黒いから大丈夫と思ったら大間違い!シートクリーナーで頑固な汚れを一掃
屋外で使われることが前提のバイク用シートは、自動車のシートと違って耐候性や耐久性が重要でとてもタフに作られています。タンクやカウルと同様に汚れが付着しても、シート色は黒が主流なのであまり目立たず、洗車時にも適当な扱いを受けがちです。愛車のシートに専用のクリーナーを吹き付ければ、染み込んだ汚れにきっと驚くはずです。

バイクシャンプーでは落ちない

ボディが白でシートが黒という組み合わせはごくごく一般的。雨天走行や屋外保管で車体が汚れれば、シートも当然同じように汚れるはず。汚れが目立たないからといって何もせず放っておけば、ツヤが無くなりグレーっぽくなっていく。裏地の繊維が変質すると、表面にシミが浮き出てくることもあり、このシミはクリーナーを使っても取れないことが多い。

雨水が染み込まず適度な柔軟性があり、長期間紫外線にさらされても劣化しない耐久性を持つバイク用のシートは、自動車用や家具用のシート表皮とは比べものにならないほど過酷な状況に置かれています。

ガソリンタンクやカウルやホイールの塗装、めっき部品もシートと同じ環境にありますが、シートに関してはライダーが体重をかけてまたがり、シートの上で体をずらし、ツーリングの際にはタンデムシートにバッグをくくりつけたりと、他のパーツとは使われ方が全く異なります。

それにも関わらず、洗車の際にはかわいそうなほど雑に扱われがちです。塗装された外装パーツは水に溶かしたバイクシャンプーの泡で優しくスポンジ洗浄され、めっきパーツはめっき専用のケミカルで磨き上げられます。しかしシートはガソリンタンクのついでにバイクシャンプーでさっと撫でるか、タオルで拭く程度で終了ということが多いのではないでしょうか。

バイク好きであってもシートは手抜きになりがちなのは、シート表皮の大半が黒色レザーであることが大きな理由でしょう。ガソリンタンクやスクリーンにホコリや雨水の染みが付着しているのに、シートだけには雨や汚れが着かないということはありません。汚れているのに目立たないから見過ごしているだけなのです。

ビッグスクーターが大ブームとなった時代、白レザーを張ったカスタムシートが流行しました。確かに新品の時点では目を引きましたが、薄汚れるとなんともみすぼらしい姿になったものです。

白シートは汚れるが黒シートなら汚れないというわけはないので、実は黒いシートレザーも相当に汚れています。そしてシートの汚れは、ライダーがお尻や足を擦りつけることで染み込むように定着しています。そのため、バイクシャンプーを含んだスポンジを優しく滑らせた程度ではほんの表面汚れしか落ちません。

 
POINT
  • ポイント1・シート表皮の汚れは、表皮が黒いから目立たないだけ
  • ポイント2・染みついた汚れはバイクシャンプーだけでは落ちない

汚れが落ちれば良いというものではない

ワイズギアが販売しているヤマルーブのシートクリーナー。洗剤に含まれる界面活性剤やキレート剤を主成分に、合成レザーや布製シートの汚れを落とす。汚れの程度に応じて、ウエスにスプレーしてシートを拭く、シートにスプレーして3~5分後にウエスで拭く、ウエスにスプレーして湿布のように3~5分間シートに貼り付けてから拭く、と使い分けるとよい。

とはいえ、洗浄力の強さを基準にクリーナーを選べば良いというものでもありません。洗剤の主成分は界面活性剤ですが、その能力が高くなるほど汚れ成分だけでなく柔軟性や潤いまで取り除かれてしまいます。

一般的なバイクのシート表皮は布地の上に合成樹脂を塗布した合成レザーが多く、簡単に言えば表面は樹脂の一種となります。したがってパーツクリーナーのような洗浄剤を使うべきではありません。また車体用のボディシャンプーをブラシでゴシゴシこするのも、長期的に見れば表皮に傷を付けることになるのでおすすめできません。

今のバイクのシートは素材が良くなっているので、2年や3年で明らかに劣化することは少ないですが、適切なケアをしなかったために表皮がカチカチになってしまう例もあります。年月を経ることでシートスポンジのへたりに合わせて表皮の一部にシワが寄ることがありますが、表皮の柔軟性が低下するとシワに沿ってヒビが入り、そこからスポンジに雨水などが染み込んで、シートにまたがるたびにズボンが濡れるという不快なパターンに陥ることもあります。

洗浄力の強いクリーナーの中にはシート表面のツヤまで消してしまうものがありますが、それを補うためにシリコン系のケミカルを使うのも避けましょう。ツヤだし目的のシリコンスプレーの多くは塗布面がツルツルになってしまい、ライディング中にお尻の滑りに気を取られて下半身に余計な力が入る原因になります。

 
POINT
  • ポイント1・強力なクリーナーはシート表皮の柔軟性を奪い劣化を早める場合がある
  • ポイント2・シート表皮のツヤ出しにはシリコンスプレーは使わない

スプレークリーナーは潤いを落とさない

シート表皮に直接スプレーして、泡が落ち着いたところできれいなウエスで強めに擦っていく。シート以外の部分に付着した状態で放置するとシミになることがあるので、早めに拭き取っておくこと。

真っ白だったウエスがあっという間に汚れた。黒いシートの表面にはこれほどの汚れが染みついていたわけだ。クリーニングによって脱脂されるというイメージもあるが、このクリーナーはツヤや、しなやかさを失わないので安心して使える。

ではどんなクリーナーを使うのが良いかと言えば、当たり前の回答になりますがシート専用のクリーナーを使うのが最善です。ワイズギアが販売するワイズギアのシートクリーナーは布製や合成レザーのスプレータイプのクリーナーで、バイク用シート向けに開発された製品です。

軽い汚れであればウエスにスプレーしてシートを擦り、汚れがひどい場合はシートに直接スプレーしてしばらく待ってからウエスで擦ります。スプレーしたクリーナーはガラスクリーナーと同様に泡状になってシート表皮にとどまり、汚れに浸透していきます。

スクーターで試したところ、年式が新しく走行距離も短く目立った汚れもないシートにもかかわらずクリーナーを拭き取ったウエスは真っ黒くなりました。屋外保管で表皮に付着したホコリをライダー自身が擦りつけた汚れですが「黒いシートもこんなに汚れているのか……」と絶句してしまいます。

黒いシートではクリーニング前後の差が分かりづらいので、グレーの表皮でも試したところ違いは歴然でした。バイクシャンプーや、ぬれ雑巾では汚れが取れていなかったことを、グレーのトーンが一段明るくなった表皮で実感します。

泡が汚れに浸透して浮かせるという効能は、グレーシートの表面だけでなく、細かな模様の奥まできれいになっていることからも確かです。滑り止めやデザイン性でディンプル模様がついている表皮もありますが、このクリーナーを使えばディンプルの奥の汚れもしっかり取り除くことができそうです。

クリーナーとしての能力の高さは汚れを拭き取ったウエスを見れば理解できますが、拭いた後のシートのしっとりとした自然なツヤ感も好印象です。脱脂されて潤いがなくなるとくたびれた印象となり、ツヤが出すぎると安っぽくなりますが、そのあたりの仕上がり感がとても良くシートの質感自体が向上した印象です。

洗車好きにはよく知られたケミカルですが、まだ未経験というライダーは一度試してみることをおすすめします。「今までこんな汚れたシートに座っていたのか……」と驚くはずです。

黒いシートでは汚れの落ち具合がはっきり分からないので、グレーの表皮にクリーナーをスプレー。白だと汚れが明確に分かるが、グレーは徐々に暗くなっていくので、汚れた印象はなかったのだが……。

テープを張った部分でグレーのトーンに明らかな差がついた。スプレーしてウエスでこするだけで高い洗浄性能を発揮するシートクリーナーは洗車好きにとって注目のケミカルになるはずだ。

 
POINT
  • ポイント1・シート専用のクリーナーは汚れを包んで浮かせる働きがある
  • ポイント2・ボディパーツとシートの汚れは性質が異なるので、シートには専用クリーナーを使うのがベスト
 
今回紹介した製品はこちら
 
関連キーワード
車種に関連した記事
ケミカルに関連した記事