ダン・リンフット選手は、Yoshimura SERT MotulからFIM世界耐久選手権2024年シーズンに参戦するチャンスを得た。

EWCで輝かしい実績を残してきたスズキチームに抜擢されたイギリス人ライダーのリンフット選手(35歳)は、チームメイトのグレッグ・ブラック選手、エティエンヌ・マッソン選手、そしてチームのリザーブライダーである渥美 心選手とともにタイトル争いに絡むことで、このチャンスを最大限に生かそうと決意している。

今週初めにヘレスとバレンシアで行なわれたテストの合間を縫って、リンフット選手は、このEWCのビッグチャンスについて次のように語ってくれた。

Q:昨シーズンの鈴鹿8耐での活躍は、このYoshimura SERT Motulとの2024年シーズンの契約に影響を与えたと思う?
A:鈴鹿で、今のチームと同じようなスペックで同じようなタイヤを履いたマシンに乗って戦ったことは、少なからず、彼らが僕に注目してくれた理由になっているかなと思うよ。それと、自分の全力を発揮できるようなマシンに乗りたかったんだ。それも重要だったかな。去年の鈴鹿で乗ったマシンは、それを可能にしてくれたんだ。そのレースの後、Yoshimura SERTが連絡をくれたんだ。だから僕は『もし機会があればぜひとも』と言ったんだけど、実はその裏でシルバン(ギュントーリ)の離脱に伴うライダー変更があるとは知らなかった。だから、まさに最高の場所で、最高のタイミングだったんだ。

Q:あなたの鈴鹿での活躍には目を見張ったけど、EWCレースの中でも、あの走りは、これまでで最高のものだったんでは?
A:間違いなく、100%そうだと思うよ。最終スティントは、特にそうだったよ。正直に言えば、本当にゾーンに入っていたと思うよ。 スティントを重ねるごとに、マシンやタイヤ、その組み合わせに対して自信を深めていったんだ。各スティントでフィーリングがどんどん良くなっていったし、最終スティントでは表彰台の可能性があったから、毎ラップ100%の力を出し切って走っていたんだ。目標を掴むために最大限の努力をしたよ。表彰台は逃したけど、あれは僕にとって素晴らしい経験だった。マシンとタイヤの組み合わせが適切であれば、耐久パッケージがいかに優れているかということがよくわかったよ。 初めて耐久レースに参戦してからずっと楽しんできたんだし、ここ数年、耐久レースに転向したいと思っていたんだ。だけど、シーズン契約をフルに結ぶことができなかったから、イギリス・スーパーバイクの仕事と並行してEWCにも参戦していたんだ。今シーズンは、本当にうまくいっているんだ。Yoshimura SERT Motulと契約できたからね。彼らは、僕がEWCだけに集中できるチャンスを与えてくれたんだ。

ダン・リンフット:「勝利というプレッシャーは、怖くはない。ワクワクさせてくれるだけ。」

Q:Yoshimura SERT MotulがEWCで成し遂げたことを考えると、プレッシャーはどの程度感じている?
A:4、5年前の僕だったら、「耐久レースのトップチームにはまだふさわしくない」と思っていたかな。でも、今は興奮しているんだ。EWCで自分の可能性を少し示すことができたと思っているんだ。だから勝ちたいんだ。このチームの一員として、3位、4位、5位でフィニッシュしても到底満足はできないからね。僕は勝ちたいんだ。日本やSERTから、レースで勝利を挙げるというプレッシャーがあることを考えると、それは怖いことではないし、僕を奮い立たせてくれるんだ。

Q:これまでのテストでチームには溶け込めた?
A:グレッグとは、2008年にヨーロピアン・スーパーストックで一緒にレースをしていたし、彼は当然ながら英語を話せるからね。その時から知り合いの関係だったんだ。グレッグには申し訳ないんだけど、彼が通訳役になってしまった節はあるよね。何か問題があった時、彼が最初に電話をくれるんだよ。ダミアン(・ソルニエ監督)、日本から来たテクニカル・スタッフ、メカニック達、みんなに会うのは初めてだったから、チームではゼロからのスタートだったよね。でも正直なところ、とても楽しかったよ。もうすでにかなり長い間このチームにいるような気分だったよ。すぐにうまく溶け込めたから、この状態が続くといいね。チームに合流した初日から、だからこのチームはよく機能しているチームなんだってことが理解できたよ。これは、昨日今日でできることではないし、マシンやコミュニケーションにおける発展でもある。正直なところ、テストのためにヘレスに向かっている時は、「チームと会うのは初めてだし、うまくやっていけるかなとか大丈夫かな」って頭の中に答えのない疑問がたくさんあっったんだ。でも、ピットレーンから走り出すとすぐに、マシンのフィーリングがとても良くて、
初日中、ペースが上げることができたし、とても速く走ることができたんだ。だから本当にうれしかったよ。チームは、とても効率的に動いていて、チームからの直接的なプレッシャーはなかったよ。チームは、新しいパーツをいくつか持ってきていて、僕ら全員がそれをテストして、各自がフィードバックしたんだ。最初のテストとしては、正直なところ、これ以上は望めないよね。このプロジェクトに参加してまだ日が浅いからね。最初の経験とフィーリングは、本当に100%満足しているよ。

Q:EWCタイトルが目標であることは言うまでもないが、あなたにとって満足のいくシーズンとは何?
A:シーズンを見ている現時点では、目標は明確だよ。第1戦と第2戦を終えた後、その結果を理解して初めて
現実味を帯びてくると思うんだ、で、その結果次第で調整していこうと思っているよ。でも、僕たちは、決してあきらめないよ。ラウンドは4つしかないし、どのラウンドも100%の力を発揮して勝利を目指さなければならないからね。 でも、耐久戦だから何が起こるかわからないも事実。その時は、何か起こったらその時対応すればいいと思っているよ。でも、僕たちは、勝たなければならないんだ。

FIM世界耐久選手権2024年シーズン開幕戦となるルマン24時間レース第47回大会は、4月18~21日に開催される。チケット情報はこちら

情報提供元 [ FIM EWC ]

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