クーラントの定期交換をするときは水道水でしっかり通路を洗浄をしよう!

水冷エンジンの冷却媒体には、真水ではなくLLCと呼ばれる「ロング・ライフ・クーラント」を利用しなくてはいけない。
このLLCも、定期的に交換すべき「冷却パーツの要」として認識しておこう。

ところが、何年も交換しなかったり、何年かぶりに走らせたバイクでも、この重要な冷却水を交換することなく走り続けているマシンオーナーが多いのもまた事実。 ここでは、水冷エンジンの冷却水点検と、交換前の「お約束=内部洗浄」を実践しよう。

コンディションのバロメーターは「ラジエターキャップ」


キャップの外れを防止する回り止めを取り外し、キャップを押すように反時計回りにキャップを取り外す。裏側を見ると、明らかに冷却水は赤みを帯びている。赤いLLCの色味ではなく「サビ」の発生だ。

リザーブタンク内部の冷却水がサビ水!!


何年も不動車だった水冷エンジンモデルは、おおよそこんな感じになっている。逆に、しばらく乗る予定が無く冬眠!? させるような際には、ガソリンはすべて抜き取り、冷却水は抜き取っておくのも良い。そして「冷却水無し」と明記。

リザーブタンク内の冷却水をすべて抜き取り、ドレンを開いてエンジン内部の冷却水を抜き取ったら、ラジエターキャップ部に水道ホースを差し込み、勢い良く水を注ぎ入れよう。冷却水のドレンボルトは開けたまま行おう。

真っ赤だった水が「透明」になるまで洗浄


真っ赤だったサビ水が透明の真水に変わったら水道を止め、車体を左右に傾けて冷却通路途中に滞留した冷却水をスムーズに落下させる。仕上げでラジエターキャップ部にエアーガンをセットし、ウエスでキャップ口を押えながらエアーブロー。

忘れてはいけないリザーブタンクの洗浄


サビ水に染まってリザーブレベルの目盛りが見えにくい時には、タンク内に洗剤を入れて漬け洗いすると汚れの着色は薄まる。サビ汚れがあまりに酷い場合は、数種類の洗剤を試してみよう。
 
POINT
  • ポイント1・サビた冷却水がエンジンパーツにダメージを与えてしまう。
  • ポイント2・冷却水を抜いたら水道水でエンジン内部を洗い流す。
  • ポイント3・内部洗浄後にはしっかりエアーブローを行う。小型エアーコンプレッサーがあれば、様々なメンテナンスの作業効率は格段にアップする。

不動中古車を購入した時には、様々な「復活」メンテナンスが必要不可欠になる。オイル交換やキャブ洗浄、ガソリンタンク内部の洗浄を行うことでエンジン始動できるケースが多いと思うが、「水冷エンジン」の場合は、冷却水のコンディションを必ず確認しよう。今回は冷却水の交換前段取りをリポートするが、車両の本格復活を考えた場合、世辞エンジンターキャップの交換。冷却ホースの交換。金属パイプ部品の交換も考えられる

市販の冷却水はロングライフクーラント、一般的に「LLC/エルエルシー」の名前で呼ばれている。希釈済みの商品を利用するタイプや、走る環境に合わせて規定の希釈率で原液を水道水で割るタイプがある。液色は蛍光グリーンのような緑色と赤ワインのような赤色があるが、好みで使い分けても良い。数多くのメーカーから様々なタイプのLLCが販売されているが、好みの商品をチョイスすれば良いだろう。

今回のメンテナンス車両は80年代の水冷モデル。走行距離は少なかったものの倉庫に20年以上冬眠していたと言う車両だ。様々な部分にダメージが見受けられ、当然ながら冷却水は真っ赤なサビ色!! もはやLLCの面影はまったく無かった。

レースレギュレーションでは、LLCではなく「真水」を使うことになっている。公道走行する市販ロードバイクの場合は、迷うことなくLLCを選ぼう。何故なら、LLCには防錆効果があるため、エンジンの内部パーツにダメージを与えにくいのだ。真水のまま利用し続けるとサビが発生し、ウォーターポンプのインペラシャフトにサビ粉を堆積させてしまう可能性が高い。そのサビの影響で、メカニカルシールがダメージを受け、エンジン内部に冷却水が混入してしまう例が多いのだ。

エンジン内部に冷却水が混入してしまうと、エンジンオイルの乳化による劣化スピードが著しく高まってしまう。フィラーキャップを開けたときに、キャップの裏側やネジ部分にハンドクリーム状の乳化固形物が堆積している場合は、ウォーターポンプのメカニカルシールがダメージを受けているとまずは考えよう。

ここでは、冷却水の現状確認と交換前の段取り作業をリポートしたが、メンテナンスを実践する際には、その事前段取りを「やった」か「やらなかった」かで、その後のコンディションやLLCのライフに大きな違いが出ることをご想像頂けると思う。エンジンオイルの交換時は、エンジン始動後に暖機運転をしっかり行い、エンジンを温めることでより効率良く、一滴でも多くのエンジンオイルを抜き取れるのと同じように、どんな作業にも大切な「段取り」があることを、忘れずにいたい。


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