ブレーキの「引き摺り音」には必ず原因がある!!気になったら分解整備

Wディスクキットを装着してマスターシリンダーボディをサイズアップ。さらにブレーキラインを交換したことで、レバータッチは好みのフィーリングに変化。しかし、しばらく走るとブレーキの「引き摺り音」が気になり始めた。こんなときには、キャリパーを分解して、原因究明する以外に対処方法はないが、当時のカワサキ車の純正ブレーキパッドには、鳴き防止の「シムプレート」がカシメられているモデルもあったことを思い出した。

レバーを握ったときのビビリ音が気になる


エンジンオーバーホールによってマフラーから白煙が吹かなくなり、極めて快調かつ力強く走るようになったカワサキ空冷Z。しかし、ブレーキング時にレバーを握ると、キィーッといったノイズが気になるようになった。パッドグリスやガイドへのグリスアップもしっかり行っていたが、どうにも気になってしまった。そこで、ドレミコレクションで取り扱っていた、Z1/Z2用ブレーキパッドシムを組み込んでみることにした。確かにディスクブレーキ黎明期のカワサキ車は、ブレーキパッドの裏側にシムをリベット留めしている例が多かった。

パッドシムの取り付け位置を確認

パッドシムを組み込む際には、リーディング側(回転の入り側)がシムの「欠け部分」側になるようにセット位置を確認する。リーディング側は、パッドの当たりが強くなりがちなので、それを逃がすのがシムの役割=目的のようだ。シムの位置を決めたらマーカーペンで固定場所にマーキングを入れる。左右のキャリパーでパッドのセット向きが変わるので、当然ながらシムのセット向きも左右キャリパーで異なる。

スクリューリベットでシムを固定

このシムが標準装備されていた70年代のカワサキ純正パッドは、シムの固定方法に何種類かあったように記憶している。ここでは、真鍮製のスクリューリベットを利用して固定することにした。スクリューリベットは、ホームセンターなどのボルトや金物売り場で購入することができる。

パッドのベース板に穴加工

パッドベース板の厚さ寸法をしっかり確認し、ドリルの刃にその深さをマーキング。パッドを万力にクランプ固定して、電動ドリルで穴加工を行った。使うスクリューリベット先端部分の外周径よりも0.2mm太いキリ使ってみた。キリの太さが同じだと、しっかり固定できなくなってしまう。

ピンポンチでしっかり打ち込み固定


ドリル加工を終了したら、パッド裏にシムをセットしつつスクリューリベットで固定する。シムの固定穴よりもリベットが細くなるので、シムがズレないように注意しながらピンポンチで叩き込んだ。このパッドシムが標準で取り付けられていた時代の純正ブレーキパッドには「左右」があって、共通部品ではなかった。このシムによってパッドの偏磨耗が減り、ノイズも消えて欲しいものだが、パッドとは関係ない別の場所に、ノイズ原因がある場合も忘れずにいたい……。

POINT
  • ポイント1・パッドシムの有無がブレーキの鳴き原因ではないこともあるので、まずは基本に忠実なメンテナンスが必要不可欠
  • ポイント2・ 重要保安部品のメンテナンスや加工なので、自己責任に於いてDIY作業を実践。メンテビギナーは経験者に相談しよう

走行中に前方の信号が赤になったのでブレーキング。ディスクブレーキでもドラムブレーキでも、そんなブレーキング時に「キキーッ」とブレーキ音が聞えることがある。ブレーキ鳴きの多くは、いわゆる「ビビリ」が原因で、それにより共振共鳴して聞えてくることが多い。ブレーキキャリパーの場合は、ブレーキピストンがブレーキパッドを押した際に、ピストン面とパッド裏面との間に僅かな隙間があり(パッドの偏摩耗などで)、それがビビリとなり共振共鳴音となって聞こえてくることが多い。

そんなときに使うのがパッドグリスである。グリスの粘度でパッド裏面とピストン面の隙間を埋め、音鳴りを防止する役割を持っている。また、機種によってはパッドの裏に熱伝導と共鳴を防止するためのバックアッププレートが組み込まれる例もある。パッド交換時にそのプレートの存在に気がつかず、旧パッドと共に取り外して(パッド裏面にくっついたまま)、新品パッドを組み込んだものの、作業完了後にそのプレートの存在に気がつき、再度、パッドを外して「プレートを入れ直した」といった経験があるサンデーメカニックも中にはいるはずだ。

一方、ドラムブレーキの場合はどうだろう。やはりパッドグリスや耐熱グリス(シリコン系グリス)を塗布することで、共鳴音は消えることが多い。グリスを塗布するポイントは、ブレーキカムの軸受け部分、ブレーキカムをリフトする、2枚のブレーキシューを向かい合わせに押し付けセットする部分。シングルリーディングでも2リーディングでも、ブレーキシューを受ける軸部分やカム面には、パッドグリスを薄く塗布するのが効果的だ。もちろんブレーキパーツを分解した際には、第一に汚れを洗浄し、乾燥エアーブローをしっかり行ってから、パッドグリスを塗布しよう。

ここで取り付けたパッドシムは、欠け部分をブレーキピストンが押さない=パッドの押し付けを弱くすることで、パッドの偏摩耗を減らす役割を果たすパーツだ。いずれにしても、パッドの裏側、ブレーキピストンが当たる部分にはパッドグリスを忘れずに塗布しなくてはいけない。少なすぎても、多すぎても、狙った効果を得られないのがパッドグリスなので、盛り過ぎないように塗りたい。

 
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