カウルのツメ「折れ」「割れ」修理の方法
接着剤を使った単純な接着補修では、すぐに不具合が再発してしまうプラスチック部品。
サイドカバーと言えば、脱着する機会が多い部品としても知られているが、そんな部品だからこそ、恒久的にガッチリ!! 補修しなくてはいけない部品でもある。
ここでは、続・樹脂部品のしっかり補修をお届けしよう。

抜き差し箇所を間違えて押し込み、折れてしまった爪

折れてしまった患部=不具合箇所は、徹底的に脱脂洗浄してから作業に取りかかろう。あまりにも汚れが酷いと感じるときには、表面をひと皮削るくらいの心構えで、徹底的に脱脂洗浄しよう。

脱脂能力が高い溶剤とは?



樹脂部品の脱脂に使う溶剤は、ホームセンターや模型屋さんでなどで販売されているアセトン。取扱には十分に注意。強烈かつ強力な溶剤だ。ウエスに含ませたり、綿棒に湿らせて患部を洗浄するのが一番良い。

いきなり深く溶着しないこと!!



折れてしまった患部を突き合わせて、いきなり深くハンダごてを溶け込ませて溶着するのではなく、表面部分にこてを押し付けて、点付けするように亀裂部分をまずは仮り固定していく。


模型屋さんで購入してきたこのサイドカバーの材質と同じ樹脂の棒材=PP樹脂の溶着棒を溶け込ませながら、折れてしまったツメを修復する。この作業で重要なのが溶着部分を焦さないことだ。


PP樹脂棒を押し込みながら折れた患部全体に練り込むように溶着していく。溶着棒を押し込む分、溶着箇所の仕上がりは必ず盛り上がる。患部の温度が冷えたら、盛り上がった部分を彫刻刀で削ろう。

POINT
接着剤で治せる樹脂部品もあるが、ABSやPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)樹脂の部品は「溶着」がもっとも高剛性に仕上げることができる補修方法だ。
ハンダごてがあれば溶着修理できる。可変抵抗があれば温度調整も可能だ。

アクリル系樹脂部品は瞬間接着剤やアクリル専用の接着剤で想像以上に高剛性な補修が可能である。しかし、バイク用部品の中でも外装部品の場合は、ABSやPE、さらには柔軟性が必要な部位、例えば、前後フェンダーやインナーフェンダー、近年ではサイドカバーなどでもPP製脂部品が使われている。これらの樹脂部品は、接着剤では高強度、高剛性な修理ができない箇所としても知られている。こんな素材部品を修理する際に用いる最善の手段が、樹脂同士を溶かして接着する「溶着」である。

修理開始前の段取りとして、もっとも重要なのが、補修箇所の脱脂洗浄である。汚れたまま溶着作業を行うと、その汚れが補修患部に練り込まれてしまうため、強度が低下してしまうからだ。また、溶着作業時は、患部に熱を加えすぎて茶色く焦してしまわないことに十分な注意が必要である。

最近では、温度管理が容易にできる=温度コントローラー付きのハンダごてセットもあるので、樹脂部品の修理が多いバイクショップなどでは、このコントローラー付きハンダごてを常備したいところだろう。


カスタムファンにも愛されているバイク、ホンダのエイプ。樹脂製サイドカバーの固定部分の突起は無理に押し込むと折れてしまうこともあるので、そんなときには溶着補修で修理してみよう。
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