エティエンヌ・マッソン選手がFIM世界耐久選手権でスズキチームに復帰するという出来事は、このフランス人トップライダーにとっては、有り得るシナリオだった。
2015年、2016年、2019-20年にEWCタイトルを獲得したSuzuki Endurance Racing Team(現Yoshimura SERT Motul)の一員であったマッソン選手は、2023年、スズキチームに復帰し、エティエンヌ・マッソン選手、シルバン・ギュントーリ選手とともに、ルマン24時間レースに参戦することになった。
イギリス生まれのフランス人ライダーであるブラック選手が、GSX-R1000R #12を駆り、EWC開幕戦のポールポジションを獲得したものの、1週目のダンロップ・シケインへアプローチする際、ジョシュ・フック選手と接触し、大クラッシュしたため、マッソン選手とチームメイトは、勝利への望みを絶たれてしまった。
「もちろん、残念だと思っているよ。」とマッソン選手は、レース後に語った。「グレッグが転倒した後、少しでもポジションを上げて、ポイントを獲得できるように気持ちを切り替えて、モチベーションを高めたんだ。修理されたマシンは、復帰後の序盤は細ちょっとした調整が必要だったけど、その後すぐにリズムをつかむことができて、良いペースで走行することができた。その後は順調だったけど、翌日の正午頃にまた運悪く転倒してしまった。それでもチャンピオンシップのポイントは稼ぐことができた。本来、僕たちは優勝を目指せる実力を持っているチームだから、この状況でもしっかりとポイントを確保できたことを自信に、次のスパに向けて、しっかり準備していこうと思うよ。」
Yoshimura SERT Motulの加藤陽平監督は次のように語った。「とても難しいレースで、我々が望んでいたような結果ではないんだよ。このルマンでどうしても勝ちたかったんだけど、ルマン24時間レース3連覇への挑戦は、残念ながら1周目の1コーナーで、実質終わってしまった。他車との接触による転倒だけど、これもレースの一部なんだ。GSX-R1000Rは、大きなダメージを受けていたんだけど、我々のクルーは、驚異的なチームワークを発揮して、修復時間17分でマシンをコースに戻す事ができたよ。」
「それ後も、チーム全員が今年、チャンピオンシップ奪還の為に、高いモチベーションを切らす事無く戦い続けてくれて、7位まで順位を押し上げることができた。その順位によるポイントと、予選ポールポジションでの5ポイントと合わせて、なんとか23ポイントを獲得する事ができた。チャンピオンシップは、まだ始まったばかりだし、今年こそは優勝を奪還したいと思っているよ。チーム全員で前を向いて、このヨシムラチューンのスズキGSX-R1000Rの素晴らしいパフォーマンスで、初戦で逃したポイントを取り返しに行くよ。」
「スポンサー、ライダー、クルー、ヘルパー、そして応援してくれたファンの皆さんに感謝したいと思う。レース中もたくさんの温かいメッセージをいただいて、とても助かったよ。」
情報提供元 [ FIM EWC ]