バイク用ブレンボキャリパーの種類とその違いをまとめました。【2021年最新版】

MotoGPをはじめ世界最高峰のレースで活躍するブレンボのブレーキシステム。
そのストッピングパワーとコントロール性能、フィーリングはすべてのライダーを虜にします。
カスタムパーツの世界でもブレーキキャリパーやマスターシリンダーと言えばやはりブレンボでしょう。

しかし、正直なところ色々な種類があってどれを付ければ良いのか分からないこともあるのではないでしょうか?
というか僕には分かりませんでした!
なので、ブレンボキャリパー早見表を早速作ってみましたので是非参考にしてください!

ラジアルマウントキャリパー

最近のスポーツバイクが殆ど採用しているラジアルマウントブレーキキャリパー。
マウントボルトの向きが変わりピッチも広くなるので大幅な剛性アップが可能になりました。
また、オフセットカラーの変更でブレーキディスク径の変更が容易になるのも嬉しいですね。

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【削り出しモノブロック】GP4-MS ラジアルビレットキャリパー

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スペック
・取付ピッチ:100mm
・ピストン径:30㎜(同径 4pot)
・ピストン材質:アルミニウム
・ボディ材質:アルミニウム合金(CNC 削り出し モノブロック)
・重量(片側・パッド含):約945g
・表面処理:ニッケルコーティング
・ダストシール内蔵

ハイパフォーマンスキット内での最高峰の製品がGP4-MS。
『削り出し×モノブロック×ニッケルコーティング』と言うすべての技術が詰め込まれた、ブレンボフラッグシップモデルです。
1ピース(モノブロック)の内側ってどうやって削っているのでしょうか……
不思議でなりません!!
ちなみにこの美しいニッケルコーティングは単なる装飾目的ではなく、レースシーンからのフィードバックにより製造公差を減らしピストンの動きを制御する為のものとのこと。
美しさもさることながら、それすらも機能性を目的としたものになっています。
ちなみに価格もフラッグシップ級!

【削り出し2ピース】GP4-RX ラジアルビレットキャリパー

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スペック
・取付ピッチ:108mm / 100mm / 130mm
・ピストン径:32㎜(同径 4pot)
・ピストン材質:アルミニウム
・ボディ材質:アルミニウム合金(CNC 削り出し2pc)
・重量(片側・パッド含):108mm 約925g /100mm 約830g / 130mm 約1000g
・表面処理:ニッケルコーティング
・ダストシール内蔵

モノブロックを除いたラジアルキャリパーのトップモデルGP4-RX。
このキャリパー、パッドピンが無いんです。
キャリパーボディ内にガイドを直接機械加工することで、軽量且つ高精度なキャリパーを実現しています。
その結果、2ピース構造ながらも約830g(100mmピッチ)~と超軽量な仕上がりとなっています。
また、GP4-MS同様ニッケルコーティングを採用しているのも特徴ですね。
ちなみに2007年から2014年YZF-R1等で採用されている130mmピッチキャリパー(6POT住友MOS)にも対応したモデルもあります!

【削り出し2ピース】.484 ラジアルビレットキャリパー

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スペック
・ピッチ:108mm / 100mm
・ピストン径:32㎜(同径 4pot)
・ピストン材質:アルミニウム
・ボディ材質:アルミニウム合金(CNC 削り出し2pc)
・重量(片側・パッド含):約950g
・表面処理:ブラック アナダイズド
・ダストシール内蔵

カフェレーサーやカスタムマーケットに特化したキャリパーです。
名前の「.484」はキャリパーピストン容量をハーレーなどの排気量表記で一般的な「キュービックインチ(cu.in.)」で測定した場合の測定値に由来しているそうです。
有機的なデザインはカスタム感MAX!
100mm/108mm両方のランナップがありますので、今どきのバイクなら殆どのバイクに取付可能です。

【削り出し2ピース】ラジアルビレットキャリパー

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スペック
・ピッチ:108mm / 100mm
・ピストン径:30/34㎜(異径 4pot)
・ピストン材質:アルミニウム
・ボディ材質:アルミニウム合金(CNC 削り出し2pc)
・重量(片側・パッド含):約1000g
・表面処理:ハードアナダイズド
・ダストシール内蔵

ザ・レーシングキャリパーな雰囲気を漂わせる無骨で無機質なラジアルビレットキャリパー。
ブレンボエンジニアによりレーシング技術を用いて、制動力と剛性の最大化を目的に設計されたこのキャリパーは、30/34mmの異径ピストンを採用することにより性能とコントロール性が更に向上しています。
また、108mm/100mmともにラインナップされているので、殆どのスポーツモデルに取付できます。

【キャストモノブロック】GP4-RS ラジアルキャストキャリパー

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スペック
・ピッチ:108mm
・ピストン径:30㎜(同径 4pot)
・ピストン材質:アルミニウム
・ボディ材質:アルミニウム合金(鋳造 モノブロック)
・重量(片側・パッド含):約930g
・表面処理:アナダイズド チタニウムカラー
・ダストシール内蔵

2016年後半に発表されたGP4-RS。
非常に複雑な鋳造技術によってM4ワンピースキャリパーよりもさらに10%もの軽量化に成功しています。
最大の特徴はMotoGP用システムのコンセプトを受け継いだ『フィン』。このフィンによって外気に触れる表面積が30%も増加しています。
ブレーキフルードに近い部分の30%なので、冷却性能に大きな影響を与えています。

【キャストモノブロック】ラジアル M50 キャストキャリパー

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スペック
・ピッチ:100mm
・ピストン径:30㎜(同径 4pot)
・ピストン材質:アルミニウム
・ボディ材質:アルミニウム合金(鋳造 モノブロック)
・重量(片側・パッド含):約930g
・表面処理:アナダイズド チタニウムカラー
・ダストシール内蔵

M50は2011年にドゥカティ 1199 Panigaleで初めて搭載されたモノブロックキャリパーで、M50の「M」はモノブロック(Monoblock)に由来しています。
モノロック技術は1994年のMotoGPでブレンボが初めて導入した技術で、キャリパーボディが単一の溶融アルミニウムから構成されて最適な剛性が確保されています。
ちなみに「M50」の「50」はブレンボ創業50周年を意味しています。

【キャストモノブロック】ラジアル M4 キャストキャリパー

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スペック
・ピッチ:100mm / 108mm
・ピストン径:34㎜(同径 4pot)
・ピストン材質:アルミニウム
・ボディ材質:アルミニウム合金(鋳造 モノブロック)
・重量(片側・パッド含):100mm 約1,015g / 108mm 約1,010g
・表面処理:ブラックアナダイズド / アナダイズドチタニウムカラー
・ダストシール内蔵

1990年代にMotoGPで成功を収めたブレーキキャリパーのモノブロック技術が、今では当たり前のように一般向けに販売されています。
それはブレンボの機械加工技術、鋳造技術によるものがとても大きいです。
純正の2ピースキャリパーから交換することでコントロール性は更に向上するでしょう。

【キャスト2ピース】ラジアルキャストキャリパー P4 34

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スペック
・ピッチ:100mm
・ピストン径:34㎜(同径 4pot)
・ピストン材質:アルミニウム
・ボディ材質:アルミニウム合金(鋳造 2pc)
・重量(片側・パッド含):約930g
・表面処理:ゴールドアナダイズド / シルバーアナダイズド / ブラックアナダイズド
・ダストシール内蔵

多くのバイクに純正採用もされているラジアルマウントキャリパー。
キャスト&2ピースの廉価版ですが、しっかりブレンボです。

 
今回紹介した製品はこちら
 
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