旧車の「黄変エンジンカバー」はクリア層を剥がせばピカピカに輝く

腐食した痕跡はまったく無いのに、エンジンカバー、ホイールハブ、フロントフォークのボトムケースなどが、真っ黄色に変化……。いわゆる「黄変」していることがよくある。そんな黄変を、旧車の勲章のように考えるのなら、そのままで良いだろう。しかし、本来の美しさに戻してあげたいと考えるのなら、パーツを単品にしてから「塗料はがし剤」でクリア層を剥離してみるのが良いだろう。あらっ、不思議!?ものすごくキレイになるんです!!

程度が良い旧車はクリア黄変が多い

1978年に登場したスズキのフラッグシップモデル、初期型GS1000。決して極上コンディションではなかったが、転倒や屋外放置されていた経歴がなかったようで、エンジン周りの外観的コンディションは良かった。その証拠に、エンジンカバーのクリアペイントは、劣化によって黄変していた。クリア層の下にある輝きを蘇らせよう!!

塗料はがし剤の素晴らしい性能


プラスチック製作業シートの上にパーツを置き、「塗料はがし剤」をタラーッと流しながら、刷毛で薄く広く伸ばしていく。すると、黄変したクリア層が、チリチリチリッと音を立てながら……。小さなヒビがサーッと入っていった。僅か数秒の出来事だったが、ご覧の通り!! 音を立てながらヒビが入ったクリア層を刷毛で掃除するようにまとめていくと、クリアペイント層の下から信じられない輝きが出現!!やっぱり輝きが蘇るのは嬉しいですよね。

剥がれた黄変塗膜はしっかり洗浄


ドライブチェーンとスプロケットの接触音を抑制するための対策で、スプロケットカバー裏側には発泡スポンジ処理が成されていた。カバー側面も黄変していたので、すべてハケで塗布してみた。塗料はがし剤を使って塗膜を剥がしたときには、剥がした塗膜を水道水でしっかり洗い流すことが何よりも大切。塗膜が乾いてしまったら、簡単に流し落とすことができない、最悪のパターンになってしまう。

不織布ホイールで白サビを除去

スブロケットカバーは全体的に出っ張ったデザインで、地面に近い側は部分的に腐食が発生していた。そこて、腐食(白サビ)を落すためにリューター+不織布ホイールの細目で軽く磨いてみた。全体的に似た雰囲気に仕上げることが重要で、サビが発生した部分だけが、ピカピカに輝かないように注意深く仕上げよう。

コンパウンド慣らしで驚きの輝きに

露出するカバー面には極細目のコンパウンドを適量塗布して、柔らかくパーツ表面に影響を与えにくいネル素材のウエスで軽く磨いて作業完了。黄ばみとは、まったく無縁のスプロケットカバーに変貌。こんな状況はオーナーにとって嬉しいものである。

輝きの維持にはクリアペイントだが

はっきり言って、ここまで美しく仕上がるとは信じられない印象だ。この輝きとアルミ地肌の存在感は素晴らしい!!光り過ぎがイヤで、しかも純正風の輝きを持続させたいなら、ガソリンや溶剤に強いガンコートのスーパークリアやウレタンペイントのクリアで、薄く再ペイントするのがお勧めである。

POINT
  • ポイント1・ 黄変したクリアペイントは「塗料はがし剤」で除去してからコンディションアップを図ろう
  • ポイント2・メーカー純正のバフ仕上げ面を露出できたら、部分的に磨き過ぎないように腐食を除去しよう
  • ポイント3・ メーカー純正のような輝きの維持には、現代の高性能クリアペイントで仕上げよう

トータルコンディションが良いノンレストアのバイクでも、アルミ地肌の部品が、黄ばみによってパリパリになっていることが多い。すでにパリパリになっているのなら、樹脂製スクレパーでコリコリ剥がすことはできるが、面積が広い場合は、最初から部品を取り外し、単品にしてから「塗料はがし剤」を使ってクリア層を一気に剥がしてしまうのが手っ取り早く、美しい仕上がりになる。

この作業実践は、旧車を美しく所有し、楽しみ続けたいオーナーにとっては、とても参考になるリポートだと思う。黄変した部品を取り外し、徹底的にピカピカ仕上げ(顔が映るほど)にする方法もある。超極上の輝きは、頑張り次第だから、逆に言えば楽な作業かも知れない。しかし、中には輝き過ぎのオーバークォリティを嫌い、純正仕上げや純正部品の雰囲気に戻したいと考えるマシンオーナーもいる。そんな雰囲気を目指した旧車仕上げにお勧めしたいのが、当時の「黄変したクリア層」の剥がしである。

アルミ地肌の輝きがまったく失せてしまうほど、クリア層が黄ばんでしまったエンジンパーツでも、表面のクリア層が無くなれば、驚きの輝きを復活できることもある。ここでは、まさにその実例をリポート。旧車のノーマル仕上げを目指す際には、車体全体のコンディションに照らし合わせた輝き具合に仕上げたいものだが、こんな方法でもパーツが輝きを取り戻すことを覚えておいても損は無い。

今回は、アルミ地肌を露出したままで作業終了したので、輝きが引けたときには、輝き過ぎない、光り過ぎない程度にコンパウンドやアルミポリッシュで磨き、全体的な輝きを調和させれば良い。そんな定期的ケアが面倒な場合は、仕上げたパーツを中性洗剤でしっかり洗浄し(食器洗い用スポンジを利用すると良い)、お湯で流してから乾燥。その後、ガソリンや溶剤に特に強い、ガンコートのスーパークリアやウレタンクリアで薄くペイントすることで、純正のような仕上がりを目指すことができる。メーカー純正のクリアペイントは、コストダウンで黄変してしまうが、現代の高性能塗料=クリアペイントなら、長持ちすること間違い無い。

 
今回紹介した製品はこちら
 
関連キーワード
車種に関連した記事
ケミカルに関連した記事