを差込み、ジャイロスタンドにセット。検具をリム近所へ近づけてからホイールを回転させてみよう。リムに歪みがなければスムーズに回転し続けるが、歪みがあると回転中のホイールがユラユラするのがわかるはずだ。スポークホイール仕様で僅かな歪みなら、スポークの緩み確認からのニップルの締付け調整を行い、同時に振れ取り再芯出しをすることもできる。ベテランサンメカなら経験があるかも知れない。しかし、キャストホイールの場合は、プロショップへ依頼しない限り、復元修正は不可能だろう。

検具でローターの歪みも点検可能

ジャイロスタンドの検具は目視確認および引き摺り音で歪みを理解することができるが、検具にダイヤルケージを取り付けることで、具体的な歪み寸法を測定することができる。ローターに歪みがなければ振れ幅は限りなく0.00ミリだろうが、歪んでいるときには最大振れ幅を明確に数値化することができる。歪みの補修方法は、その状況によって異なるが、ひどい歪みの場合は、新品部品へ交換するのが近道。

インナーチューブの曲がりの単純点検

フロントホイールがある状態でも取り外し後でも良いが、フロントホイールの装着状態がベストで、ホイールが無い場合は、最低でもアクスルシャフトを差込み、簡易的に締付け、もしくはナットを仮固定してから点検してみよう。トップブリッジとステアリングステム(アンダーブラケット)のクランプボルトを緩め、インナーチューブがスムーズに回転すれば、曲がりや歪みは無いと考えられる。僅かでも曲がっていたり歪んでいれば、インナーチューブはスムーズに回転できない。

ドライブチェーン交換時こそ点検のチャンス

ドライブチェーンが掛かった状態では、チェーンそのものやエンジン内のミッション部品抵抗でリアホイールはスムーズに回りずらい。ドライブチェーンを外したときや交換時などは、ホイール単体でスイングアームにしっかり固定し、リアホイールがスムーズに回り続けるか?必ず確認しよう。ブレーキの引き摺りうんぬんだけではなく、ハブベアリングのコンディションも、把握、想像することができる。

ハブベアリング取り外し時は交換が原則


ベアリングプーラーを利用したり、ベアリング側面を叩いてホイールハブからベアリングを抜き取った際には、新品ベアリングに交換するのが「基本中の基本」である。しかし、急ぎのメンテナンスでどうしても手元に新品ベアリングが無いときで、例えば、ベアリングにガタが無く、潤滑性の低下(グリス切れ)を発見したときなどは、ベアリングを洗浄し、内部にグリスをしっかり封入してから復元するしかない。しかし、ベアリングに明らかなガタやゴロゴロ音が出ているときには、迷うことなく諦め、新品部品を購入しよう。樹脂シールベアリングのときは、ホイールハブにベアリングを組み込んである状態のままでピックアップツールを使いシールを取り外し、組み込まれた状態のままでベアリング洗浄およびグリスアップを行うテクニックもある。

高性能グリスで作動性向上

新品ベアリングへ交換する際に、スチールボールやリテーナーが見えるベアリングなら、高性能グリスを追加封入することで、ベアリングの潤滑性能やライフを高めることもできる。ちょっとした気配りがコンディション維持には大切なのだ。

POINT
  • ポイント1・ 転倒したときはもちろん、ホイールを取り外したときには、リムやスポークに歪みがないか確認するように心がけよう
  • ポイント2・ ホイールの点検時にジャイロスタンドがあると圧倒的に作業性が良い
  • ポイント3・ハブベアリングのコンディションを確認し、必要に応じたメンテナンスを実践しよう
  • ポイント4・新品ベアリングを組み込む際にもグリスの状況を確認し、必要に応じて高性能グリスを追加封入しよう。

メインスタンドで車体を停車し、リアホイールを空転させて凝視したことがあるだろうか?そんなときに「ホイール回転が渋い!?」とか「リムが振れている!?」などなど、違和感に気がついたりするものだ。そういえば以前に……などなど、思いつくことがあったりすると、それはもう心配になってしまう。

仮に、ドライブチェーンジョイントがクリップ式なら(原付クラスやオフロードモデルはクリップ式ジョイントが比較的多い)、チェーンを外してホイールを空転させることで、リムの歪みやホイールベアリングの回転抵抗などなど、より明確なコンディションを知ることができる。

こんなときにあると便利なのが「ジャイロスタンド」だ。本来の目的として一番使われるのが、ホイールバランスの調整時。タイヤ交換やタイヤをハメ換えたときに、ホイールがスムーズに回転するようにウエイトシールをリムに貼り付け、バランス取りする作業を行う。ダイナミックバランスは、専用の測定機器(タイヤ専門のプロショップでお馴染み)を使ってホイールを空転させて、何グラムのウエイトをどこに貼るのか、指示された位置に添付するが、ジャイロスタンドで行うのは、重力(重点)の反対側にウエイトシールを貼り付け、ホイールバランスを合せるスタティック式だ。

このような作業を行うジャイロスタンドには、検具が組み込まれた商品もあり、検具先端をリムエッジに近づけ、ホイールを空転させることでリムの歪みを点検することができる。「転倒してしまったから確認のために……」もありだが、常日頃から前後ホイールを取り外す機会があるような際には、ジャイロスタンドを所有していることで「ついでのコンディションチェック」を容易に行うことができることも覚えておきたい。

また、ホイールを取り外したときにはハブベアリング内輪に指先を差し入れ、回したり揺らすことで、ベアリングコンディションも把握することができる。また、グリス量が少なかったり、グリスの汚れが激しいときには、グリスを追加充填したり、汚いグリスを洗い流して新しいグリスを充填するのが良いだろう。

 
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