ハンネス・スーマー選手は、先月行われたダンロップがタイヤを単独供給するFIM耐久ワールドカップの日本ラウンドで、鈴鹿8時間耐久レースデビュー戦にもかかわらず、素晴らしい活躍を見せ、TONE RT Syncedge 4413 BMWの優勝に貢献した。
日本人ライダーの星野 知也選手、吉田 愛之助選手とパートナーを組んだこのエストニア人ライダーは、大会前の水曜日にテストを行なうまでは鈴鹿での走行は未経験であった。しかし、スーマー選手(26歳)は、5.821kmの鈴鹿サーキットでの経験不足をものともせず、"コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会のスーパーストッククラスで見事優勝を飾った。
Q:"コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会でのスーパーストッククラス優勝は、デビュー戦としては上出来だった?
A:6月の事前テストは、モストで開催されたIDMラウンドの直前だったから、テストに参加できなかったんだ。だから、火曜日にここに来て、なんとか表彰台に上ることができたよ。このサーキットは、車のシミュレーターでしか走ったことがなかったんだ。
オートバイレーサーなら誰でも、ここの表彰台に上がりたいと思っているはずだよ。もちろん、僕たちはスーパーストッククラスだから、その第一歩といったところなんだけど、その上の夢はやっぱり、いつかヨハン・ザルコのように表彰台トップに立つことかな。ここに初めて来て、クラス優勝ができて、とてもとてもうれしいよ。
Q:4月のルマン24時間レースでは印象的な走りを見せたけど、鈴鹿8耐への参戦が決まった経緯は何だった?
A:BMWのおかげでここに来ることができたんだ。紹介はしてくれたけど、ライダーのことを知らないのに、チームがコミットするのは簡単なことではなかったけどね。チームは、素晴らしくて、鈴鹿のスペシャリストでもあるんだ。マシンはスーパーストック仕様のBMWだけど、乗ってみるとヨーロッパで使っているものとはまったく違ったんだよね。だから、僕はただ彼らを信頼して、結果的にそれが功を奏して、レース終盤まで良いベースで走ることができたよ。
Q:レースは簡単だった?
A:レース中盤にパーツを1つ交換しなければならなかったけど、それ以外はトラブルのないレースだったよね。マシンは、ちょうど8時間走れるように整備されていた感じかな。ラスト2周のところで5速と6速の間に二つ目のニュートラルができてしまった感じになったんだけど、運が良かったよね。フィニッシュまで安全に走ることができたよ。気温もかなり悪かったし、脱水症状も問題だった。でもチームには、優秀なスペシャリストがいて、いつ何を食べるべきか、いつ何を飲むべきかを教えてくれたんだ。最初のスティントが一番大変だったけど、2回目のスティントは、ちょっと楽になったよ。
Q:ルマンでのクラッシュでの負傷は完治した?
A:ルマンでのクラッシュは不運だったよね。鎖骨は折れていなかったんだけど、鎖骨に付いている靭帯が損傷していたんだ。今は回復しつつあるよ。体のどの部分でも、負傷すればその部分の筋力は多少低下するからね。でも、それ以外は問題ないよ。
Q:最近は忙しかったようだけど、次の予定は何?
A:機械工学と製品開発の修士課程を終えるのにも忙しかったんだ。でもそれも終わったから、レースに集中できるようになったよ。次のプランは、ルマンと同じようにボルドール24時間レースに出場することなんだ。今週はBMWのファクトリーチームと一緒に過ごして、できる限り彼らをサポートするつもりだよ。恐らくレースでは、Tecmasのヘルプかな。でも、鈴鹿でのクラス優勝は、間違いなく僕のこれまでの成績の中でも上位に入ることだと思っているよ。
オールアクションが展開されるEWC2024年シーズンは、9月12~15日にフランスのポール・リカール・サーキットで開催されるボルドール24時間レースで幕を閉じる。
情報提供元 [ FIM EWC ]