Araiヘルメットのレーシングスポイラーは“買い”なのか?RX-7歴20年の大ベテランが徹底インプレッション!

FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が定めたヘルメットの新たな安全新規格「FRHPhe-01(FIM・レーシング・ホモロゲーション・プログラム・フォー・ヘルメット)」。
その規格取得に向けて新たにアライが発表したのが、2020年7月に発売予定の市販モデル「RX-7X FIM Racing #1」です。

そしてRX-7X FIM Racing #1と従来モデルのRX-7Xの明確な違いと言えるのが、後頭部のエアロデバイス「レーシング・スポイラー」で、超高速走行での頭部のブレを低減し、より集中したライディングが可能となります。

このレーシング・スポイラーは、RX-7Xのオプションパーツとしても、2020年5月からラインナップに加わりました!
今回はそんなオプションパーツ「レーシングスポイラー」の取り付け方法、そしてあらゆる走行シチュエーション下での実力に迫って行きましょう!

安全新規格「FRHPhe-01」ってなんだ?


FRHPhe-01とは、2019年よりFIMが定めた新たな安全規格となります。
これにより、FIM傘下の国際レースカテゴリーには、ヘルメットのストラップ部分にFRHPhe-01の公認マークが入っているヘルメットでしか、出場できなくなっています。

皆さんのイメージがしやすいレースだと、世界最高峰レースのMotoGPや、鈴鹿8時間耐久でもこのFRHPhe-01が必要です。

本規格は、ヨーロッパのECE規格をベースに、非常に高い安全基準が求められたものとなっており、転倒時クラッシュ時における脳損傷の保護レベルを高めるべく、衝撃ゾーンと衝撃吸収能力が見直されたほか、新たに斜めの角度(45度)からの衝撃試験、またそれらが高速で試される試験が加えられています。

ライダーのクラッシュシーンは、テレビ画面越しに観ていてもヒヤリとするものです。
より安全性が高いクリーンなレースの実現に向けて、一歩前進したといえますね。

これを見ればOK!レーシングスポイラーの凄さ


レーシングスポイラーは、サーキットなどの超高速域においてその真価を発揮するアイテムです。
ヘルメット(頭部)は、身体のように高い空力性能を備えたカウルに守られているわけではなく、速度域が上がれば上がるほど風の影響を受けやすくなるもの。

球体形状のヘルメットとレーシングスポイラーをつけたものとでは帽体背面の風流れは異なり、レーシングスポイラーがあると高速域でのブレが低減されます。

また、選び抜かれた素材を使用し、分子密度の調整と、そして強度を保ちながらも軽量に仕上げられています。
ちなみに、通常のRX-7XとRX-7X FIM Racing #1とでは、スポイラーを備える後者の方が重量は軽くなっているのだとか。

ヘルメットに突起物が付いていると危なくないの?

転倒時に頭部を守るためのヘルメットは、衝撃をいなすようにまた和らげられるよう設計されています。
昨今流行りのヘルメットに後付けでマウントするアクションカムといったものは、本来軽傷で済んでいた怪我が当たりどころが悪く大怪我に発展する可能性も秘めています。

今回ご紹介しているレーシングスポイラーも、ヘルメットに後付けするタイプのオプションパーツですが、そういったクラッシュを想定し衝撃に加わった際すぐに剥がれ・破損するように設定されています。
高速域では効果を発揮し、万が一のアクシデント時には頭部を保護できる。そういった側面からもヘルメットメーカーAraiの努力が垣間見えます。

取付方法


取付方法はとっても簡単です。
スポイラー背面の粘着テープを剥がして、ベンチレーションに差し込みながら取り付けるだけ。


この時、RX-7Xのロゴは隠れてしまうのですが、ステッカーが付属されているのでスポイラーの上から同じ様に貼り付けて、はみ出し部分をカットしてあげましょう


ポイントは

  • 中性洗剤などで予めよく脱脂すること
  • ステッカーがズレない様に位置を決めたらテープなどで固定すること
  • 気泡が入らないよう、落ち着いて貼ること

貼り付ける部分が立体構造なので、気泡が入らない様に手頃な押さえやすい台などがあると作業が捗り、キレイに仕上がります。


はみ出し部分は、カッターやハサミでカットしてあげましょう。
この作業がなかなかシビアだったので、帽体にレーシングスポイラーを貼り付ける前に、余った部分をカットすることをオススメします。

上手にできました!

実際に走ってみた!


レーシングスポイラーを取り付けたら実際にその効果を体感したいところですが、
RX-7を長年愛用するユーザーの方がより繊細な発見ができるハズ! ここからは長年の愛用者の“生の声”をお届けします!

サンプルでお借りしたレーシングスポイラーをスタッフが試してみました。
(スタッフはまだディフューザーの無いころからRX-7一筋のベテランなので、かなりリアルな感想だと自負しています)

もともとレースの超高速域を重視した製品のはずですが、大多数の方は本格的なレースに出場したりはしないし、サーキット走行だってほとんどの方は無縁のはず。
一番知りたいのは『公道で使うとどうなの?』という部分のはずなので、全て公道でテストしました!

明らかにヘルメット後部に大きな負圧ゾーンを生みそうな形状なので、「ヘルメット内の蒸れをガンガン吸い出すのが体感できるのでは!?」、「もしかしたら吸い出す音が聞こえたりして!」……と勝手な妄想と期待を胸に抱いて出発!
テストは通勤で使う幹線道路に加え、高速域のための新東名高速と峠道のための箱根です。(念のために敢えて渋滞にもハマってみました)

街中ではどうなの


まずは街乗りですが、走り出してすぐわかる効果は...ありません(笑)
「えぇ...」と思うかもしれませんがそんな事はなくて、風切り音に変化が無い事を意味しているのでスゴイ事なのです。

あんなに大きな空力付加物を装着しているのに“ピュー”とか“ゴー”とか聞こえないのは素晴らしい事で、ウソだと思う方は適当な物をヘルメットに貼り付けて走ってみればすぐに変な風切り音に気が付くでしょう。
風切り音が変化しないレーシングスポイラーの凄さが理解できるはずです。

そして期待していた吸出し音なども全く聴こえません。
ヘルメット内を風がピューピュー通る抜けるような感覚も特に無し(笑)
そう書くとまるで効果が体感できないように聞こえるかもしれませんが、明確に変わった事もあります。
それは「メガネが曇らない」です。


テストはまだ肌寒い時期だったのですが、信号待ちなどで派手に呼吸するとメガネが曇るのは、メガネライダーなら誰もが経験している事。
シールドは曇り止め出来てもメガネはどうしようもなく、いくら最新のベンチレーションが優秀でも走り出してしばらくは曇りが取れないのが普通です。
それがこのレーシングスポイラーを装着すると、スタートして直ぐにメガネの曇りが取れるようになります。
風が流れる感覚こそ体感できないものの確実に『効いている』模様です。

ワインディングではどうなの


そして一般道の上限である60km/hに近付くとボチボチ変化が体感できてきます。
まずヘルメットの浮き上がりが大幅に減っている事に気付きます。

「浮き上がり?何のこと?」という方が多いと思いますが、それはそうで今までだってヘルメットが浮き上がって困るなんて思っている方はまず居ないでしょう。
私も通常のRX-7と比較したからこそ気付けたのであって、単独では気付かなかったと思います。
ただ、比較すると明らかに浮き上がりが少なく、頭の自由度が違うことが感じられます。

しかもヘルメットのブレも減り、結果として視界がクリアになったように錯覚する程度には効果がありました。
街乗りでは後方確認でミラーを見るために、頭を傾けた際や目視するために振り向いた際に、峠道では常にヘルメットが安定していてブレない効果を体感できます。
もちろん差は僅かなのでしょうけれど、その僅かな差が生み出す視界の自由度は、混合交通の中での安全性に大きく寄与するはず。
安全性を非常に重視するAraiの企業精神に沿っていますね。

高速走行ではどうなの

さらに!制限速度120km/hの新東名高速を制限速度上限いっぱいで走ってみた結果、上記の効果を3倍くらい大げさに体感できました。
さすがにここまで来ると「誰でも体感できる」レベルで効果を実感できます。
相変わらず風切り音は増えず、吸出し音も聞こえず、ヘルメット内を風が通る感覚もありません(笑)

しかしメガネは全く曇りませんし、ヘルメットは浮き上がったりブレたりせず、視界のクリアさにはかなりの差が出てきます。
高速走行時に視界がブレない効果がどれほど安全性の向上に役立つかは言うまでもありません。
『僅か4000円程で買える安全性』というワケです。

レーシングスポイラーは買うべきか否か

結論として、これは『買い』でしょう!
AraiのフラッグシップモデルであるRX-7Xを使用されているような方なら特にそう言えます。

最後に1点だけ気になった部分があります。
それは「走行中に後方ディフューザーの開閉レバー操作がほぼ不可能に近い」こと。
停車中に指で直接操作すれば特に問題は無いのですが、グローブをした状態では隙間に指を突っ込んで奥にあるレバーを操作するのは至難の技です。
少なくとも私は出来ませんでした。

プロテクター装備したレーシンググローブをはめてでは絶対無理と言っても過言ではないです。
ただ、走行中に後部ディフューザーを開閉したくなるシーンは滅多にないはずです。
現に私はゲリラ豪雨の中を突っ走る時でさえそのままです。
だって別に開けてても雨水が入ってきたりしないし、閉めたらメガネが曇るんだもん……。

あとは買うだけ!


走行イメージをセルフィーで撮ってもらうなんてこともできませんし、その時のイメージカットを添えてお届けしました。
20年以上に渡ってRX-7を愛用してきたヘヴィユーザーが薦めているのだから、これは買わない選択肢はありません!……よね?

価格は4,000円(税抜)から、となっていますので新たにヘルメットを書い直すより、とってもリーズナブルとなっています!
カラーバリエーションは、全てソリッドカラーながら全6種類の設定があります。半透明のものもあるので、グラフィックモデルにも違和感なく取付ができちゃいます。


商品概要

  • 商品名/RX-7X レーシングスポイラー
  • カラーバリエーション/ライトスモーク、 白、黒、グラスホワイト、グラスブラック、フラットブラック
  • 価格(税抜)/ライトスモーク 4,000円、他 5,000円


WebikeTVでも紹介中!

 
今回紹介した製品はこちら
 
関連キーワード
ヘルメットに関連した記事