プロが教える!ブレーキフルードの交換時期とエアが噛まない交換方法
コツはリザーバータンクから先に抜く!
油圧ディスクブレーキを作動させるブレーキフルードには、空気中の湿気を取り込みやすい特性があり、定期的な交換が必要です。
この時、マスターシリンダーのリザーバータンク内のフルードを先行して交換しておくことで、タンクからホース内のフルードの入れ替えが効率的に行えます。
ホース内に空気が混ざるとエア抜き作業が面倒ですが、先に新品フルードを入れておけば混入トラブルも防止できます。

湿気と熱で劣化するブレーキフルードは、2年ごとに交換しよう



▲リザーバータンクキャップの内側には、薄いゴム素材のダイヤフラムが組み込まれている。蛇腹状に折り畳まれたダイヤフラムには、ブレーキフルードを外気に触れさせないセパレーターの役目があり、ブレーキパッド摩耗によるリザーバータンク内のフルード液面低下に連動してせり出してくる。キャップから取り外したら中性洗剤で優しく洗おう。
 
ブレーキレバーを握る力をキャリパーピストンに伝達するブレーキフルードの役割は、ブレーキ系統全体の中でもとても重要です。
ブレーキフルードには200℃以上になっても沸騰しないという特性がありますが、一般的なグリコール系のフルードは吸湿性が高いという弱点があります。
ご存じの通り水の沸点は100℃なので、空気中の水分と結びつくことでブレーキフルード自体の沸点が低下します。
DOT4規格のフルードの場合、新品時のドライ沸点は230℃以上ですが、ウェット沸点は155℃以上まで低下します。
ちなみにウェット沸点時の水分混入度合いは3.5%とされています。
つまり100mlのフルードに3.5mlの水分が混ざると、沸点は75℃も低下するわけです。
そうした経年劣化による性能低下に対応するため、2年ごとの交換が推奨されています。使用状況によってはほとんど走行せず2年を経過することもあるでしょうが、空気に触れれば吸湿は進行するのでやはり交換は必要です。
 

マスター側から作業するのがオススメな理由



▲経年劣化で茶褐色になったフルードはスポイトやウエスで吸い取り、リザーバータンク底の汚れも拭き取っておく。タンクが空になっても、ブリードプラグを緩めてレバーを握らない限り、マスターシリンダーにエアを噛むことはない。
 
ブレーキフルード交換を行う際に一番やっかいなのが、ブレーキホース内へのエア混入です。
フロントブレーキの場合、レバーを握りながらキャリパーのブリードプラグを緩めると、フルードが排出されます。
その際にはマスターシリンダー内のフルードが送り出されますが、リザーバータンクの残量に注意していないと、気づいた時にはタンクが空になってエアが噛んでしまいます。
 
そんなトラブルを防ぐために、タンク内が減少した分だけ新品フルードを補充します。
しかし、古いフルードが残ったところに新品フルードを入れると両者が混入して中途半端に汚れた状態がしばらく続いてしまいます。
またこの方法では、リザーバータンクの底に堆積した汚れも取り除くことができません。
 
そこでお勧めしたいのが、ブリードプラグを緩めてブレーキレバーを握る前に、古いフルードをリザーバータンクから抜いて、タンク内を洗浄してから新たなフルードを入れる方法です。
古いフルードをスポイトでやウエスで吸い上げ、タンク内の汚れをウエスや綿棒で丁寧に取り除くことで新品フルードの透明感を保つことができ、ブレーキの作動に影響を与えるタンク内のゴミがマスターシリンダーに流れることも防止できます。
透明な新品フルードで汚れたフルードを薄めながら入れ替える無駄も省略できるため、フルードの節約にもつながります。
 
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