今週末、ポール・リカール・サーキットでFIM世界耐久選手権とFIM耐久ワールドカップの2024年シーズンタイトル決定戦が行われる。EWCタイトル獲得経験を持ち、EWCのピットレポーターとなったザビエル・シメオン氏が、ボルドール24時間レースのX-pertガイドを務める。

タイトル争い:
世界タイトル争いは、結構混戦になると思うよ。ヤマハとスズキという世界チャンピオンを狙える2つの有力候補と、BMWというもう1つの候補がいるからね。24時間レースでは、予選練習から何が起きてもおかしくないことを知っているから、みんながタイトルを狙っていることがわかるんだ。予選、8時間、16時間のポイント配分が決まっているけど、彼らはみんな仕事に集中しているから、彼らの間では大激戦が繰り広げられると思うんだ。

精神的な緊張:
耐久レースでタイトルを狙うのは不思議な感覚なんだ。僕はスプリントレースで同様な状況になったことがあるけど、スプリントレースでは個人的なもので、自分だけのものなんだ。でも、耐久レースでは、チームメイト全員が後ろにいて、どんなミスもしたくないから、精神的にもっと負担が掛かるんだよね。このレースでは、特に風の強いコンディションではかなり厳しくなると思うんだ。ル・カステレは、風が強いことで有名で、選手たちはかなり苦労するだろうね。タイトルを争っている9人の選手のことはよく知っているし、彼らが世界チャンピオンになるために必死に戦ってくれることも知っているよ。

勝つためのさまざまな理由:
すべてのライダーが世界チャンピオンになりたいと思っているけど、その理由はそれぞれ違うんだ。ニッコロ・カネパは、世界チャンピオンでキャリアを終えたい。スズキは1位に返り咲きたい。BMWは初めて世界チャンピオンになりたい。と色々理由が違うんだよ。みんながプッシュしてくるだろうね。僕はそう確信しているよ。とてもエキサイティングなレースになると思うよ。

強大なミストラル:
他のサーキットと比べたら、このコースは、ストレスが大きいとは思わない。でも、最終的には24時間走らなければならない。確かにミストラルでは逆風が吹けば、ストレートの終わりで回転数を上げられるかもしれないし、そうなれば少しマネジメントしなければならない。エンジンに少しでも負担を掛けないように、回転数を上げすぎないようにするのは、ライダーの賢さにかかっているんだ。だけど、今ではどのブランドも速く、非常に安定していることがわかっっている。僕は、このコースは他のどのコースよりも問題が起きづらいコースだと思っているんだ。

神話的なレース:
特に僕にとってこのレースは神話的なレースなんだ。子供の頃、父(ミッシェル)と一緒にこのコースに来たとき、このコースに到着する前の終盤の山間部では、いつもと違う感覚を持つんだ。アドレナリンを肌で感じることができる。だからボルドールは、とても神秘的に感じるし、このレースで多くのライダーが優勝できることを願っているよ。勝ったときの感覚は信じられないほど素晴らしいからね。

情報提供元 [ FIM EWC ]

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