【タイヤ交換のコツ】意外に多いチューブの挟み込み。タイヤ交換時にパンクさせない基本テクニック

アルミキャストホイールが実用化されるまでは、原付から大型車に至るまでスポークホイール+チューブ付きタイヤの組み合わせが当たり前でした。そしてパンク修理やタイヤ交換の際にはチューブを着脱していました。子どもの頃に自転車のパンク修理やタイヤ交換を経験していれば難しさを感じることはないかも知れませんが、いくつかのポイントを押さえておくだけで面倒なやり直しを避けられます。

自転車でもバイクでもチューブ破損を防ぐリムバンドは必須

02-1.jpg 摩耗したタイヤを交換する場合でも、どうせタイヤを外すのならついでにチューブも交換しておきたい。さらにチューブを交換するならリムバンドも新品を装着したい。1年に2度もタイヤ交換するライダーなら別だが、数年ぶりのタイヤ交換というのであれば、3点セットで交換しておいた方が何かと安心だ。

03-2.jpg リムバンドはホイール径に合わせた全長違いと、タイヤ幅に合わせたバンド幅違いが存在する。このバンドはダンロップ製で、22-17の記号は17インチ径の2.50、2.75、3.00幅クラスのタイヤに装着するサイズであることを示している。

04-2.jpg リムバンドがニップルの頭があるリムの底部分をカバーすることで、チューブとニップルの接触を避けつつ、チューブの過度の変形を抑えることができる。長期間使用するとスポークを伝って浸入した雨水でニップルが錆びて、リムバンドにサビが食い込んでいることもある。またエアーバルブ部分は丸く穴が開いてバンド自体が細くなっているので、柔軟性が低下するとチューブ交換時に切れやすくなる。

自転車のパンク修理やタイヤ交換を経験したことがあれば、バイクのチューブタイヤ交換も同じ要領で作業できます。とはいえ自転車に比べてビードが硬いバイク用タイヤをリムに着脱するにはタイヤレバーが必要で、タイヤレバーによってチューブに傷を付けてエアー漏れを起こすのがチューブタイヤ交換の「失敗あるある」です。

バイク歴の長いライダーはそうしたミスも含めて経験を重ねているものですが、時には経験が邪魔をして基本を疎かにしてしまうこともありがちです。

チューブタイヤを外すと、リム底部分にニップルを覆うようにリボン状のゴムが巻いてあります。リムバンドと呼ばれるこのゴムは、チューブとニップルが接触して擦れることでチューブが傷つくことを防止しています。長年交換したことのないリムバンドの中には、スポークを伝って染み込んだ雨水などによってニップルが錆び、そのサビと一体化しているものもあります。もしリムバンドがなければ、ニップルとチューブが張りつき、チューブが伸縮する際に破れてしまうかも知れません。

したがってタイヤ交換やチューブ交換を行う際には必ずリムバンドの状態もチェックして、ニップル位置からずれていれば修正し、硬化したりエアーバルブ部分で切断している時は新品に交換します。ところがタイヤ交換作業時などにタイヤとチューブは注文したもののリムバンドの注文を忘れ、そんな時に限ってタイヤを外したらバンドが切れていたというのはありがちなパターンです。

この時、作業を中断して新品のリムバンドを調達するのが本来の手順ですが、つい先を急いでガムテープやビニールテープを代用品に使ってしまうことがあります。すると交換当初は問題がなくても、テープの接着剤が劣化した時にリムやチューブに張りついたり、ニップルから浸入した雨水が水たまりになってリムを腐食させたりとトラブルにつながる可能性があります。

またリムバンドを選ぶ際はタイヤやホイール径に応じたサイズを選定することも重要です。ホイール径とバンドがミスマッチだと、張力が高すぎて切断したり、リムとチューブの間で弛んで遊んでしまうこともあります。

タイヤやチューブなどの主役に対してリムバンドは脇役ですが、タイヤ交換時には無条件で交換しておきたい部品です。

POINT
  • ポイント1・ニップルとチューブの接触を避けるリムバンドはチューブタイヤにとって重要な部品
  • ポイント2・リムバンドをガムテープやビニールテープで代用しようとするとサビなど原因になるので、必ず正しくリムバンドを使用する

折り畳まれたチューブは組み付け前にエアーを入れて膨らませる

06-2.jpg 新品タイヤをホイールに組み込む際は、ビードとリムの接触部分の滑りを良くするためにワックスを塗布する。手元にないからと潤滑スプレーやシリコンスプレーを塗ると、成分によってはタイヤの劣化が早まるので要注意。

07-2.jpg パッケージ状態でついたチューブの折れ癖を解消するには、一度空気を入れて膨らませるるのが良い。これだけのことで、タイヤの中で丸く膨らむのだ。

チューブを購入すると、ほとんどの場合はコンパクトに折り畳まれています。それ自体には問題はありませんが、タイヤに組み込む際に注意しておきたいことがあります。それは「事前に空気を入れておく」ことです。

折り畳まれたチューブを広げてそのままタイヤの中に押し込むと、シワが伸びないまま空気が入り、折れ癖がついたまま走行することになる可能性があります。ゴムチューブには柔軟性があるので短期的に何かが起こることはないと思いますが、ねじれたまま使うより丸いチューブ形状が維持される方が望ましいのは間違いありません。

そこでタイヤに入れる前に一度空気を注入して、浮き輪のように膨らませておくことをお勧めします。そうすることで折れ癖が解消されて、タイヤの形状に沿いながらセットできます。人によっては、ホイールのバルブ穴にバルブを通してから少しだけエアーを入れて、円形に膨らむことを確認しながらタイヤに入れて、リムにはめる前にエアーを抜くという手順で組み込むこともあります。

チューブがタイヤ側に付くとタイヤレバーで引っ掛けやすくなるから膨らませない方が良いという意見もありますが、その場合もタイヤに入れる前に膨らませて、ねじれのない状態でタイヤに収めることは有効です。

最悪なのは、一度も空気を入れずにタイヤに押し込み、ビードを入れる手前側と反対の裏側でビードとリムの間にチューブが噛み込んだ時です。エアーを入れて膨らむ過程でビードとリムの間からチューブが抜ければまだ幸いですが、食い込んだ状態でエアーを入れ続けると挟まったチューブがパンクしてしまうこともあります。

POINT
  • ポイント1・販売時の折りたたみ癖がついたチューブは、タイヤに組み込む前に空気を入れて膨らませる

エアーバルブ部分で挟み込みを避けるためナットは引っ掛けるだけ

08-2.jpg リムのバルブ穴にエアーバルブを差し込んだら、傾かないよう直立状態をキープする。チューブをすべてタイヤに収めたら軽く空気を入れて、ねじれを取りながらタイヤ内に収める作業者もいる。タイヤの軽点(黄色の○印)をエアーバルブの位置に合わせたら、この状態でタイヤをはめる。

09.jpg ビードを入れる時はエアーバルブ部分から入れていく。バルブ基部がビードと干渉しないよう、ナットを先端近くまで緩めた状態でバルブを押し込みつつビードをセットする。

10.jpg 2.50クラスのタイヤ幅なら、タイヤレバーを使わなくてもホイールにセットできることもある。エアーを注入する時は、ビードをはめる側はもちろんだが、裏側のビードがチューブを噛み込んでいないかを確認してから注入する。

チューブがうまくタイヤに入ったら、ビードでチューブを挟まないように注意しながらリムにタイヤをはめ込みます。原付クラスで多い2.25や2.50サイズのタイヤなら、ビード部分をリムの底に押し込みながらはめることで、レバーを使わずセットできる場合もあります。

タイヤを組み込む際、とくに幅の狭いリムの場合にはエアーバルブ部分でのチューブのトラブルに要注意です。リム幅が狭いとエアーバルブからリム端部までの幅が狭くなり、エアーバルブ基部とビードが干渉しやすくなり、リムとビードの間にエアーバルブが挟まるとトラブルの原因になります。

エアーバルブ部分とビードの干渉を避けるには、バルブのナットを緩めてリムに押し込んだ状態でリムにビードをセットするのが有効です。また、タイヤレバーを使ってビードをはめる際、エアーバルブの近辺でレバーを使うとバルブを傷つけるリスクがあるので、バルブ部分を最初にはめるようにするのがお勧めです。

また、タイヤをはめていく時にチューブがどちらかに引っ張られてエアーバルブが傾いた時は、ビードとタイヤの隙間からチューブを引くなどして、バルブが真っ直ぐ立つように位置を調整しておきます。ナットを締め付ければ無理矢理矯正されて直立しますが、強く引っ張られた状態ではチューブにストレスが掛かるためです。

これらの要注意ポイントは、身に付いてる人にとっては意識せず作業の流れの中で実践していることばかりでしょう。しかし気づかず作業すると痛い目に遭うものばかりです。タイヤ交換に成功する時と失敗する時があるが、原因はよく分からない。そんな時はひとつひとつの作業手順を見直してみてはいかがでしょうか。

POINT
  • ポイント1・エアーバルブ部分のビードをはめる際は、バルブの基部がビードと干渉しないよう一度押し込んでからセットする
 
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