シート底板のサビが気になる!!酷くなる前にサビの転換と再塗装を実践

シート張り替えの必要性は無くても、シートボトムの鉄板がサビサビだと残念な気分になるもの……。そんなときには「鉄板ボトム」だけのリフレッシュ=リペイントにチャレンジしてみてはいかがだろう?バイク用シートのフレッシュアップは、シート表皮だけではなく、鉄板ボトムのコンディションに気を配ろう。そうすることで部品寿命にも大きな違いが現れるものだ。特に、80年代前半以前のモデルは、鉄板ボトムを採用している例が多いため、気にするように心掛けたいの。同時に、スポンジアンコには、水分が染み込まないように十分注意しよう。

サビならまだ希望!!サビ腐りになったら残念

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この感じ、この雰囲気は、明らかにサビが浸食し始めている。サビ腐りにはなっていないものの、ペイント下の鉄板地肌からサビがペイントを持ち上げ、汚らしくなりつつある(もうなっている!!)シートボトム。できる限りサビを除去して、リペイントで仕上げたいものだが果たして……。

純正部品が入手困難だったら尚更実践したい

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シート表皮は汚れているだけで、破れはもちろん、切れ始めや擦れ跡も全くない良好なコンディションをキープしているメーカー純正シート。モデルは1981年生産のスズキRG250E2。しかし残念ながらシートボトムにはサビが進行し始めていた。おそらくスポンジアンコ側にもサビは浸食していると思うが……。

使いやすいツールをいろいろ試してみよう

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ベルクロマジックテープでペーパーバフを取り付けられるエアーポリッシャーやφ6ミリ軸のリューターを用意し、φ6ミリ軸のカップブラシやワイヤーブラシを用意することで、効率良くペイント剥がしとサビの除去ができるはずだ。道具は上手に利用しよう。

手作業だけでは時間が掛かるが……

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目に見えるサビをしっかり除去してからペイントしなければ、後々再びサビに侵攻されてしまうことになる。今回は、できる限りのサビ除去を行ってみた。様々なマテリアルのカップブラシを順繰りに利用し、ペイント剥離とサビ取りを実践。Φ6ミリ軸のリューターにステンレス製カップブラシを取り付け、シート表皮が引っ掛けてある外周を避けるように作業進行。このモデルのシートベースペイントは、簡単に剥がれた。つまり、サビやすい証拠でもある。

サビを黒皮へ転換するケミカルを利用

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敢えてシート表皮を剥がさずに、ブラックペイントを剥離しつつサビをできる限り除去したら、サビを黒皮に転換する「黒皮転換剤ケミカル」を紙コップに少量取り、ハケで鉄板ボトム全体に塗布していく。金属鉄鋼補修時にはよく使われる。バイク用品では「花咲かGラストリムーバー」が同類の商品にあたる。

黒皮転換によって防錆処理する作戦

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ハケで醤油を塗るかの如く、黒皮転換剤を鉄板地肌へ塗り進めていく。狭い部分も塗り忘れることなく、しっかり塗布しよう。鉄板地肌すべてに転換剤を塗布してから数分待つと、利用した商品は見る見る黒紫色に変化していった。しかもその色合いが、徐々に徐々に深くなっていくようでもあった。商品によっては、この化学反応の色味が異なり、灰色に変化するタイプ(花咲かGラストリムーバーなど)もある。

無用な水分を飛ばしてペイント段取りに

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鉄板ボトム表面の黒色部分は、粉が吹いたようになっていた。水道水をポトルに入れて霧吹きし、ウエスで粉を拭き取っていった。黒皮転換剤の不要な部分を除去してからペイントするのだ。ウエスで拭き取るとサビが多かった部分は真っ黒に転換されていた。ハンディヒーターで鉄板ボトムを温めて水分を飛ばす。

コロナマスカーで効率良くマスキング8

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ハンディヒーターで水分を完全乾燥させたらマスキングに入る。シート表皮をコロナマスカー及びマスキングテープでしっかり養生しよう。裏側の表皮固定フランジ部分も同様にマスキング進行しよう。

ガン吹きできない箇所はハケ塗りでサフ入れ

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シート表皮を固定しているサメの歯周辺の鉄板は、スプレーガンの吹きつけが届かないので、ハケや筆で事前にサフ入れしておくのが良い。この際、サフェーサーは原液のドロドロ状が使いやすい。鉄板ボトムのバーリング穴内もマスキングしよう。全体的なサフェーサー吹き付けは、専用シンナーで希釈してガン吹きする。サフ入れによって、鉄板部分にできたサビ除去後の凸凹を慣らすこともできる。

ブラックペイントもサフ入れと同じ要領で

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サフェーサーが乾燥したら仕上げ段取りに入ろう。ブラックにはウレタンペイントを利用するが、やはり吹き付けにくい部分のハケ塗りから先行する。この際にも、ウレタンブラックの原液に硬化剤を混ぜ、シンナーで希釈しないドロドロ状態でハケ入れするのが塗りやすい。そし仕上げはてスプレー吹きだ。

フラットベースを混ぜて半艶ブラック仕様に

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艶ありのブラック仕上げではなく、フラットベースを混ぜることで半艶ブラックのウレタンペイント仕上げで完成。普段は見えないシートボトムでも、やっぱり美しく仕上がると気持ち良いものだ。ちなみにフラットベースの混ぜ方次第で、ツヤ加減は好みに調整することができる。下地処理をしっかり行ってからペイントすることで、しばらくは美しさを保つことができるはずだ。

POINT
  • ポイント1・シートボトム鉄板がサビるとスポンジアンコの崩れ原因になる。アンコ崩れがシート崩壊の原因になる
  • ポイント2・ 露出部分のみサビ取りとブラック仕上げを行ったが、状況によっては完全分解でボトム鉄板裏表塗り直そう
  • ポイント3・黒皮転換剤などのケミカルを併用することで、作業効率と仕上がりの良さを高めることができる

80年代後半以降に登場したモデルは、ボルト締めによる「固定式シート」を採用している例が多い。一方、それ以前のモデルや旧車全般に言えるのが、横開きの「開閉式シート」を数多く採用していることである。シートが簡単に開くため、シート下にはウエスやゴムひもなどが押込まれているケースが多く、また、簡単に開くことができるため、シート裏側のコンディションが目に入り、気になってしまう諸氏も数多いことだろう。

シート裏側のコンディションも、バイクのコンディション評価に於いては重要な部分である。バイクの外観や見た目はピカピカなのに、シート下が汚れていたり、モデルによっては、漏れたオイルや土埃で驚くほど汚い車両が多いのも事実。バイク買い取り業者の査定時や個人売買の際には、このような部分のコンディションもしっかりチェックされているので、バイク磨きに於いては、実に大切な部分であることも忘れずにいたい。

ここではシートボトムのペイントがサビで浮き上がりつつある旧車用シートのリフレッシュを実践してみた。驚いたことにこのシート(もちろんメーカー純正部品の当時物)は、ペイント不良なのか?焼き付け乾燥を忘れたのか?ワイヤーブラシでシート底板を擦ると、塗膜は簡単に剥げ落ち、アセトンを浸したウエスで拭き取ってみたら、いとも簡単に鉄板地肌を露出することができた。まさかまさかの特例だとは思うが、だから見るからにヘンな感じにサビが侵攻したのではないかと思われる。

処理法としては、サビを黒皮化(酸化皮膜化)する転換ケミカル剤を利用し、除去しきれないサビを黒皮転換処理してからサフェーサーで下塗りを施し、さらに二液ウレタンの半艶ブラックで仕上げペイントを行った。作業手順は写真解説の通りだが、サビの侵攻を放置しておくと数年後には痛い目に遭うので(ボトム鉄板のクサリでシートが利用できなくなるケースは珍しくない)、愛車のシートボトムのサビが気になり始めたら、状況に応じた最善の処理方法で、美しさを保ち続けて欲しい。

取材協力:モデルクリエイトマキシ

 
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