割れたカウルなど樹脂製パーツの修理はハンダと100均のタッパーが使える!
経年劣化による強度低下で、締め付け部や締結部の樹脂部品に割れや亀裂が 入ってしまう現実は、数多くのライダーが目の当たりにしてきたことだろう。
割れたカウルの修理に応用できるのが「樹脂部品の溶着」だ。樹脂=プラスチック部品は 「接着補修?  部品交換? が当たり前」と考えがちな頭へ、一石を投じよう!!

オイルタンクや冷却水タンクの締め付け割れ修理に!!
     
2ストモデルのオイルタンクはPP樹脂製=ポリプロピレン樹脂製が多い。90年代以降のモデル用純正部品には樹脂素材が明記されている例が多く、カウルの裏にABSやPE、さらにPPなど、表示されていることが多い。

素材表示れた「100均商品」が補修材料!!



補修実践するオイルタンクの素材はPP製と判断。そこで100均ショップでPP製容器を購入。この容器をハサミやカッターで切り出し、補修箇所を埋める「溶着棒」として利用する。
 

100均ショップでは様々な樹脂製品が販売されており、それぞれの部品に使用素材を表示してあるのが特徴だ。容器本体は熱に強いPP製でフタにはPE製を採用しているタッパーを購入。
 

オイルタンクの素材がPP製だと判断したのは、PEよりも熱に強く弾力性も高いからだ。PE材はペイント仕上げのカウル類への利用が多い。容器本体をカットして溶着棒を作る。
 
  • 100均ショップで販売される樹脂商品には素材を表示してあるので、補修素材に利用可能。
  • 不要な同系部品(オイルタンクなど)が手元にあるなら、カット・洗浄することで「最善の補修材料」となる

 
 

割れ部分の汚れ取りと「開先=カイサキ」作り



強い締め付けにより割れてしまうこともあるが、それ以上に多いのが、経年劣化による割れだ。亀裂部分をしっかり洗浄し、汚れを削り落としつつ割れ部分を面取り。これを読んで字の如く「開先」と呼ぶ。カイサキが溶着面積を増やし強度アップを期待できる。
 
 

ハンダごてで母材=欠落部を温めつつ溶着棒を溶かし込む



割れた患部をコテで温めることで欠落部分が柔らかく粘性を持つので、同時に溶着棒を温めて軟化させつつ母材に溶け込ませるように接着していく。煙が出て補修部がコゲでしまうのは大失敗!! ハンダゴテは温度コントロールできると使いやすい。
 
  • 慌てて補修作業に取りかかる前に患部の汚れを徹底的に除去しよう。
  • 汚れがコゲや炭化の原因になることが多い。ハンダゴテは温め過ぎず、直電源の際には、必要に応じて「濡れぞうきん」でコテ先を冷やそう。


PP素材は温めることで乳白色から半透明になる特性がある。温め過ぎると煙が出て、茶色くコゲてしまう=炭化してしまい、こうなると樹脂強度が著しく低下。補修したところで、良い結果を得られないことが多い。
樹脂溶着での注意点は、ハンダゴテを温めすぎないこと。利用するハンダゴテは100W級が最適で、作業前にはコテ先の汚れをしっかり落とし、磨いてから作業することをお勧めしたい。最近は、温度コントロールできる高性能ながら格安なハンダゴテ・スタンド(電圧可変コントローラー付)が販売されているので、要注目である。
通常のハンダごてを利用する場合は、可変抵抗ボリュームを追加することで作業性は良くなるが、絞り「濡れぞうきん」でコテを冷やし温度調整しながらでも作業は可能だ。
PP素材は温めることで乳白色から半透明に変化し、それを過ぎると茶色くコゲでしまう。半透明になると粘性が高まるので、その温度域をキープできるようにコテ温度を調整しながら溶着作業を進めるとよいだろう。
PPに限らず各種樹脂の特性を知れば様々な応用修理が可能になる。トラブルを目の当たりにしたときには、割れた部分を欠落紛失してしまう前に、必ず補修しよう。
 
  • 割れ部分を温めると乳白色から半透明に変化するので、この状況下で補修作業を実践すれば強度も得られ、バッチリな仕上がりになる。
  • 重要なのは同一の補修用素材を用意することだ。不要な同系部品の破片利用が最善だ。
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  • サイドカバーの割れ補修も同様の方法でできる。

 
こんな感じに完成すれば大成功!!
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