2022年に100周年を迎え、FIM世界耐久選手権2023年シーズン最終決戦となるボルドール24時間レースは、ポール・リカール・サーキットで開催される30回目の大会となる。
全長5.673kmのコースは、シーズン中で鈴鹿サーキットに次ぐ3番目に長いサーキットではあるものの、そのうちの1.8kmを、壮大なミストラル・ストレートが占めている。
抜きつ抜かれつのスリリングなバトルを演出するこのミストラル・ストレートは、時速300km以上で約20秒間走るため、レーシングバイクには、大きな負担が掛かる場所でもある。
ヤマハチームKM99のラインナップの一人で、昨シーズンのボルドールで表彰台に上ったフランス人ライダー、フロリアン・マリノ選手は、「このレースは、アクセル全開で長いストレートを走るから、マシンにとってはよりタフなものになるんだ。その後は、それほど難しいコースではないんだけど、どこでブレーキングすべきかを知るためには、もっとコースの情報が必要だし、フランス語で言うところのミストラル、つまり風でブレーキングポイントが変わるから、それも良く理解する必要もあるんだ。」
「ドライコンディションなら何とかなるけれど、風がどのように補助してくれるか、どんな時に注意しなければならないかを経験して、理解する必要があるんだよ。」
「長いストレートと風で、首への負担が増すから、ジムで首を鍛えるトレーニングをしているんだ。でも、オーバーテイクする場所がたくさんあるから、楽しいコースだし、レースにはいいと思うんだ。」
ベルギーチームのKM99チームメイト、バスティアン・マッケルズ選手は、こう語った。 「エンジン回転数に集中して、エンジンの最高出力の回転数をキープする必要があるんだけど、長く続けるのは危険。ラップごとに、時間ごとに、少しずつエンジンに気を使わないと、後で痛い目に合うからね。」
昨年のボルドールを制したViltaïs Racingの一員であるドイツ人ライダーのフロリアン・アルト選手は、南アフリカ人ライダーのスティーブン・オデンダール選手、アルゼンチン人ライダーでボルドールルーキーのレアンドロ・メルカド選手とトリオを組み、ホンダマシン #333のシートに座る。彼はすでに厳しいレースを覚悟しているようだ。
「テクニカル的には、16秒か17秒のフルアクセルを要求されるから、エンジンには、本当に厳しいレースなんだよ。」と、アルト選手は語った。「でも、ライダーにとっては、一息つく時間にもなるし、気温とか、他のことに集中することもできるんだ。」
Yoshimura SERT Suzukiのエティエンヌ・マッソン選手は、こう語った。「たくさんのパワーと強靭なエンジンが必要なんだ。アクセル全開で、20秒ほど走れば、タイムを縮めることができるからね。」
Yamalube YART Yamaha EWC Official Teamのカレル・ハニカ選手は、次のように語った。「ストレートで20秒間、6速全開で走るから、(エンジンに)負担をかけないよう、マシンをセットアップする必要があるんだ。」
Team Kawasaki Webike Trickstarのランディ・ド・プニエ選手は、こう付け加えた。「ミストラル・ストレートは、オーバーテイクしやすい場所なんだ。このストレートで、スリップストリームに入れれば、前に出ることができるしね。タイムもコンマ6、7秒縮めることもできるんだ。」
ボルドール24時間レース2022年大会の序盤で、ハイライトとなったフォレス選手のスリップストリームでのオーバーテイク
ボルドール24時間レース第100回記念大会のオープニングラップでは、グレッグ・ブラック選手、マイク・ディ・メリオ選手、シャビ・フォレス選手、マーカス・ライターバーガー選手ら、FIM世界耐久選手権のトップライダーが激しいバトルを繰り広げた。そして、フォレス選手は、ミストラル・ストレートでスリップストリームを駆使し、華麗に3人のライバルをオーバーテイクした。その瞬間は、こちらから。
ボルドール24時間レース第86回大会は、9月14日から17日まで南フランスのポール・リカール・サーキットで開催される。レース観戦の詳細は以下のリンクを参照: https://www.fimewc.com/where-to-watch
情報提供元 [ FIM EWC ]