欠品絶版鈑金部品を自作!!ワンオフ製作なら、どうにかなってしまう!!

生誕50周年を越えた旧車ともなると、望み通りの部品はなかなか見つからない、見つけられないものである(ヤマハYDS2)。仕方ないので「部品を入手できるまでは、手作り部品でガマンしよう」などと考え、DIY製作することになったのが、エアークリーナーを吊る鈑金ブラケットだった。メーカー純正部品にこだわりたくても、さすがに旧すぎるモデル用は、中古のボロ部品ですら見つからないのが旧車である。海外のネットオークションを見ると、想像以上に数多くのパーツが流通しているが、同じ2ストヤマハでも、オートルーブ時代ではなく混合ガソリン時代のモデルともなると、なかなか欲しい部品を見つけ出すことは難儀である。ここでは、三角表示板!?のようなブラケットをDIY鈑金にて製作した様子をリポートしよう。

本物のメーカー純正部品から採寸

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同じモデルを所有するバイク仲間から現物部品を採寸させて頂き、そのデータを元に略図を描き、その略図を切り出して「型紙」を作ってみた。この型紙をエアークリーナーケース部分にレイアウトして、寸法的に間違いが無いか?細部を確認してみた。用意した鉄板は、純正部品と同じ厚さ1mmの亜鉛引き鋼板。近所のホームセンターで偶然にも販売していた。型紙に合せながら、まずは外周のラフなカットから作業開始。

大型万力に叩き型と切り出し鉄板を固定

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型紙とほぼ同じような鉄板をコンターマシンで切り出したら、曲げ込まれる内側の幅寸法と同じサイズの金属ブロックを用意し(偶然にもアルミ材料の切れ端が同一寸法だった)、そのアルミブロックを型代わりに切り出した鉄板に押し付けながら鈑金ハンマーで叩いて各部を曲げていった。大型万力で鉄板とアルミブロックを固定することで、曲げたいエッジをハンマーで叩いて曲げることができる。


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仮に、厚さ10mm前後の鉄板から一枚板の叩き型を製作すれば、この程度の形状や曲げの部品なら、何枚も叩き出し製作すことができそうだ。フレームへの固定穴とエアクリーナーの固定穴は一文字カットのドリルで薄板穴明け加工を行う。

プレート補強やナットを溶接して何とか完成

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メーカー純正部品と同じように、2箇所の穴には長穴加工済みの厚ワッシャを溶接して補強追加。上の穴1箇所には、旋盤で段付き加工を施した丸棒ナットを溶接した。このように裏側を見れば手作り部品だと一目瞭然の仕上がりだが、現物部品と比較しながら製作できれば、より完成度が高いブラケットをワンオフできる。

ペイントすればご覧の通り、いい感じになりました

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鈑金バフで表面をサッと削って仕上げ、エアークリーナーと同様にブラックペイントで仕上げることで、それなりの部品に仕上がって見える。国内仕様のエアークリーナーボディと三角ブラケットはクローム鍍金仕上げだが、輸出仕様の最終型YDS2はブラック仕上げだった。

オプションのウインカーブラケットも自作トライ!!

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国内仕様のヤマハYDS2にはオプション設定でウインカーキットがあり、画像のブラケットとウインカーボディがまさにYDS2用純正オプションパーツ。リアウインカーのステーが鉄板の鈑金構造だったので、この部品も作ってみることにした。

型紙一枚から展開したウインカーブラケット

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ウインカーステーは細かく採寸しなかったので、撮影画像を見ながらザックリ寸法で作業進行してみた。手信号で走れば問題無いが、その手信号を理解してもらえない世代が増えているので、国内向けウインカーオプションのブラケットを複製してみた。取り敢えずはこんなカタチで何とかなりそうな気配なのだが?厚紙を用意して、切った貼ったを繰り返してこんな感じの型紙が完成。この展開図通り、できる限りシンプルに作りたいものだが果たして。

やっぱり便利な大型の作業用万力

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万力と四角い金属ブロック(アルミ素材の切れ端)を利用し、ハンマーで叩いて望みの形状にしてみた。ブラケットの接合部分を先に仮溶接してからハンマリングすると、簡単には形状が変わりにくく作業性が良いようだ。ウインカーをボルトオンしてからブラケットの上下を貫くようにM8ボルトを差し込む。無理せずボルトが貫通すれば、シート固定用ボルトを差込んでもスムーズに共締めできるはずだ。

POINT
  • ポイント1・何個も自作するのではなく、たった1個だけのワンオフなら、何とかなってしまうことが多いのでチャレンジしてみよう
  • ポイント2・大型万力があると部品をクランプしてハンマーリングしやすい。作業性も良好なので、万力はメンテナンスでも必需品だ
  • ポイント3・ 鈑金部品を作ってみたくなったら、型紙作りから始めよう

旧車のレストアで一番大変なのは、欠品部品を探すことだと思う。程度は決して良くないボロ部品でも、現物さえあれば、似たような複製部品を作ることはできる。また、本物の部品がみつかるまでは、別の部品でも「機能さえすれば良い」と考えるだけで気楽になれるというものだ。1960年代初頭に開発生産されたヤマハのスーパースポーツモデル、YDS2の里帰り車両を見つけたときは、エンジン、車体とも様々なトラブルを抱えていた。それらの問題点を、ひとつひとつ潰していくことで、マシンとしての完成度を高めていった。ある程度のカタチに至り、あとひと息で完成域といった頃に困ったのが、燃料コックの切替えガスケットと、左右エアークリーナーボディをつなぎ、それをフレームへ固定する通称「三角表示板のような鈑金部品」の欠品だった。

燃料コックの切替えガスケットは、いわゆる通称「レンコン」と呼ばれるガスケットで、メーカーを問わず数多くのモデルに採用されている部品である。しかし、他のモデル用ガスケットでは、切替え弁の穴サイズや穴位置寸法が一致せず、他機種流用部品で何とかなるのでは?と思っていたが、なかなか使えるものを見つけ出すことができなかった。しばらくして、偶然見つけたのがスズキ用燃料コック切替えガスケットだった。外径寸法はやや小型ながら、4箇所のポート穴寸法は同一。部品交換会で見つけたその部品は、見事なまでにヤマハ純正燃料コックで使うことができた。

そして最後の砦は、通称「三角表示板のような鈑金部品」だった。手元にあるパーツリストを見ると、部品の画像(当時のパーツリストはイラスト表示ではなく写真画像表示だった)はあるものの寸法関係は一切不明。そこで、同モデルを所有するバイク仲間の先輩宅を尋ね、実際の純正部品を寸法取りさせて頂き、携帯画像にも収めさせて頂いた。ノギスで板厚を測定すると1.0ミリの鉄板だったので、これなら叩き出しで作ることができるかも?と考え、帰宅後に早速材料を用意し、このブラケットと、現車を見せて頂いたときに気がついたリア用ウインカーブラケットも自作してみた。

いずれの部品も1.0ミリの鉄板素材だったので、双方ともに厚紙で型紙を準備して、鈑金叩き出しにて自作。本物部品と複製部品を並べて見比べない限り、まず気がつかれない程度には、自作することができたと自負している。取り敢えず機能さえしてくれれば、あとはのんびり本物のメーカー純正部品と巡り逢うのを待てば良い。そんなこんなで、複製自作部品作りは楽しいです!!

 
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