液体ガスケットは種類が豊富!シリコン系、溶剤系の使い分け方教えます!【漏れ遮断】

シリコン系液体ガスケットには、厚塗り(圧付け)に適したものと薄塗り(薄付け)に適したものがあるので、オイル滲みがの度合いによって液体ガスケットを使い分けるのもオイル漏れ封じのノウハウである。液体ガスケットを利用する際には、塗布部分の洗浄と脱脂を確実に行おう。

80年代から広く普及したシリコン系液体ガスケットは、数多くのユーザーに愛され、現在では様々な種類や利用目的に応じたタイプが販売されている。しかし、ここで知っておきたいのは、「耐ガソリン用」液体ガスケットとエンジンオイルや冷却水の漏れ防止用の液体ガスケットでは、その種類が違うことである。液体ガスケットと聞くと、シリコン系を連想してしまうメカニックが多いが、シリコン系は、ガソリンに対して「決して強くない」ことを知っておこう。

厚付け、薄付け以外に「色」も選べるシリコン系

メーカーによっては色の選択肢が無いこともあるが、シリコン系液体ガスケットには「白」「黒」「グレー」「クリア」などが存在し、エンジンの色や形状ガスケットの色に合わせて利用することができる。シリコン系液体ガスケットは、エンジンオイルや冷却水の封じ込めに威力を発揮する。

2ストクランクケースには「耐ガソリン性」

ガソリンに関する部位に利用する液体ガスケットには「耐ガソリン性」と明確な表記がある。例えば、キャブレターのフロートチャンバーからガス滲みが発生している場合は、本来なら新品ガスケットに交換修理するのが正解である。しかし、応急処置の際には、耐ガソリン性液体ガスケットを利用できる。2ストロークエンジンのクランクケースの合わせ目は、一次圧縮室に「混合気を充填」するので、耐ガソリン性液体ガスケットを使うのが正解だ。

雨水防止にお風呂用液体ガスケットが使える

お風呂の浴槽周辺やタイルの目路に充填する液体ガスケットもシリコン系を使っているケースが多い。非常事態の時にはホームセンターなどで購入できる、お風呂用ガスケットも利用できる。ヘッドライトの内側が水滴で曇るような場合は、バルブを外して内部を乾燥したウエスで拭き取り、ヘアードライヤーの送風でしっかり換気した後に、ガラス外周のカシメ部分に液体ガスケットをすり込むことで、水滴の発生を防止することもできる。ここでは白色ガスケットを利用したが、ヘッドライトにはクリア色のシリコンガスケットがお勧めだ。

漏れ防止のガスケットは「剥がす」のも大変。

「ガスケットリムーバー」なる商品があるので分解時には上手に利用しよう。固着して剥がれにくいガスケットや液体ガスケットに吹き付け、しばらく放置してからスクレパーを利用することで、ヌルッと剥がしやすくなる。応用的な利用方法もある。

エンジンカバーを外した際に、こびり付いたガスケットや密着した液体ガスケットに「ガスケットリムーバー」をひと吹き。しばらく待つことでガスケットがふやけ、不要なガスケット類は剥がしやすくなる。寒い冬場は、スプレー後にラップやビニール袋を被せることで、ガスケットがふやけやすくなるので知っておこう。

分解したピストン頭部を見るとカーボンが堆積している。組み立て復元の際には、ピストントップへガスケットリムーバーを適量吹き付け、しばらく放置してからウエスで拭き取ろう。何度か繰り返せばカーボンは除去できる。強く固着している際には、スプレー後にしばらく待ち、ワイヤーブラシを利用しよう。その繰り返しでカーボンは除去できる。


POINT
  • ポイント1・液体ガスケットには種類があり、色も選ぶことができる。
  • ポイント2・液体ガスケットには溶剤系とシリコン系があり、ガソリン関連には溶剤系を必ず利用する。
  • ポイント3・2ストエンジンのクランクケース合わせ目やシリンダベースガスケットには耐ガソリン性の溶剤系を利用する。

液体ガスケット=「シリコン系」と想像してしまうメカニックが、実は多い。液体ガスケットは目的別に使い分けるのが正解である。エンジンオイルや冷却水が漏れる場合は、シリコン系液体ガスケットを利用するのが良いだろう。利用時の注意点は、塗布する箇所の油汚れや旧ガスケットは、しっかり落としてオイルストーンで除去し、さらにパーツクリーナーで油分を完全除去してから作業開始しよう。ペーパー系ガスケットを利用した上で、液体ガスケットを併用する場合は、指先に少量の耐ガスケットを取り、紙ガスケットの裏表を同時につまんで塗布するように作業を進めるのがよいだろう。

キャブのフロートチャンバー合せ面からのガソリン滲みを見つけてしまった場合は、あくまで応急処置で液体ガスケットを利用することができる。その際には「耐ガソリン性」と明記されている「溶剤系」液体ガスケットを利用しよう。溶剤系はガソリンに強く、液体ガスケットを溶かしてしまうことは無いが、シリコン系は、ガソリンがシリコン膜に染み込み膨潤(ブヨブヨにふやかしてしまう)させてしまうので利用は避けよう。

2ストロークエンジンの場合、キャブから吸い込んだ混合気とマニホールドから噴射されたエンジンオイルが混ざってからクランク室内に充填させるため、2ストエンジンのクランクケース合わせ目には、耐ガソリン性良好な溶剤系ガスケットを利用するのが正解である。耐ガソリン系ガスケットは、溶剤に溶けるため、クランクケース合わせ目などの細かな箇所への塗布時には、あらかじめシンナーや塗料うすめ液で割り粘度を下げ、筆なので美しくかつキレイに塗るのがお勧めである。

液体ガスケットを利用した場合や併用した場合は、エンジン組み付け直後にエンジンオイルを注入し、エンジン始動するのは避け、時間に余裕があるときにはパーツを復元してから数時間後にオイルを注入し、エンジン始動した方が、後々オイル滲みや漏れの再発は少ない。「急がば回れ」の精神で作業進行しよう。

 
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