最近クラッチレバーが重い?そんな時はクラッチケーブルを洗浄・注油しよう!
スロットルやクラッチなどの操作系にケーブルを用いているバイクにとって、定期的なメンテナンスは不可欠です。
手入れを怠って乗り続けてケーブル内部が潤滑不足になれば、内部抵抗が増えてレバー操作が重くなり、軸部やタイコなど周辺部品の摩耗も進みます。
徐々に進行する劣化は把握しづらいものですが、ケーブルの洗浄と注油は走行距離や期間を決めて行いたいものです。

気づかぬうちに忍び寄る潤滑不良の影響


C002.jpg
スロットルケーブル、クラッチケーブル、ドラムブレーキ車ならブレーキケーブル、さらにスピードメーターワイヤーなど、バイクにはいくつもの作動用ケーブルが使われている。
すべてのケーブルは洗浄と注油で余計な抵抗が減少し、なおかつケーブル自体の寿命も延びる
 
パンクやヘッドライトの球切れのように明らかに分かる不具合に対して、タイヤの摩耗によるハンドリングの変化や、クラッチやスロットルケーブルの潤滑不良の影響はなかなか気づきづらいものです。
最近では電子制御スロットルなども普及し始めていますが、細いステンレス線をより合わせたケーブルは、錆びづらく柔軟性が高いことで長い間コントロール系伝達システムの主力パーツとなってきました。
 
現在、市販車に装着されているケーブルの多くは、コイル状に巻かれたアウターケーブルとインナーケーブルの金属同士の接触を防ぎ、フリクション低下と潤滑製向上を図るためにポリエチレン樹脂製のライナーが組み込まれています。
しかし、樹脂製ライナーと金属製インナーケーブルの組み合わせであっても、潤滑が必要なことには変わりはありません
クラッチレバーを握った時に操作感が重い、レバーがスムーズに動かない、半クラッチのコントロールがぎこちなく感じる……など、以前にはなかった症状が出てきたら既にケーブルの潤滑に問題があるサインかもしれないので、早めにメンテナンスを行いましょう。
 

POINT

・バイクには多くの作動用ケーブルが使われているが、潤滑不良の影響は気づきずらい
・クラッチレバーが重い、レバーがスムーズに動かないなどの症状が出てきたらメンテ時期

 

注油の前にまず洗浄


今回は外し方の手順は割愛しますが、クラッチでもスロットルでもケーブルのメンテナンスを行う場合はクラッチレバーやスロットルドラムからケーブルを取り外します
注油したオイルはレバーと反対側のレリーズやスロットルドラム側に流れるので、そちら側もウエスで養生しておきましょう。
ケーブル内にオイルを注入するには、「ケーブルインジェクター」があると便利です。
RE002.jpg
アウターケーブルの端部にケーブルインジェクターがフィットすれば、ケミカルを効率的にケーブル内に注入できる。
これがなくても、角を切ったビニール袋をケーブルの端に輪ゴムで縛り付けて、その袋にオイルを入れてケーブル内に注油する手段もあります。
しかしケーブルインジェクターがあれば、缶スプレータイプのケミカルのガス圧を利用できるため作業時間を短縮できるメリットがあります。
ひとつあれば長く使えるので、愛車を大切にしたいオーナーにはお勧めです。
ケーブルインジェクターの購入はこちら
 
さて、動作が渋くなったケーブルは油分が不足しているのはもちろんですが、それと同時にガイドとインナーケーブルの隙間に汚れが付着していることも多く、その状態でオイルを注油しても汚れでコーティングされたケーブルは潤滑できないのです。
したがってケーブルのメンテナンスでは注油前の洗浄が重要ですが、洗浄に用いるケミカルはパーツクリーナーだけでなく、潤活用のオイルでも洗浄できます
 
ケーブルの潤滑に粘度が低めでわりとサラサラのオイルを用いる方が操作感が軽くなるため、そのオイルで洗浄してしまおうという考え方です。
インジェクターから吹き込むと、最初は黒く汚れたオイルが反対側から出てきますが、それが透明になったら洗浄と潤滑は終了です。
 
C003.jpg
クラッチレバーと対になるクラッチレリーズの潤滑状態も重要
この部分にチェーングリスが付着する構造のバイクでは、汚れたグリスで動きがジャリジャリしているものもある。
そのまま使い続けるとレリーズ内部の摩耗につながることもあるので、洗浄とグリスアップが必要だ。
 
ワイヤー潤滑ケミカルはこちら
 

POINT

・ケーブルの潤滑・洗浄にはケーブルインジェクターが便利
・ケーブルには汚れが付着している可能性が高いので注油前に必ず洗浄をおこなう。
・クラッチレリーズの潤滑状態も要チェック

 

ケーブルのタイコやレバーピボットの洗浄・潤滑もお忘れなく


RE003.jpg
ケーブル端部のタイコへのグリス塗布は、クラッチ操作による摩耗を防止できる上に、ケーブル破断防止にも有効だ。
 
新たなオイルを注入したケーブルを復元する前に、クラッチレバーのピボットやケーブル端部のイコの状態も確認しておきましょう。
クラッチレバーを握った時に、ストローク方向だけではなく上下にもレバーのガタがある場合ピボット部の潤滑不良による摩耗の可能性があります。
摩耗したピボット部は元には戻りませんが、ガタがない場合、またガタが認められてもそれ以上の摩耗を防ぐためにも、ピボットボルトを外してパーツクリーナーで汚れを落としてからリチウム系のグリスを塗布して復元しましょう。
 
ケーブル端部のタイコも同様で、ここにグリスがないとレバー側のタイコ穴と強い力でこすられて偏摩耗につながるため、やはり極圧性の高いリチウム系グリスを塗布してから組み立てます。
 
ケーブルの洗浄と注油は比較的容易な作業ですが、レバー操作力の軽減はもちろんクラッチの応答性が良くなることでシフトチェンジが軽くなる二次的な効果もあり、高い満足度が得られます。
 
メンテナンス直後の感触を覚えておいて、操作性がちょっと悪くなったと思ったら洗浄と注油を行えば、ケーブルとレバーの寿命も伸びてまさに良いことずくめです。
 
C005.jpg
レバーピボットボルトのグリスが切れると、フリクションが増加するだけでなくレバー側の穴が削れて拡大してしまう。
 

C004.jpg
レバーホルダーとレバーの摺動面にもグリスを薄く塗っておくことで、レバーのガタつきも抑えられる。
ケーブル端部のタイコにもグリスを塗布しておくこと。
 
記事で使用しているグリスはこちら
 

POINT

・ケーブル端部のタイコへの注油は摩耗・破断防止に有効
・レバーが上下にガタつく場合はピポット部の潤滑不足による摩耗の可能性がある
・ケーブルの洗浄・注油は簡単で満足度が高い作業のため定期的にやっておこう

 

ケーブルの給油は必要不可欠。給油と洗浄はセットで行う


ライダーの意思を伝えるケーブルは重要部品。
フリクションロスで繊細な操作が阻害されればライディングの違和感にもつながります。
常に適度な油分を与えてスムーズな動きをキープしよう!
 
ケーブルインジェクターはこちら
 
ワイヤー潤滑ケミカルはこちら
関連キーワード
20210625_garage_sale_point_336_280.png
車種に関連した記事
ハンドルに関連した記事