MotoGPで140戦。ランディ・ド・プニエ選手に関して言えば、経験、実力ともに全く申し分ないと言える。そしてその両方は、FIM世界耐久選手権においても十二分に活かされており、長年にわたってトップランナーとして活躍し、何度も表彰台を獲得している。
その成功のいくつかは、鈴鹿でもたらされたものである。 2023年シーズンの第3戦が開催される鈴鹿では、2014年の8耐にスズキで2位、2017年にはホンダで3位を獲得している。
8月4~6日に開催される"コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース第44回大会では、フランス人ライダーのド・プニエ選手(42歳)は、Team Kawasaki Webike Trickstarのラインアップに加わり、僚友のグレゴリー・ルブラン選手、そして2023年に鈴鹿で表彰台に上った日本人ライダーの渡辺 一樹選手とチームを組み、カワサキ ZX10-RR #11を駆る。そんな彼が我々のインタビューに答えてくれた。
Q:鈴鹿8耐は、EWCレースの中では、長時間レースではないかもしれないが、最もタフなレースの一つと言われている。あなたはそれどう思うう?
「鈴鹿は、本当にタフだよ。まずコース。本当にテクニカルで、休む場所がないんだよ。それから天候。気温と湿度がとても高いんだよ。そして最後に、WSBのライダー達も参加する多くのファクトリーチームもいるし、ホンダやスズキなどの多くのセミワークスマシンがあって、どのチームも本当に優秀なライダーを用意しているんだ。だから『鈴鹿は、たった8時間。されど、最も難しい耐久レース』なんだよ。」
Q:大変なレースだけど、楽しめる?
「楽しいレースなのは間違いないんだけど、それはどのレースでも同じことなんだよ。上位を目指して戦えば、もっと楽しめるし、モチベーションも上がる。だけど、パフォーマンスが上がらないときは、難しいんだよね。 特に、鈴鹿やスパのような体力的に厳しいサーキットではね。」
Q:天候の話が出たが、今月初めのテストでは雨が降った。雨の鈴鹿8耐はどれくらい難しい?
「最悪は、天候がスティントごとに変わることだね。2位でフィニッシュした2014年を思い出すと、1時間ごとに天候が変わっていたよ。 スリックタイヤでスタートしても、40分後にはまた雨が降ってきて、ピットストップしなければならなかったんだ。天候は、大きな問題になり得るから、それをマネージして、クレバーでインテリジェントになる必要があるんだよ。」
Q:特に肉体的な準備に関しては、経験はどの程度重要?
「肉体的な準備ができていれば何とかなる。経験の問題ではないかな。確かに、何をすべきかを知っていたほうがいいに越したことはないけどね。キャメルバックの整理、休憩のタイミング、食事の摂り方とかね。1スティント=1時間だから、すべてのスティントで全力を出す必要があるんだ。だけど、40分を過ぎたあたりで、何人かのライダーがタイムを落としてしまうことを見たことがあるだろう?体力を使い切ってしまったんだよ。これはチームにとって良くないことだから、僕は準備してきているし、そうすることがどれだけ難しいかもわかっているつもりだよ。100パーセントの状態で臨み、ベストを尽くしたなら、それで十分だからね。全レースに万全の状態で臨みたいといつも考えているよ。」
Q:選手たちがミニプールで涼んでいるのを見かけたが、スティント後の回復に最適な方法は何?
「問題は、2人のライダーでレースをしなければならない時なんだ僕は、2度表彰台に上ったけど、実は、2回とも2人だけだったんだ。そんな時は、スティントを終えたら、すぐ、5分くらいの報告や打ち合わせをして、スーツを脱いで、プールでクールダウンして、20分くらい休んで、腹ごしらえをして、また次のスティントに備える。とても忙しいんだよ。」
Q:先月のスパ24時間EWCレースで、グレゴリー・ルブラン選手がTeam Kawasaki Webike Trickstarのラインナップに加わったけど、彼の起用は重要だった?
「それは、とても重要だったよ。というのも、ルマンで分かったんだけど、経験が少ないライダーがいたからね。そこで、経験のあるライダーを起用することになって、グレゴリー・ルブラン選手の起用が最良だろうとなったんだよ。彼は、経験豊富だし、ボルドールでもルマンでも優勝しているからね。スパでも好調だったし。鈴鹿でも、シーズン最終戦のボルドールでも同じような結果、もしくは、もっといい結果が出せるよう頑張るよ。」
Q:ここまでのEWCシーズンをどう見ている?
ルマンでは9位、スパでは5位だったけど、トップチームと戦うことはできなかった。だから僕は、満足していないんだ。鈴鹿での目標は、トップチームとの差を縮めて、ボルドールで彼らと対等に戦うことなんだ。
Q:鈴鹿での目標は?
「トップ10入賞ができれば、立派だと思っているし、現実的だよね。もちろん、より良い結果を手にすることができれば、それはいいことなんだけど、自分たちの置かれたポジションをキープすることが一番重要なんだ。簡単なことではないけど、今は優勝争いをするほどのペースを持っていないことも現実なんだ。」
Q:鈴鹿の雰囲気は特別?
「ルマンにはルマンの強烈な雰囲気があるんだけど、それは、ボルドールでも鈴鹿でも同じだよ。でも、日本の人たちは、ライダーに対して、本当に敬意を払ってくれるし、本当に礼儀正しいんだ。だから鈴鹿に行くのも、そこで走るのもいつも楽しいんだ。」
"コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース第44回大会は、8月6日(日)日本時間11時30分にスタートする。
情報提供元 [ FIM EWC ]