タイヤ交換時には必ず確認しよう!!スポークホイールの芯出し振れ取り

一般的には36本、ホンダとカワサキの大型車は40本、オフロード車やミニクラスの中には32本、さらには楕円断面で28本仕様などといった「スポークホイール」も中にはあった。4本ひと組になり、その倍数で組み立てられているのがスポークホイールの特徴である。転倒で歪んだからリム交換、サビが目立つようになったからスポーク交換、などなど、スポークホイールを組み換える理由は人それぞれだと思うが、タイヤ交換の際に、せめて振れ確認だけでも行っておきたいのが、スポークホイールでもある。

機種によって様々だが内掛けと外掛けの2種類

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一般的にスポークホイールは、内掛けと外掛けの2タイプのスポークを組み合わせて構成しているが、オフロード車や幅広ハブ車の場合は、全スポークを内掛けで組み立てている例もある。いずれにしても、ハブの左右に引っ掛けられたスポークが、ニップル(リムと接触する細長いナット状部品)を介して、リング状のリムに組み付けられているのに変わりはない。そのニップルの締め付け具合で、リムの芯円や左右の振れを調整し、センターリングされているのだ。このスポークは、サビの浸食でいつ折れるかわからないスポークをすべて張り替えたときの画像。クビの曲げ角度が浅いのが内掛けスポークで、深く曲げてあるのが外掛けスポークである。

簡易点検でも効果は大きい

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スポークホイール、キャストホイールに関係なく、ホイールバランスを確認するためのバランサースタンドであり、スポークホイールなら「リムの芯出し振れ取り」にも利用することができるスタンド。この商品は、ダートフリーク社がサンデーメカニック向けに販売しているDRCジャイロスタンド。アクスルシャフト径が細い小排気量車向けのシャフトとテーパー状の受け部品をセットにした、オプションパーツも販売されている。

スポークホイールの振れは簡単確認!!

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芯出し振れ取り後のスポークホイールにタイヤを組み込んだはずなのに、ある日、気が付くと、リムが左右へ振れていることがある。決して大きな振れではなく、走っていて気がつくことが無くても、やっぱり振れに気がついたときには調整しておきたいものだろう。ジャイロスタンドがあれば、タイヤを組み込んだ状態でも振れ調整は可能だが、タイヤ交換でホイール単品になったときには作業性が良いので、振れ取り調整するのが良いだろう。しかし、ニップルとスポークが完全にサビで固着している例も多いので、サビで動かないときには無理に調整しないほうが良い。

張り込みの「法則」を知れば楽々調整できる

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バイクメーカーによって数値データや考え方はまちまちのようだが、想像以上にスポークホイールの振れ幅=「許容範囲は広い」。ある機種のサービスマニュアルで、リム振れの許容範囲を確認すると、芯振れは±1.0ミリ以内、左右の振れは±3.0ミリ以内、それ以上は要調整と明記されていた。仮に、この許容範囲最大値のスポークホイールをスタンドにセットして回転させると、その振れの大きさには誰もが驚くはずだ。逆説的には、それほど大きな振れが出ていても、走行中のライダーには気がつきにくいものなのだ。リムの振れうんぬん以上に気を配りたいのが「スポークの緩み」である。緩んだスポークや張り過ぎたスポークは走行衝撃で折れやすい。まずは全体的に締め付け=スポークの張りを確認し、増し締めしながら振れ取り調整を行おう。また、ピンピンに張り過ぎたスポークを発見したら、張りをやや戻しながら周辺への影響を確認しよう。ニップル半回転で相当大きな違いを実感できるはず。DIYスポーク張りでとにかく多いのが、張り過ぎでニップルの角をナメてしまっている例だ。

文字通り「バランス良く」調整しよう

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ホイールハブのセンター振り分けで、左右の引っ掛け穴の内外からスポークを通してリムに組み合わせている様子を見ることができる。4本1組で組み立てられている様子も理解できるはずだ。ハブセンターに対して左右それぞれ2本のスポークが張られているが、仮に「左側へ歪んでいる」場合は、その歪み箇所を中心に右側から出ているスポークニップルを締め込むことで、リムを右側へ寄せることができる。もしくは左側のニップルを緩めてスポークを伸ばすことでリムを右側へ寄せることもできる。理屈的には、そのような対処で左右の振れ取りをバランス良く行うのだ。

スポークホイールを横に寝かせた調整方法

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仮に、工作機械の旋盤チャックや大型万力がある場合は、アクスルシャフトをクランプして立て、そこにスポークホイールを差込むことで、横寝かせ状態にてリムの振れ確認や調整作業を行うことができる。マグネットスタンドを利用してダイヤルゲージで測定すれば、目測ではなく数値管理で振れ確認を行うこともできる。直立式か?寝かせ式か?は、作業者の好みで決めれば良いだろう。いずれにしても、振れの許容範囲は思いの外広いこともあり、調整作業は実に奥深い。新品リムに新品スポークの組み合わせだと作業性は良いが、思い通りにならないこともあるし、新品部品の組み合わせだからといって、芯出し振れ取りの数値が「0」になるとは限らない。一方、中古部品で転倒経験がある歪んだスポークホイールの芯出し振れ取りは、相当難しいと考えよう。

メーターギヤはクリーンナップ&グリスアップ

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ホイールを取り外したときや、タイヤ交換時には、ブレーキパネル関連部品の点検整備も行ないたい。メーターギヤが組み込まれたブレーキパネルなら、リングギヤを取り外して古いグリスを洗い流そう。真っ黒なグリスが堆積しているときには、綿棒でグリスをこそぎ取ってから洗浄し、新しいグリスをしっかり塗布。ホイールセット時にメーターギヤリテーナーの噛み合わせがズレると、ホイールが回転不良を起こすので、ギヤリテーナーの引っ掛け部分が折れ曲がっている時には曲げ直し、組み立て復元時には爪が噛み込まないように注意しよう。パネルに組み込まれたウォームギヤを抜き取って洗浄したい際には、ギヤの軸受けをイモネジで固定している例もある(ホンダの小排気量車はこのタイプ)。このタイプはイモネジを外し、内側のウォームギヤエッジを叩いて軸受けごとギヤを抜き取ることもできる。ギヤの軸受け部分にはスペーサーワッシャーが入るので、分解洗浄時に紛失しないように注意しよう。

タイヤこそ好みでチョイス

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ミニ系オフロードモデルなので、ブロックパターンの旧車デザインタイヤをチョイスした。グリップ性能うんぬんも大切だが、旧車のデザインに似合ったパターンのタイヤ販売は、オンロード、オフロードを問わず、旧車ファンには嬉しいものだ。

POINT
  • ポイント1・ タイヤ装着状態でもスポークホイールのリム振れは確認調整することができる
  • ポイント2・スポークには内掛け外掛けがあり、張り込みの法則を知ることで調整作業が楽しくなる
  • ポイント3・ドラムブレーキ車なら、ホイールを取り外したついでにブレーキシューやメーターギヤのメンテナンスを実践しよう

メーカー純正部品でモデルに適合した新品リムと新品スポークを購入。現物画像を見ながらスポークホイールを組み立てたはずなのに、ニップルを詰め込んでもスポークがまったく張らず、ガタガタになってしまって……、といった経験のあるサンデーメカニックもいるはずだ。純正部品を購入したのに何故!?内掛け、外掛けを間違えていないのに何故!?とは誰もが思うはずである。いわゆる「ボタンの掛け違い」ではなく「スポーク穴の差し違い」で、そんなトラブルが発生してしまうのがスポークホイールである。左右どちらかのハブ穴の差し込み位置を1穴ずらして張り直すことで、おそらくビシッと張り込めるはずだ。そんな経験を重ねていくことで、スポークホイール組み立てに関する様々なノウハウを得られるようになるものだ。

ここでは、すでに張り込んであるスポークホイールの点検を実施。タイヤ交換が目的で、リムからタイヤを外した時などは、是非とも点検したいのがスホークホイールの点検と、必要に応じた調整作業である。特に、オフロード車の場合は、ダート走行や林道走行でコケてしまう(転倒してしまう)ことが多いと思うが、転倒によってリムに歪みが生じ、リムが左右に振れてしまうケースは意外と多い。仮に、タイヤ交換に関係なくホイールを取り外した時には、タイヤを組み込んだままのホイールをスタンドにセットして、振れ状況を確認してみよう。ここで利用しているジャイロスタンドのように、点検棒があるタイプなら、左右の振れを容易に目視確認することができる。

まずは、車体に対してホイールセンターが正しい位置を確認しよう。その位置を基準にして、リムが振れている箇所を特定し、スポークを張り込み調整することで補正すれば良い。あまりに激しい振れや完全な歪みがある場合は部品交換になるが、数ミリ程度の歪みなら調整する意味はあるし、それで補正できればラッキーだ。例えば、リアホイールの場合は、仮に、スプロケ側に振れている最大箇所を特定し、その場所の反対側(ブレーキパネル側)から貼り込まれているスポークニップルを締め込んでみよう。一箇所ばかりではなく、最大歪みポイントの前後も含めて締め付け調整してみよう。ニップルの締め付け量は1/4回転程度単位で行い、張りが強くて「引っ張り」にくい(締め付けにくい)ときには、歪んでいる方向のスポークニップルを緩め、リムの歪みを「戻す」ように仕向けるのが良い。この「引き」と「戻し」をバランス良く行うことで、3~4ミリ程度の歪みなら±1ミリ程度内に収めることができるはずだ。

タイヤが装着されたままのスポークホイールでも、このような調整作業は可能である。作業後には、スポーク1本1本を、ニップルレンチで楽器のように軽く叩き、その音で張り込み具合を再確認。音が異様に鈍いときには張り込み不足で、音が異様にカン高い時には、張り過ぎだと考えられる。そんな音色で判断しつつ、できる限りバランス良く理想に近づけていきたいものだが、転倒経験車両の場合は、なかなか思い通りにならないので、ある程度で妥協しよう。納得できないときには、新品リムやスポークに交換だ。

 
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