簡単!ロングツーリング前にやっておきたいお手軽メンテナンス

長かった梅雨もあけていよいよ夏本番!

新型コロナの影響で外出自粛中の方も多いと思いますが、溜まりに溜まったツーリング行きたい欲はパンパンに膨れ上がって爆発寸前のはず。
そこで!来るべきロングツーリングに備えて、まずは「自分で出来る簡単メンテナンス」をやっておきませんか?

バイクツーリングと言うと……

シートへの荷物固定用ネット、タンクバッグ、インカム、ドラレコといった日帰りソロツー系から、テント、シュラフ、ガスストーブといった本格キャンプツーリング系まで、派手なグッズに目が行きがちです。
しかーし!
そもそも目的地まで楽しく移動するからこそバイクツーリングな事を忘れてはいけません。
ラクに目的地に到着したいだけなら車で良いですし、ドMな移動がしたいなら自転車があります。
でも我々はバイクなのです!  バ・イ・ク・!

そしてバイクという乗り物は極上の楽しさを味わうためには結構シビアな整備を求められる乗り物です。
なので、自分で簡単に出来てしかも効果抜群な整備は今のうちにやっておきましょう。
(もっと本格的な整備がしたい方や、手を汚したくない方はバイク屋さんにGO!)

ロングツーリング前の整備極意

ロングツーリングだからと言って特別な何かをしなければならない、なんて事はありません。
急に超本格的な整備を行う必要はないのです。
だって現在普通に動いて乗れているんですもの。

ただし、普段乗っているバイクは気付かないうちに傷んでいる部分があるので、以前からちょっと気にはなってたんだよねーという部分を軽く整備しておくと、ただでさえ楽しいツーリングがもっと楽しくなること請け合い!
今回は自分で簡単に出来る『チョロい部分だけ』、しかも『気持ちよく走るために効く部分だけ』を重点的にご紹介します。
ホントに簡単です。

記事では簡単な整備から順番に紹介していますので、出来る範囲までで良いのでぜひやってみてください。

簡単整備その1:タイヤ空気圧のチェック


ロングツーリングなんか関係なく、いつだってタイヤの空気圧は「気持ちいい走り」の要です。
自然に減るので最低でも月に1回はチェックしておきたいところですが、ロングツーリングの前には今一度空気圧チェックをしておきましょう。

空気圧は高すぎても低すぎてもダメです。
正しい空気圧でないとメーカーの狙った本来のハンドリングにならず、必ずネガティブなハンドリングになります。
ここが適正でないと、快適で安心感のある楽しいツーリングなど夢のまた夢です!

高すぎる場合の症状や低すぎる場合の症状は車両によって異なるので一概には言えませんが、指定空気圧以外の方が良いなんて事は絶対にありません。
様々な状況に遭遇するロングツーリングであればなおさらです。


では正しい空気圧とは何でしょう?

新車で購入した車体で新車装着のタイヤであれば迷う理由はありません。
メーカー指定の空気圧にするだけです。
断言しますが例外はありません。


問題はタイヤ交換して純正ではない銘柄のタイヤに交換している場合です。
この場合、車両メーカー指定の空気圧と、タイヤメーカーの推奨空気圧が異なることが多発します。
どちらに合わせるべきでしょうか??

これはタイヤメーカー推奨空気圧に合わせるのが正解です。
ただし、車両によって車体重量もバラバラなので、個人の好みで多少空気圧を上下しても良いでしょう。
目安については諸説ありますが、推奨空気圧の上下10%程度なら危険な事にはならないはずです。


ところで、ロングツーリング前の空気圧調整で絶対にやってはいけない事が一つあります。
それは「ロングツーリングはお尻が痛くなるかもしれないから乗り心地重視で空気圧を低めにする」です。
ついやってしまいがちですが、それで得られるのは直進時の乗り心地だけです。
それと引き換えに失う物はそれ以外の全部!
極論を言えば『直進中の乗り心地のために事故を回避するための安全性を捨てている』とも言えます。
空気圧は安易に下げてはダメ、絶対。

簡単整備その2:左右レバーのグリスアップ

タイヤの次は左右のレバーです。
気持ちいい走りに効くし、何より『止まる』は最重要項目。
走行不能になっても先に進めないだけで済みますが、停止不能は最悪の事態に直結します。

ブレーキだけに不慣れな方が本格的な整備をすると危険なので、今回紹介するのはレバーの根本のグリスアップのみです。
これなら『ブレーキフルードのエア抜き作業』という超難関とは無縁ですので安心です。

操作性が悪いという事は安全性に劣るという事でもあり、由々しき問題です。
そこで、お手軽に出来る整備として『レバーの根本にあるピボットのグリスアップ』をオススメします。

基本的にナットを緩めてボルトを外すだけなので、難易度はかなり低め。
単にレバーが外れるだけで、急に得体の知れない液体が噴出したり、見たこともないパーツが飛び出したりはしないので安心して外してください。
仮にグリスを付けすぎたとしても、それが原因でブレーキが効かなくなる事もない場所なので安心です。
※車種によってはブレーキストップランプスイッチを押すための小さなパーツや小さなバネが入っている事があるので、ボルトやレバー本体を外す時は勢いよく外さずにゆっくり外すのがコツです。


この部分のグリスアップは想像以上に効きます。
外したレバーはグリスが切れてカラカラになっているか、削れたアルミ粉で真っ黒になっている場合がほとんど。
それを掃除してグリスアップするのですから、ブレーキを握るとギシギシした感触があった場合などは劇的にコントロール性が上がりますよ!


最後に、ブレーキレバーのついでにクラッチレバーの根本もグリスアップしておくのがベスト。
特にワイヤー式の場合はレバーを外したらクラッチワイヤーが切れそうになっているのを発見した!なんて事もよくある話です。

簡単整備その3:クラッチケーブルへの注油

レバーのグリスアップついでにクラッチケーブルへ注油するのもオススメです。
※油圧クラッチ式の場合はクラッチワイヤーが無いので読み飛ばしてください。


ツーリング中の気持ちいいクラッチ操作って何でしょう?
レバーが軽い、引っ掛かりが無いといった操作感の他、ツーリング中にワイヤーが切れないというのも重要なポイントなのではないでしょうか?
クラッチワイヤーへの注油はこれらに全部効きます。

ワイヤーインジェクターでスプレーオイルを注入するのが一般的ですが、個人的にオススメなのは古典的手法である『ビニール袋を輪ゴムで縛って上からオイルを自由落下させる方法』です。
確かに少々メンドクサイのですが、プロではないので時間を気にして急いで作業する必要は無いですし、費用も実質¥0。
そして、この古典的方法では注入するオイルを自由に選べるというのがポイントだったりします。

ワイヤーインジェクターではチェーンオイルやスプレーグリスを注入するのが一般的ですが、個人的にオススメしたいのは4輪用のディファレンシャルオイル(通称デフオイル)です。
非常に固いオイルではありますが、グリスほどベットリしていないのでレバー操作が軽くなるのです。
世の中に「スプレー式デフオイル」という物は存在しないので注入するにはビニール袋方式しか使えませんが、人とは違う変わった整備で快調に走るのは気分が良いものです。

ついでに言うと、スロットルワイヤーにはフォークオイル注入がオススメだったりしますが、これまたスプレー式は世界のどこにも存在しないのでビニール袋方式でしか使えません。
(フォークオイルはシャバシャバなのでスロットルの動きが超軽くなります)
スロットルワイヤーへの注油を今回紹介していないのは、ちょっと難易度が高めだからです。

簡単整備その4:チェーンの張り調整

今回最もヘビーな内容になります。
チェーンの張りは急に緩んだり張ったりするものではないので、本来であればロングツーリング前だからといって整備する部分ではないです。
上で紹介している空気圧やレバーやワイヤーの話と同じですね。
ただ、せっかくのロングツーリングに行くなら、気持ちよく走れる状態になっている事を確認し、しっかり調整してから出発した方が良いです。


基本的に使用途中のチェーンが張る事は無いのですが、リンクの固着などで真っすぐにならなくなると、本来は起こらないはずの「チェーンの遊びが減る」という現象が発生します。
リンクが固着したという事はチェーン内部に封入してあるグリスが何かの理由で流出してしまった事を意味しています。
つまり寿命です。
チェーンの位置によって張りが変化する場合は100%固着しているので、迷わず交換してください。
一見まだ使えそうでも、確実にスプロケットを痛めて余計な出費を招きます。

普通は気付かないうちに伸びており「チェーンの遊びが増える」という現象になります。
遊びが増えるとアクセルのオン-オフでガクッとショックが発生しやすくなります。
オーナーはだんだんそのショックに慣れてしまうので気付きませんが、スムーズなオン-オフと比較すれば気持ちよさは全然違います。


さて、張り調整ですが、自信が無い方は止めた方が良いかもしれません。
やろうとしている事は簡単なのですが、コツがあるので不慣れだと物凄い時間が掛かってしまう可能性があるのです。
リヤタイヤを浮かした状態で作業したいのでメンテナンススタンドがあると急に簡単になるのですが、サイドスタンドのままやろうとすると(できます)なかなか大変です。
張り調整ではタイヤの直列も確認する事になりますが、その確認にもコツが必要だったりします。
簡単そうに見えますが、メンテ初心者には難易度高めです。

ただし、やってやれない事はありません。
リヤスタンドを買うお金が無かった頃の私はアパートの軒先でやってましたし。
(体勢が悪くて倒してしまった事もあります……)

念のために知っておくべき:バルブ交換の方法

最後はメンテナンスの話とは少し外れます。
バルブ交換の方法を知っておこう!という話です。

ヘッドライトバルブは種類を問わずいきなり切れます。
厳密にはだんだん暗くなってから切れるのですが、感覚としては急に切れる以外の何物でもありません。

滅多に切れるものではないのでツーリング前に交換しておく必要は全くありません。
でももしロングツーリング中にバルブが切れたら……、交換方法がわからなければお手上げです。
ですので、交換方法だけは知っておきましょう。
きっと役に立たないですけど、それならそれで良いのです。


なぜこんな事を力説するかというと、街灯も無い真夜中の山中で切れちゃった事があるからです。
当時はスマホどころか携帯もまだ無く、懐中電灯も無かったのでさあ大変。
月明りを頼りに手探りだけで交換できたのは『事前に知っていたから』に尽きます。
一人で交通量の少ない道を目指す方はぜひ知っておくべきだと思いますよ。
マジで。

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