4ストオイル交換を今一度再確認!!チェックポイントはいろいろとある

うっとうしい季節が過ぎ去ったら、真夏のツーリングシーズン到来!!その先にも、清々しいツーリングシーズンが待ち構えている……。そんなツーリング出先でエッ!?なんてことにならないためにも、日頃からメンテナンスは欠かさずにいたいものだ。ここでは、一般的な4ストエンジンに共通した「オイル交換の基本」に触れてみよう。

新車時から気を配ってこそコンディション維持

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新車だから大丈夫。距離を走っていないから、まだまだ大丈夫、ではなく、新車購入した際は、早め早めにオイル交換しておきたい。機種にもよるが、初回オイル交換は走行500km。次に1000km。その後は2000~3000km走行毎にオイル交換すれば、一般的にはコンディション維持できるもの。しかし、仮に常時高回転ユースのユーザーや吸排気系チューニングを実施しているモデルの場合は、その走行距離でオイル交換すれば良い、というものではない。事実、オイル交換頻度が高かったマシンと、通常頻度でオイル交換していたマシンでは、数万キロ走行後に、交換頻度が高かったマシンのほうが、エンジンコンディションがより良い、といったお話しはよく聞くことだ。

DIYオイル交換派なら常に持ち合わせたい

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オイル交換実践モデルはカワサキKLX125。マシンオーナーさんから車両とともに手渡されたのは、エンジンオイルとオイルフィルターとOリングやドレンガスケット。長年乗り続けたいバイクなら、オイルフィルターやOリング、各種ガスケット類は、常に手元に在庫しておきたいものだ。

オイルの抜き取りは「ひとっ走り後」が基本

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冬場ならもちろんだが、夏場でも冷間時のエンジンオイルは、流動性がきわめて悪い。冷えたエンジンでは、ドレンボルトを抜き取ったところで、エンジンオイルはドバッと流れ出ず、ドボッ、ドボッとゆっくり流れ出る程度。オイル交換時には、可能な限り古くなったエンジンオイルを抜き取りたいものだ。一般的には、暖機運転後に、エンジンオイルがある程度温まってからドレンボルトを抜き取りたい(チンチンに熱いときにはある程度冷えてから作業開始)。時間が無いときでもエンジン始動し、数分間はアイドリングさせ、何度か軽く空吹かしして、可能な限りエンジン本体を温めたいものである。5分程度でも時間があれば、実走行で「ミッションやクラッチ」を稼働させたほうが、エンジン暖機は圧倒的に早まることを知っておこう。ドレンを抜き取るときには、エンジン周辺を汚さないように厚紙や新聞紙で養生したり、抜き取ったドレンボルトはキレイなウエスで拭き取り、ネジ山のコンディションを必ず確認しよう。ドレンガスケットはオイル交換毎に交換するのがベターである。

指回しでもスムーズに組み込めるドレンボルト

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エンジンオイルを抜き取り、ドレンのネジ山をチェックしてガスケットを交換したら、エンジン側のドレン座をウエスで拭き取り、指先回しでボルトがスムーズに締められるか?必ず確認しよう。仮に、ネジ回転が渋いときには、ボルトのネジ山、もしくはエンジン側のネジ山にダメージがあるため、その原因を突止めて最善策を施そう。ドレンボルトを締め付けるときには、車載工具やオープンエンドスパナではなく、コンビネーションレンチやメガネレンチ、ソケットレンチを利用し、ボルトの頭を痛めないように注意しよう。

オイルフィルターはオイル交換2回に1回交換

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オイルフィルターカバーを取り外すときにも、内側に溜まったオイルが溢れ出て周囲を汚さないように、フィルターケース下にはウエスを敷いたりして養生しよう。フィルターケースカバーのOリングも交換するが、その際には、フィルターケース内とOリングの締め付け座をウエスでしっかり拭き取り、パーツクリーナーで脱脂洗浄。機種によってはオイルフィルターをスプリングで保持するタイプがあるため、組み付け時には、スプリングがズッコケてしまわないように注意深く組み込もう。

エンジン始動後はアイドリング待機が基本

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ドレンボルトを締め付け、オイルフィルターを交換したら、エンジンオイルを注入しよう。この際には、規定オイル量を一気に入れるのではなく、フィラーゲージでまずは下限まで注入する。エンジン周辺の油分除去を再確認したらセルボタンひと押し。現代のFIエンジンなら簡単にアイドリングし始めるはずだ。1分程度アイドリングさせた後に、ややエンジン回転を高めてからエンジンストップ。その後、片手でハンドルを持ち、車体の直立を保ちながらフィラーゲージのオイル量を点検してみよう。

「継ぎ足し」で規定量に合せるのが正解

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エンジン停止後は1分程度待ち、オイルフィラーで油量を再確認してみよう。オイル交換後は、そもそも「下限注入」だったので、エンジン始動後のオイルレベルは下限に満たないはずだ。そこで、不足分のエンジンオイルを注入し、レベル上限から下限の間で調整する。下限以下では少なく、上限を越えるほど入れ過ぎても良くない。入れすぎると高回転走行時にクランクケースブリーザーからのオイル吹き原因となる。一般的にオイルレベルは、真ん中あたりで合せるのがベストだ。

「ついで」のメンテナンスが効く

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オイル交換タイミングと同時に、他の定期点検ポイントも同時作業することで、バイクのコンディション維持はより確実なものになる。推奨ポイントは、ドライブチェーンのクリーニングと注油、クラッチレバーピボットの洗浄とグリスアップ、クラッチケーブル内の洗浄とエアーブローと注油などなどである。これらの作業をオイル交換毎に実践することで、バイクのコンディションはより一層、安定したものになるはずだ。

POINT
  • ポイント1・エンジンオイル交換作業は、暖機運転後や走行帰宅後に行う。エンジンが熱いときには、ある程度冷えてから作業しよう
  • ポイント2・タイムリーにオイル交換できるように、エンジンオイルやオイルフィルター、各種ガスケットは常備しておこう
  • ポイント3・ドレンボルトのネジ山やエンジン側のネジ山が痛むと指先だけで奥までネジ込めないので、そんなときは原因追及
  • ポイント4・ オイルの注入不足や入れ過ぎには要注意。オイル交換と同時に他のポイントも定期点検を心掛けることでマシンコンディションは良くなる

オイル交換サイクルは、バイクそれぞれの使い方、使われ方で違うものだ。同じ1000km走ったバイク同士でも、常用高回転で走り続けたバイクと、比較的低回転維持で走ったバイクでは、走行距離は同じだったとしても、エンジンオイルの過酷さや疲労度には相当な違いがある。また、ノーマルエンジンかつノーマルの吸排気=エアークリーナーが装備されていれば、砂埃やゴミチリを吸い込む可能性は少なく、エンジンオイルの交換サイクルはメーカー推奨で十分だろう。しかし、吸排気系をチューニング、以前なら、ボアアップにビッグキャブとマフラー交換などは当たり前に行われていたが、現代なら、噴射量の多いインジェクターノズルに排気効率が良いマフラーを装備。ときには純正エアークリーナーではなく、いわゆるパワーフィルターを装備する例もあるはずだ。

そのような仕様変化によって、吸入エアーも当然ながら勢い良く吸うようになり、ゴミやチリや「湿気」に関しても、標準のエアークリーナーシステムとは違ったものとなる。言い換えれば、モディファイによってエンジンオイルのコンディションは低下しやすくなる傾向なのだ。ピックアップが良くなるだけ発熱量は多くなる。もちろん高性能なエンジンオイルを使うに越したことは無いが、高性能エンジンオイルを使ったからと言って「オイルが汚れない」というわけではない。もちろん定期的なオイル交換が必要不可欠なことに変わりはない。そのあたりのことは、しっかり理解しておきたい。

ここでは、カワサキKLX125を題材にエンジンオイル交換とオイルフィルター交換を実践したが、一般的にオイル交換時には、最低でも以下のことに注目したい

1:エンジンオイルを抜き取る時には「作業環境を汚さない」こと。
オイルの流れ方や出方を想像して、オイルが飛び散らないようなガードを新聞紙などで作ろう。

2:ドレンボルトのネジ山コンディションとエンジン側ネジ山コンディションをしっかり確認しよう。
取り外したドレンプラグのネジ山をウエスで拭き取りパーツクリーナーで洗浄。エンジンオイルを排出し終えたら、指先でスムーズにドレンボルトがクルクルっと回るか?しっかり確認しなくてはいけない。仮に、渋さを感じたら、ボルト側かエンジン側かを確認する。ボルト側ならネジ山修正またはボルト交換。仮にエンジン側のネジ山がツブレ気味だったら、ネジサイズのタップを用意してグリスをたっぷり塗布してからネジ山をさらい直そう。タップが軽くスルスルっと入れば問題無いが、完全にネジ切り状況に至ったときには、先輩サンメカに相談し無理は禁物だ。スルスルっとタップが入ったときには、綿棒を使ってドレン穴のネジ山をクリーニングしよう。切粉が心配なときには、ドレンを開放した状態でオイルフィラー穴からエアーガンを吹き込み、切粉を外側へ吹き飛ばすのが良い。

3:ドレンボルトのガスケットやオイルフィルターのOリング類は新品に交換。
各種ガスケット類はすべて新品部品に交換するのが原則だ。

たかがオイル交換、されどオイル交換……。どんなバイクのオイル交換作業でも、これらの事柄を忘れることなく意識しながら、作業進行するように心掛けよう。

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