プロが教えるブレーキレバーのグリスアップ術【簡単!ブレーキタッチ向上!】
ブレーキと油分といえば犬猿の仲ですが、潤滑が必要な部分もあります。
ブレーキレバーのピボットボルトは、スムーズにレバーを作動させるためにも軸部へのグリスアップが必要です。
油分が切れたままではレバータッチが悪化して、ピボットやレバーの摩耗が進行するなどの不具合が発生するので、定期的にグリスアップを行いましょう。

本当は重要なピボットボルトの潤滑

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画像はヤマハドラッグスターのブレーキレバー。
マスターシリンダーのピストンを押す部分には、レバーの遊びを調整するアジャストスクリューが備わっている。
油分が過剰だと汚れが付着しやすいが、グリス不足ではレバーやホルダーが摩耗してしまう。

ブレーキレバーを握った時に動きが渋い、あるいは利き具合のコントロールがしづらいと感じたことはありませんか?
ディスクブレーキ車の場合、レバーを握るとピボット(軸部)で力の向きが変わって、マスターシリンダーのピストンを押しています。
ピボット部のボルトは単にレバーの脱落を防止するだけでなく、レバーがスムーズに動くためにも重要な働きをしており、グリスによる潤滑が不可欠です。

雨天走行や洗車時などでマスターシリンダーやブレーキレバーに水が掛かると、ピボット部にも水分が付着します。
本来ならレバーを握る量に応じてピストンを押して、その力によって利き具合を調節できるのがディスクブレーキの特長ですが、ピボット部分の潤滑が悪いとブレーキレバーがスムーズに動かず、その結果コントロール性の低下につながる場合もあります。
また砂ぼこりやゴミが付着したままで放置すれば、それが研磨材のように作用します。

それを避けるためにも、ピボットボルトへのグリスアップが欠かせないのです。

ピボットボルトを外したら、摩耗確認と洗浄を行う

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ピボットボルトにはレバーホルダー裏側に抜け止めナットが付いていることが多い。この場合、ボルトを押さえながら先にナットを外す。

洗浄とグリスアップを行うためには、ブレーキレバーのピボットボルトを外します。
このボルトはブレーキレバーホルダーを上下に貫通しており、ホルダーの下部にナットが止まっていることが多いので、ボルトを緩める前にナットから先に外します。
ナットを外したらホルダーの上側からボルトを緩めます。
ブレーキレバーとホルダーの間にリターンスプリングが入っている場合もあるので、そういう機種はボルトが抜けてきたらレバーをマスターシリンダー側に押しつけておいて、レバーを徐々に抜くことでスプリングの飛び出しを防止できます。

鉄製のピボットボルトとアルミ製のレバーが潤滑不足の状態で擦れ続けると、柔らかいアルミレバーのボルト穴が拡大するので、外したボルトとレバーはパーツクリーナーで洗浄し、レバーの穴にボルトを通してガタの有無を確認します。

潤滑不良で使い続けることで、穴の上下が広がってボルトがすりこぎ状に動いてしまう場合、レバー操作時にホルダーと擦れてフリクションになったり、摩耗によってレバーとホルダーの隙間が拡大してガタが多くなるので、早めにレバーを交換すると良いでしょう。
柔らかいアルミの摩耗を軽減するために、レバーのボルト穴に真鍮系のカラーが挿入されている機種もあるので、これがある場合はレバーやボルトと同様に洗浄しておきます。

適量のグリスでブレーキタッチが向上する


ピボットボルトに塗布するグリスは、水分が付着しても流れにくく、ピボット軸に強い力が加わっても油膜が切れづらい、リチウム系やウレア系のグリスがおすすめです。
こってり塗ってもボルトをレバーの穴に通す際に擦れて落ちてしまう分も多く、余計な部分に付着したグリスが汚れを取り込んでしまうこともあるので、ボルトと穴の表面にしっかり油膜ができるよう塗布します。

またレバーを外したなら、マスターシリンダーのピストンとレバーの接触部分にも薄くグリスを塗っておきます。
レバーとピストンは面で接触しており、さらに細かく観察すると、レバーを握るとピストンの端面を擦れながら押しています。
そのため、ここにグリスを塗布することで、レバーがスムーズにピストンを押せるようになり、レバーのストロークが小さいブレーキをかけ始める領域でのタッチが向上することが期待できます。
逆にこの部分にまったく潤滑要素がなければ、短期的に見ればさほどの影響はないでしょうが、将来的にはレバーとピストンの接触部分にフリクションロスが発生し、マスターピストンを摩耗させる可能性があります。
ブレーキローターやブレーキパッドに油分を付着させるのは厳禁ですが、同じブレーキシステムの中でも油分が欠かせない部分があることを正しく理解して、定期的なグリスアップを心がけましょう。

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グリスを塗るだけでブレーキタッチが改善。高性能パーツに交換する前にまずメンテを。

油分がなくカサカサに乾いたレバーをグリスアップすると、レバーを軽く握った時のタッチが向上し、コントロール性が改善する。
潤滑不良によるパーツの摩耗は余計な出費につながるので、ピボットボルトの油分は切らさないようにしよう。
 
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