第2戦のスパ24時間EWCレース(6月16~18日)の開催が迫る中、同レースの2022年大会を制したBMW Motorrad World Endurance Teamのジェレミー・ガルノニ選手、イルヤ・ミハルチク選手、マーカス・ライターバーガー選手のライダートリオが、昨年の大勝利を振り返ってくれた。

このベルギーチームは、2022年4月に行われたFIM世界耐久選手権2023年シーズン開幕戦のルマン24時間レースで、リタイアした後、その借りを返すべく2022年6月初旬に開催されたホームラウンドをスタートさせた。そして、EWCが21年ぶりに伝説のサーキット、スパ・フランコルシャンに戻ってくるということで、24時間レース初勝利を目指すこのチームにとって、これ以上ない機会となった。

ガルノニ選手、ミハルチク選手、ライターバーガー選手の活躍はもちろんのこと、BMWの成功には、かつてのライバルであったヴェルナー・デーメン監督率いるBMW Motorrad World Endurance Teamのノウハウと、ダンロップタイヤを装着するBMW M1000RRの信頼性が大きく寄与している。

ミハルチク選手とYART Yamahaのマービン・フリッツ選手は、激しいトップ争いを繰り広げ、18時間後、日本のヤマハチームがトップに立った。しかし、フリッツ選手のチームメイトであるニッコロ・カネパ選手がYZF-R1 #7に搭乗している時、エンジントラブルが発生し、リタイアとなってしまったため、BMWは、EWC24時間レースで初優勝を飾り、2021年10月に行われたモスト6時間レースに続く選手権優勝を挙げた。

コース上のオイル流出による長時間の中断の後、ウェット・コンディションで再開されたスパのレースを完走する役割を担ったガルノニ選手は、#37 BMWに乗ってチェッカー・フラッグを受けた瞬間をはっきりと覚えている。

「僕は、BMWとは1年目だったし、彼らは(EWCの)24時間レースで勝ったことがなかったから、彼らにとっても僕にとっても感慨深いものがあったよ。」と、ガルノニ選手は語る。「クルーチーフに『レースを完走しなければならない』と言われたのを覚えているよ。でも、雨の中、しかも残り28分という状況で、ストレスもあったし、いいプレッシャーも感じていたんだ。クルーチーフには、『僕と一緒なら24時間レースで勝てるよ。』なんて話をしていたんだけど、それが現実になったので、僕の予想は当たったよ。」

フリッツとのトップ争いについて、ウクライナ人ライダーのミハルチク選手はこう語った。「マービンとのバトルは、本当に良かった。IDMでは彼と過去に何度かバトルをしていて、1レースは僕が買って、1レースは彼に負けたんだ。今回が3回目のバトルだったけど、本当によかった。ライディングも、この巧みなオーバーテイクも、それぞれ楽しんでいたよ。チームのホームコースで勝てたんだから、特別なことだよ。ルマンでの不運の後、僕たちは、初めての24時間レースで優勝して、チームが機能していることを証明することができたんだ。」

ライターバーガー選手は、EWC史上最も接近したフィニッシュとなったモスト6時間レースで、BMWが0.070秒差で優勝したときのマシン#37に乗っていた。しかし、FIM世界耐久選手権の24時間レースでの初勝利は、このドイツ人にとって「特別な瞬間」だったと語る。

「とても特別な瞬間だったよ。」と、ライターバーガー選手は語り始めた。確かに、特に最後の方では、天候の関係で難しかったよ。チームメイトと一緒に、初めて24時間レースで優勝できたことは、とても誇らしくて、幸せだったんだ。だけど、この勝利は、チームのものであり、彼らはこの数年の努力は、このレースでの勝利に値すると思っているよ。最速ではなかったかもしれないけど、ミスはなかったし、技術的な面でもうまくいっていた。

ヴェルナー・デーメン監督は、EWCのホームラウンドで、BMW Motorrad World Endurance Teamを勝利に導いたことは、「夢のような出来事だった」と語った。FIM耐久選手権ライダーからチーム監督に転身した彼は、次のように語った。「レースは信じられないほど素晴らしかったね。最初の1時間は、まるでスーパーバイクのスプリントのようで、とても緊張したよ。そして残りの時間も、みんなはとてもいい仕事をしてくれたよ。ミスをしなかったのは我々だけだったと思うよ。最速ではなかったかもしれないけど、ミスはしなかったし、耐久レースではそれが最終的に実を結ぶんだ。

終盤は8周のギャップを保って走った。夢が実現した。 20年前に "一度は勝ちに来る "と言ったベルギー人としては、夢のような話だ。これは誰にも奪えないものなんだ。チーム、BMW、そしてこれを可能にしてくれたすべてのパートナーやスポンサーに、心から感謝するよ。彼らなしにはレースはできないからね。そして、特に素晴らしい仕事をしたライダーたちに心から感謝したいと思う。」

チケット販売中
www.24hspamotos.comのチケット専用セクションでは、スパ24時間EWCレース第2回大会での幅広い予算と要望に応えるチケットパッケージを販売している。現在、3日間入場券を前売り価格:79ユーロ、金曜日のみ入場券:40ユーロ、日曜日のみ入場券:40ユーロで販売している。16歳以下のお子様は無料で入場できる。FAN ZONE(ファン・ゾーン)へのアクセスのほか、3日間入場券と金曜日のみ入場券には、パドックとグランドスタンドへのアクセス、観客席テラスとバンクへのアクセス、ライダーとのふれあいエリア、ピットレーンウォークが含まれている。 また、様々なVIPチケットも用意されており、サーキット周辺の2カ所のキャンプ施設が利用できるキャンピングチケットも販売されている。

主要タイムスケジュール(予定、時間はすべてCET)
6月16日(金):
10:00~11:00 フリー走行
12:00~14:00 予選1回目
15:00~17:00 予選2回目
21:00~23:00 夜間走行練習
6月17日(土):
14:00 スパ24時間EWCレーススタート

情報提供元 [ FIM EWC ]

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