バイクも冬眠?その前にやっておけば、気持ち良く楽々のお目覚め!!

バイクも寒い季節になれば「冬眠」しますよね?手がかじかむような寒い朝は、バイクに乗るのが億劫になっても、致し方ないもの。そんな冬場はもちろん、仮に、暖かい季節でも、複数台所有しているオーナーさんともなれば、乗る機会が無い所有車も中にはあるのではないか?

1ヶ月程度の放置ならまだしも、数ヶ月~半年、いやいや、数年は乗っていないし、しばらく乗ろうとは思わない……、といったバイクを所有するオーナーさんも、なかにはいるはずだ。そんなバイクで一番気になるのが「ガソリンタンクの中身」である。心当たりのあるオーナーさん、あなたはどのように対処してますか?ここでは、しばらく乗る機会が無い、また、走らせる予定がないバイクの「ガソリンタンク内部」を、考えてみよう。

ガソリンより重い水は底へ沈む


ガソリンタンク内部に水分が混入してしまい、それが原因で、タンク内部がサビてしまうことがある。何故、水分が溜まってしまうのか?そこには様々な要因が考えられる。ひとつの理由は、タンク内外の温度差による結露である。環境が良いのでは?とバイクを「室内保管」したところ、驚くほどにタンク内部が錆びてしまった……といったケースもある。タンク内部を空にして、キャップを半開きにしておくことで室内保管でも内外温度はバランスし、錆びることは少ない。しかし、ガソリンが入っていると、思いの外、サビの進行は早いようだ。以前、エアコン付き旧店舗内に数年間、バイクを保管したことがあったが、タンクキャップを開けた瞬間に「腐りガソリン」の臭いがプ~~ン。そんな経験をしたことがあった。

エアプレーン仕様のタンクキャップ(フラット形状なタンクキャップ)の場合は、ブリーザー通路が必ずキャップ周辺に設けられている。このブリーザーパイプが通気不良を起こすと、雨水が溜まってしまい、ガソリン給油でタンクキャップを開ける都度、ブリーザーから溢れた雨水がタンク内へ流れ落ちてしまう。そうなるとタンクの底付近は雨水で占められ、それが原因でタンク鉄板のシーム溶接(連続的にローラー電極で溶接する)部分からサビが浸食するケースが実は多い。

しばらく乗らないなら「劣化防止剤」投入


ガソリン特有の腐敗を防止するのが、フューエルスタビライザーとも呼ばれる「ガソリン劣化防止剤」だ(画像は旧パッケージ)。これをガソリンタンク内に適量投入しておくことで、ガソリンの劣化は間違い無く伸びる!!我々編集スタッフも実践テストを行ったが、半年や1年ではまったく変化が無く、5年以上、まったく問題無い車両もあった。また、劣化防止剤を投入したガソリンタンク内部は、サビずに美しかった。5年というのは希なケースだとしても、正直、その結果には驚いた。



デイトナから発売されている「モトレックス・ガソリン劣化防止剤」(画像は旧パッケージ)。この商品をタンク内部に投入したからと言って、ガソリンとしての機能が無くなることはない。乗り始めにフレッシュなガソリンに交換したい際には、抜き取ったガスは自動車で利用すればよいだろう。説明書を読むと以下の通りだ。長期間バイクを使用しない時に、ガソリンの酸化や劣化を防ぎます。注入後、効果は約1年間持続します。2スト、4スト問わずガソリンエンジンに対応。気になる触媒装置への影響はありません、とある。内容量は1ボトル125mlで、12リットルに対して1本の割合で使用。長期保管の場合は、注入後「1度エンジン始動してください」との記述もあった。エンジン始動によって、劣化防止剤を投入したガソリンがキャブレター内にも行き渡り、キャブ内部の腐りも防止するのだ。

燃料フィルターが効果的な理由

ガソリンタンクとキャブレター間を結ぶ燃料チューブ。その途中に組み込むのが、燃料フィルター(フューエルフィルター)である。キャブトラブルの多くは、性能うんぬん以前に「オーバーフロー」が多く、そんなオーバーフローの原因の多くが、ゴミ詰まりによるフロートバルブの閉じ不良が多い。何故、フロートバルブにゴミが詰まるのか……?その原因の多くが、ガソリンタンク内の汚れやタンク内部に発生したサビである。そんなガソリンタンク内のゴミをキャブへ送らないようにするのが「燃料フィルター」の役割だ。タンク内部の汚れを目視確認する意味でも、この燃料フィルターは効果的だ。

タンクキャップのブリーザーも重要

ガソリンタンクキャップにはブリーザー機能がある。タンク本体にブリーザー機能を有するモデルもあるが、一般的にブリーザー機能はタンクキャップに組み込まれている。このブリーザー機能がゴミやサビで詰まると、タンク内部と外気間に通気が無くなってしまう。そうなるとタンク内部の圧力が高まり、キャブレターへ向けてガソリンが圧走され、フロートバルブの浮力ではバルブを閉じ切れず、オーバーフローが発生してしまうことに。オーバーフロー原因はフロートバルブへのゴミ噛みではなく「タンク内圧」による問題もある。

コンプレッサーの圧縮エアーとエアーガンが手元にあるのなら、定期的にガソリンキャップのブリーザー通路をエアーブローすると良い。通気が無く分解可能なタンクキャップは、分解洗浄し、汚れやサビ取りを行うことで通気が回復することもある。


分解可能なタンクキャップだったので、内部パーツを分解洗浄してみた。想像以上に細かな部品やスプリングが入り、パーツを紛失しやすいので、分解の際には、トレイの上やビニール袋内でパーツを分解して、小さなパーツを飛ばして紛失しないように注意しよう。

ブリーザー機能がゴムチューブの場合は……


タンクキャップがエアプレーン仕様の場合は、キャップ周辺にブリーザー通路があり、その通路がタンク内部を通過してタンク外部へ出て、ゴムチューブによって大気解放されているモデルもある。そんなゴムホースが潰れてしまうと、その場で通気不良が発生し、雨水などが流れ落ちなくなってしまう。タンクキャップ周辺にブリーザー穴がある場合は、エアーガンのノズルをブリーザー穴に当て、エアーを吹き込み、通気の良否を定期的に点検しよう。

POINT
  • ポイント1・しばらく乗らないバイクなら、ガソリンタンク内は空っぽ、キャブ内のガソリンも、ドレン通路から抜き取るのが基本中の基本。
  • ポイント2・タンク内にガソリンが残っている場合は、ガソリン劣化防止剤を適量投入し、ガソリンの腐敗を避けよう。
  • ポイント3・ガソリンタンク内がサビる原因には、キャップブリーザー通路の通気不良もある。定期的に圧縮空気でブリーザー通路内にエアーを吹き付けよう。
  • ポイント4・タンクキャップ内蔵式ブリーザー機能が詰まってしまうと、オーバーフローの原因になる。分解できるものは分解洗浄。カシメ固定で分解できないものは新品部品へ交換しよう。

ガソリンが無くては走ることができない、それがバイクだ。仮に、ガソリンがあったとしても、そのコンディションが良くなくては、まともに走らないだろう。例えば、しばらく使わなかったり、走らせなかったり、放置し続けてしまったバイクのガソリンタンク内に残っているガソリンは、その成分が変質し、着火爆発させることができないこともある。仮に、エンジン始動できたとしても、何だかパワー感のないエンジンに気がつくはずだ。新鮮な食べ物が美味しいように、ガソリンもフレッシュなものほど、本来の性能を発揮し、強い爆発力を得られるのである。

ガソリンが変質し、性能低下する理由も様々だが、一般的に多いのが水分の混入である。雨天時に走行してもタンク内に雨水が入り込むことはまず無いが、例えば、ガソリンタンクキャップのブリーザーが詰まっていると(フラット形状のエアープレーンタイプは要注意)、燃料給油時にガソリンタンク内に大量の雨水が入ってしまうことがある。状況は以下の通りだ。

「エアプレーン仕様」デザインのタンクキャップ車の場合は、デザイン上、ブリーザー通路がタンク内部に取り回されていることが多い。そんなデザインのタンクキャップの場合は、ブリーザーチューブが潰れたり折れたり、ブリーザー通路内にゴミが詰まることで通気機能が働かなくなる。そんな状況下で雨天走行すると、キャップの窪み周辺に溜まった雨水が排出できなくなり、行き場を失ってしまうのだ。仮に、そのタイミングでタンクキャップを開けたりすると、溜まっていた雨水が一気にガソリンタンク内に侵入してしまうことになるのだ。

そんな状況が繰り返されたことで、いつしかガソリンタンクの底付近には雨水が溜まり、気がついたときにはシーム溶接の隙間を浸食してサビ孔を開けてしまう、といった事例が過去に経験したことがある。また、温度差による結露が原因で、タンク内部に水分が溜まってしまい、タンク内部はサビだらけになってしまったこともあった。

いずれにしても、ガソリンタンク内部に混入した水分は大敵なので、雨天走行が続いたツーリングや天候に関係なく走らないと行けない通勤バイクの場合は、定期的にガソリンタンクの「水抜き剤」を利用するのが良いだろう。また、しばらくバイクに乗ることがなかったり、気がついたときには数ヶ月間も乗って無く、今後もしばらくは走る機会が無さそう?なんて思えるときには、ガソリンが腐敗しないように、ガソリンの劣化防止剤を投入するのが良いだろう。このケミカルは、ガソリンの腐敗防止に効果的なので、投入時にはエンジン始動し、キャブのフロートチャンバー内ガソリンも入れ換えると良い。もしくは、フロートチャンバー内のガソリンをすべて抜き取ってから保管状態に入れば、目覚めの際にも、エンジン始動は楽々容易に行えるはずだ。

 
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