「H-Dスポーツスター」空冷ツインエンジンのオイル交換にチャレンジ

バイクは機械。その象徴的な部品がエンジンだろう。乗り続けることで摺動部には磨耗が生じ、気がついたときにはメカニカルノイズを発生させることもある。そんなノイズに気がつかずに乗り続けると、最悪で部品摩耗が発生し、部品交換を余儀なくされてしまうこともある。バイクに乗り始めたばかりだと、運転するだけで精一杯で、バイクのコンディションやエンジンノイズに気がつかないことも決して珍しくはない。ここでは、空冷ビッグツインエンジンだからこそ気を配りたい、エンジンオイル交換にチャレンジしてみよう。オイル交換後は、そのスムーズさの違いに驚くはずだ。

ダウンチューブフレームはありがたい存在

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ハーレー・ダビッドソン各車は、フレームのダウンチューブが最低地上高なので、このフレームを利用することで安定したオイル交換作業を実施することができる。ジャッキタイプのメンテナンススタンドや低床のアメリカン用メンテナンススタンドがあると、オイル交換作業はたいへん便利だ。ハーレーオーナーなら是非欲しいのが車体を直立保持できるスタンドやジャッキだろう。

オイルタンクのディップスティックで点検

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ハーレー・ダビッドソンのVツインエンジンはドライサンプシステムのモデルが多い。エンジンオイルのコンディションやオイル量は、国産車で言うところのサイドカバーあたりにあるオイルタンクキャップのディップスティックで確認することができる。点検が簡単なだけに、エンジン暖機後と走行終了後にはオイルコンディションを必ずチェックしたいものだ。

ドレンボルトではなく「ドレンホース」

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国産エンジンのように、エンジンオイルはドレンプラグではなく「ドレンホースから排出する」のがスポーツスター系エンジンだ。以前の同モデル系では、フレームに溶接された鉄の棒にホースエンドを差し込み、バンドで固定していたが、このモデルはホースエンドに樹脂キャップが押込まれてバンド固定されていた。十分に暖気運転してからエンジンオイルを抜き取ろう。廃油トレーと抜き取りガイドがあると作業性は向上する。

フィルター交換時の「汚さない」段取り

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カートリッジ式オイルフィルターは、専用サイズのカップレンチがあると取り外しが楽だ。フィルター周りがこぼれたオイルで汚れてしまわないように、オイルフィルター脱着時は廃油の通り道をガイド工具や古新聞やチラシなどを折って養生するのがよい。フィルターを取り外した後の締め付け座は、きれいなウエスでしっかり拭き取ろう。

あらかじめオイルを半分注入しよう

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新品オイルフィルターを取り付ける際には、Oリング状のラバーガスケットに少量のエンジンオイルを塗布しよう。これは締め付け時にOリングの噛み込みを防止するノウハウだ。新品カートリッジ内には、あらかじめエンジンオイルを半分ほど注入しておくのが良い。目一杯入れてしまうと、取り付け時に溢れ出てしまうことになる。半分ほど入れたら、素早く取り付けよう。

エンジンオイルの入れ過ぎには注意

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エンジンオイル容量は、各モデルや年式によっても異なるので、作業事前に必ず確認しておきたい。スポーツスター系エンジンは、オイルフィルターの同時交換時で、2リットル以上、3リットル未満のオイル使用量のようだ。まずは2リットルだけ注入した。

エンジン始動直後は連続的にアイドリング

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まずはオイルタンクに2リットルほど注入。ドレンホースエンドキャップ周辺からオイル滲みやオイル漏れが無いことを確認したら、セルボタン一押し。エンジン始動後は、しばらくアイドリングを続けよう。エンジン始動直後には、メーターインジケータランプの「オイルプレッシャースイッチ」が点灯しているか確認しよう。オイルがエンジン内を巡るとプレッシャースイッチは消灯する。

一気に注入せず追加注入で容量合せ

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エンジンの暖気を終えたら、ジャッキを使って車体を直立させ(前後タイヤは路面に触れた状態で車体の直立を保つ)、その状態でオイルタンクのディップスティックを抜き取って付着したエンジンオイルをウエスで拭き取る。そして、ディップスティックをオイルタンクキャップ穴に押し付ける。不足分のエンジンオイルを少しづつ追加注入しよう。上限いっぱいまでエンジンオイルを入れると、ブリーザーから吹き出しやすいので、スティックレベルの上限に対して7~8割程度の注入量にしよう。特に、ドライサンプ方式の潤滑システムの場合は、オイルの入れ過ぎ厳禁だ。

POINT
  • ポイント1・スポーツスターに限らず空冷エンジンの場合は、オイルコンディション次第でエンジンのスムーズさ、なめらかさは様変わりする
  • ポイント2・ ドレンホースからエンジンオイルを排出したら、キャップ栓をパーツクリーナーで洗浄脱脂してから復元する
  • ポイント3・ エンジンオイルの注入量は、上限一杯は絶対NG。レベル下限→上限の範囲に対して7~8割程度の注入がお勧めだ

日本国内の登録数が、2000年以降、圧倒的に増えているのがハーレー・ダビッドソン。大型自動二輪車の新規登録ベースでは、もはや国産車以上の数字を残している。40代後半~60代前半の返り咲きライダーには特に大人気。もちろん女性ライダーにも人気があるのがハーレーで、Vツインエンジン特有の力強さを好む傾向も強まっている。決して軽快なバイクとは言えないが、ハーレーVツインエンジンには、ハーレーのみが持つ特有の「鼓動」があり、それが唯一無二で数多くのライダーを虜にしているのだろう。

Vツインエンジンの鼓動を末永く楽しむためには、日頃からメンテナンスにも気を配りたいものだ。以前なら、限られたライダーのみが所有するハーレーというイメージがあり、きちんとメンテナンスされていた車両が数多かったが、普及率の高さと同時に、国産車と同じような扱いを受けている例もある。頑丈な作り、頑丈なエンジンだからこそ何事も無く走れるのかも知れないが、実は、雨ざらしだったり、ノーメンテで乗りっ放しにされているハーレーが、年々増えている傾向でもあるのだ。

国産車と同様に、現代のハーレーはFI=フューエルインジェクションを採用。始動直後から扱いやすさを高めている。昔のイメージを知るベテランライダーには、ある意味、驚きですらある。そんな高年式ハーレーとは言え、過去のハーレーと同様に、エンジンオイルは頻繁に交換したいものだ。何故なら、オイル交換時に細かなキラキラ(鉄粉による輝き)が、エンジンオイルに混ざって排出される様子を目の当たりにするからである。

エンジン内部の金属部品摺動面(部品同士が擦れ合っている部分)は、一見では平滑なように見えるもの。しかし、現実的には細かな摺動キズや凸凹があり、その小さな一片が金属粉となってエンジンオイルに混ざって排出されるのである。オイルフィルター機能は、、そんな金属粉もキャッチするが、カートリッジ内の濾紙だけでは、金属粉をキャッチしきれないこともある。エンジン内部の摺動キズを可能な限り滑らかにすれば、余分な汚れや金属粉は出にくいものとなる。だからこそ必要なのが「定期的なエンジンオイル交換」なのだ。大切なバイクと末永く付き合うためにも、エンジンオイル交換は定期的に行うことが何よりも大切である。とくに空冷エンジンだからこそ、こだわりのエンジンオイルやエンジンオイル添加剤を利用し、Vツインエンジンをケアしたいものである。

 
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