バイクのスイッチボックスの分解・修理のやり方
最新モデルのハンドルスイッチは樹脂製で高性能化が進み、内部構成部品がサビで朽ち果てることは少ない。
しかし、旧車はもちろん樹脂部品でも80年代以前のモデル用パーツでは、動かしたいように動かないことも多い。
ここでは、アルミハウジングの旧車用スイッチをテーマに「配線張り替え」のキーポイントを解説しよう。

同色の配線を購入して準備。配線束ねチューブも好印象


スイッチボックスのフルレストアを実践してみた。
市販の黒ビニール保護チューブに同色配線を同寸法で通して準備した。
ハーネステープでの巻仕上げでも良いが、防水性の高さはチューブ保護の方が上だ。

分解作業時は「広い一枚ウエス」の上が最適


旧式スイッチノブはネジ止め式が多い。
ウインカースイッチのノブは金属部品と一体になったものもある。
分解時にはトレイの中にウエスを敷き、分解パーツを飛ばして紛失しないように要注意。


分解前のスイッチ内部はホコリや汚れた潤滑グリスで真っ黒になっている例が多い。
油には油の法則!? 防錆浸透スプレーを吹き、歯ブラシなどで汚れを分解洗浄してから分解作業を開始。

防錆浸透スプレーはこちら


スイッチノブのスライド接点部分。
このような接点の裏には小型スプリングが仕込まれ、グリスの粘性で保持されていることがあるため、分解時にスプリングの紛失に注意。


順序良く部品をバラしていく。
小さなビスやワッシャーを紛失しやすく、また、元通りに復元するためにも、分解前には携帯電話のカメラで撮影しておくと後々の復元時にはたいへん参考になる。


雑に作業を進めずハウジングからバラせるものは取り外してから分解作業を進める。
デザインが違うスイッチボックスは、内部の構成部品も違うので、分解前の携帯撮影が効果的なのだ。

長年使われてきたスイッチボックスの多くは、汚れたグリスなどで真っ黒に汚れている。
汚れたまま分解すると部品構成がわかりにくくなるため、スイッチ内に防錆浸透スプレーを吹き付け、不要な歯ブラシなどで汚れを分解してからパーツクリーナーで洗い流すことをお勧めしたい。
汚れたグリスは、いきなりパーツクリーナーを吹き付けてもなかなかキレイにならず、汚れのかたまりが落ちにくいため(例えばドライブスプロケット周辺の洗浄でもおなじ)、まずはオイルや灯油をスプレーして、汚れを分解するのが良いのだ。


POINT

・構成部品は実に細かく、スチールボールやスプリングは紛失しやすいので分解時にはトレイを用意
・トレイの中にウエスを敷き、その上で分解する
・それにより落下した部品でも紛失しにくくなる


あらかじめ配線側の先端にハンダ付けするのがコツ!


保護チューブに配線を通すにもコツがあるが、それは後ほど解説しよう。
配線を通したら旧配線との交換だが、その前に新配線のハンダ付け部分にあらかじめハンダを載せよう。


旧配線をスイッチから取り外したら、新配線のハンダ付け。
今回はスイッチ側に残ったハンダとハンダ済み配線を突き当てながら、コテで接続部分を溶かしてハンダを一体化した。

はんだゴテはこちら


同じ配線色を使って再生するのが基本中の基本だが、一度にすべての旧配線を取り外してしまうと接続箇所を間違えてしまうため、複数を同時に入れ換える時には1本づつ作業しよう。

配線コードはこちら


こんな感じに接続完了。新品配線と保護チューブになり気分一新!! 
もちろん作業完了後にはテスターを利用してスイッチング動作が正しいか? 徹底した点検が必要だ。


部品を復元する前に、取り外した部品だけでスイッチ内部の組み付けレイアウトを再現し、配線曲がりなどのクセを合せてから手際よく組み込もう。
接点部分にはグリスを薄く塗布する。


新規配線を復元したらスイッチノブ回りを組み付け、スイッチング操作し不具合無く動くことを確認しよう。
この段階まで来たらテスターでスイッチング=導通確認を行うことができる。。

保護チューブのサイズは配線本数に対してある程度(配線2本分程度)の余裕が必要だ。
長い配線を通すのはなかなか難しく、ヨレた配線はまず通すことができないので、ヨレの無い新しい同色配線を利用し配線交換しよう。
複数本を通したいときには、配線端部を暫定的にハンダで仮接続し、1本だけ太い線もしくは針金の端部に配線を仮付けし、保護チューブを通すための「ガイド」を作ると良い。


POINT

・スイッチ接点が摩耗している場合は、センターポンチや細い平ポンチを利用して接点裏側から軽く叩き、摩耗分を突起量で取り返す方法もある
・強く叩き過ぎると接点を突き抜けてしまう可能性もあるため、注意深く作業しよう


完全分解したので「磨き」と「墨入れ」


今回はスイッチボックスを完全分解したため、ガラスビーズショット(サンドブラスト)にて、ハウジングの表裏をクリーンナップし、その後、表側をバフ掛けでピカピカに磨いた。
磨き完了後にタッチアップペンを利用しマーク部分に「墨入れ」(色入れ)を行った。これでフルレストア感満載だ!!
タッチアップ塗料はこちら
関連キーワード
電装系に関連した記事