薄っすらサビだからこそ早めの対処が重要。タンクのサビ取りは必須!!

北米市場の輸出専用モデルとして発売されたスーパーカブは、スーパーカブではなく「パスポート」と命名された。大きく四角いXL125と同じウインカーやツートーンのWシートがビジネス系スーパーカブとは、一線を画したスタイリッシュなデザイン。40年近くの歳月を経て、北米から里帰りしたパスポートだが、ガソリンタンク内部の「薄っすらサビ」が気になった。こんな初期のサビこそ早めの対策が重要なので、早速、取り除いてしまおう。

ダブルシートを標準装備した輸出仕様

標準装備の純正Wシートは、Wシートとしては短いのが大きな特徴。世界中で販売されたスーパーカブシリーズには、派生モデルが数多く、サドル(国内カブ)、一人乗りセミダブル、パスポートサイズのダブル、さらに長~い、東南アジア向けの純正ダブルシートもあった。

キャブ掃除で気がついた「サビ粉」

長年に渡ってエンジン始動されていなかったのだろう。タンク内部は空で、キャブのドレンを緩めてもガソリンが流れ出てこなかった。まずはキャブを分解して内部を確認してみた。すると、キャブボディに組み付けられた燃料コックのストレーナー部分、フロートチャンバーの底には、目視確認できるほどサビ粉がびっしり堆積していた……。サビかドロかの判断は、マグネットで確認することもできる。

ガソリンタンク内部を疑おう


ダブルシートを取り外し、フレームに締付けてあるボルトを緩めることでガソリンタンクは簡単に取り外すことができる。燃料コックはキャブボディに付くので、ガソリンタンク側は燃料チューブを差込む2本のパイプノズルのみ。タンク内部の液体が流れ漏れないように、タンクから出る2本のパイプノズル間をチューブで接続して液漏れを防止した。

高性能さびとりケミカル「花咲かG」

ガソリンタンクのサビ取りケミカルとして高い実績を誇る「花咲かGタンククリーナー」。中性なので廃液処理も容易かつ人畜無害な素晴らしい特徴を誇る。ガソリンタンク内のサビ取りケミカルのバイオニア的存在だ。一液性で、処理後の金属地肌には、防錆皮膜がコーティングされ、再びサビが発生し難いメカニズムを持つ。

温めることで活性化するサビとり剤

酷いサビではなく、薄っすらサビなので、希釈は30倍でも十分だった。冷水や水道水ではなく、ぬるま湯以上の温度をキープすることで、サビとり能力は安定的に高まる。50~60℃のぬるま湯でタンククリーナーを割り、タンク内へ注いでからキャップをして、カーベック製CVジュニアに入れて(スーパーカブ系タンクなら入る!!)タイマーをセット。実温度計と比較しながら70℃にセットした。タイマーは1時間なので、サビの落ち具合を確認しながら数時間、ダイヤルを回して作業を繰り返した。


薄いサビなら20倍。ガッツリ錆びていているなら10倍希釈で使っている花咲かGタンククリーナー。今回は薄っすらサビなので20倍に希釈して利用(30倍でも十分な効果を得られそうな程度)。CVジュニアを使って4時間経過後に、処理液をバケツに流してタンク内部を点検すると、すでにサビは取れてピカピカになっていた。処理液はゴミを濾過しながらポリタンクに溜めた。嬉しいことに処理液の性能が低下するまでは、何度となく繰り返し利用することができるのが花咲かGタンククリーナーだ。

ロングノズルエアーガンで「うがい洗浄」


タンクから処理液を流し出したら水道ホースを突っ込み、単純に水を流し入れるだけではなく、エアーガン+ロングノズルを使ってタンク内部を「うがい」するように洗浄すると汚れやサビは一気に流れ出てくる。タンク注入口からの吹き返しでびしょびしょに濡れてしまうので、透明なビニール傘をさし、ビニール越しに作業するのが実に効率良い。懐中電灯で照らして、内部をしっかり目視点検。気になっていた薄っすらサビはほぼ落ち、ピカピカ鉄板部分はそのまま輝いていた。これなら安心!!

内部を乾燥させて作業完了

乾燥時にも CVジュニアに入れて10分も暖機すれば完全乾燥できる。ここでは、ヒートガンを利用し、乾燥させてみた。タンクが小さいのでアッという間に内部は乾燥する。自然乾燥なら、タンククリーナー原液を3~5倍程度に水で希釈し、タンクに入れてグルグル回してから排出→自然乾燥させよう。これが「リンス」と呼ばれる仕上げ方で、サビが再発しにくくなる裏ワザだ。

POINT
  • ポイント1・ キャブ内に堆積したゴミを見つけたらタンク内部の汚れを疑おう
  • ポイント2・ 薄っすらサビでも早期に発見できればラッキー。タンククリーナーでサビ取りを行おう
  • ポイント3・ タンククリーナーは冷水ではなくぬるま湯を利用することでサビ取りが活性化する
  • ポイント4・ 処理後の水道水洗浄は徹底的に。エアーガンの併用で確実に汚れを洗い流そう。作業後の乾燥も徹底的に行おう

安定的なエンジン始動と試運転第一優先で、ザックリとメンテナンスを進めてきたパスポート号。薄々疑ってはいたものの、走りたい気持ちが勝って、メンテナンスはザックリ進行した。比較的楽なメンテナンスで走れるようになった。ところが、しばらく走るとオーバーフローが発生。「んっ!?」と思いフロートチャンバーと一体になった燃料コックに組み込まれるストレーナーを取り外し、点検してみた。すると、サビ粉やゴミがしっかり堆積していた……。里帰り直後のザックリメンテで、キャブは軽く分解洗浄。コック周辺もエアーブローしていたので、間違いなくこの堆積ゴミは「タンク内部から流れ出てきたもの」だと考えられた。

そんな不具合を発見すると、見過ごすことなどできないもの。早速、タンク内部の燃料を醤油チュルチュルポンプで抜き取り、シートを外してコックのフィッティングから燃料チューブを2本とも抜き取り、ガス漏れ防止のストッパー栓を燃料チューブに差し込んだ。そして、タンクをフレーム内部から引き抜くように取り外した。

ここでは、ガソリンタンク内部のサビ取り作業を実践しよう。取り外したタンクを手に持ちつつ、何気なくに眼に映ったのがカーベック製CVジュニアだった。実温度50℃ぐらいから200数十℃まで温度管理でき、しかも1時間タイマー付きの優れものの高温乾燥機である。ペイントの乾燥から各種メンテナンスの熱応用ツールとして、すでに数多くのサンデーメカニックに知られるベストセラー商品。そのCVジュニアのガラス扉を開いてパスポートのタンクを入れてみたら、何と!!扉が閉じるではないか……!!早速、熱を利用しながらサビ取り作業を開始した。

ここで使用したケミカルは花咲かGタンククリーナー。中性ながらその処理能力が素晴らしい商品だ。パスポートのタンクは軽度な薄っすらサビなので、今回は20倍で利用した。酷いサビでも10倍希釈で高い処理能力を得られるので、コストパフォーマンスも高い。このタンククリーナーは、処理液を温めることで活性が高まり高い処理能力を発揮するのが特徴だ。

大型モデルのタンクなら、湯沸かし器のお湯でタンククリーナーを割ってから、タンクキャップ口切り満タンまで注入。処理液を保温のために、毛布数枚でグルグル巻きにしたり、バイク仲間の中には、魚屋さんから頂戴した発泡スチロールの大型箱にタンクを入れて時間待ちしている作業例もあるが、重要なことは、作業中の処理液温度を可能な限り下げないことである。ちなみに旧スーパーカブのガソリンタンクなら、CVジュニアに収るサイズが多いので、より一層、作業進行は楽々である。道具があるって、いいですよね~♪この作業後は、もちろんオーバーフローとはオサラバになりました。

 
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