Ewc-24-H-Spa-202-YOSHIMURA SERT MOTUL, Black Gregg, Simeon Xavier, Guintoli Sylvain, Watanabe Kazuki, Suzuki GSXR 1000, Formula EWC

Yoshimura SERT Motulのグレッグ・ブラック選手とチームメイトは、FIM世界耐久選手権2022年シーズンで3シーズン連覇を目指していたが、あと一歩及ばなかった。

しかし、このイギリス生まれのフランス人ライダー、グレッグ選手(34歳)は、スズキ GSX-R1000Rに改良を加え、経験豊富なエティエンヌ・マッソン選手をチームメイトに迎え入れたことによって、2023年のタイトル争いに加わることができると確信しているようだようだ。彼とのインタビューは次の通りだ。

Q:2023年のEWCシーズン開幕まであと1カ月余りとなったが、調子はどう?
「調子はいいよ。バイクに乗るのが楽しみだよ昨年11月に日本のもてぎで少しテストをしたんだけど、それ以来、ちゃんとバイクに乗っていないんだよ。その前はボルドールだったから、ずいぶん時間が経ってしまっているね。去年は、2月にバイクのテストを行って、1カ月半ほど乗らずにルマンに臨んだんだ。今年は、ヘレスでブリヂストンタイヤのテストを行って、3月末にルマンで事前テスト、そしてレースと、一気にやっていくから、いい感じで行けそうだよ。」

Q:今シーズンは、ここまでテストをしていないが、忙しかったと言っていいのではないか?
「スペインに行って、フランス人ライダーや知り合いのスペイン人ライダーと一緒にトレーニングをしてきたんだ。冬の間に通常2、3回行くんだけど、今回は1ヶ月ほどスペインに行き、かなり走り込んできたよ。SERTのクライアントプロジェクトにも取り組んでいるしね。それに、私の友人でフラットトラックの世界チャンピオンであるジェラール・バイロ選手と一緒にトレーニングをしたり、エンデューロを走ったり、サイクリングもしたりと、かなり忙しかったね。EWCレースは4戦しかないけど、僕たちライダーは、忙しく走り続けることでスピード感を保つことが重要なんだ。」

Q:今年からチームメイトにエティエンヌ・マッソン選手が加わりますが、
彼はYoshimura SERT Motulに何をもたらしてくれる?「エティエンヌのことはもう何年も前から知っているんだ。2013年頃から一緒に走り始めて、スズキジュニアチームでも一緒で、僕が2017年にSERTに移ったときには、すでに彼はSERTで走っていたんだ。彼の強みは、耐久レースでの経験とても豊富で、集中力があって、頼れるライダーなんだ。それは耐久レースでは重要なことなんだよ。彼と一緒だと、朝の4時にチームメイトのことや物事の進み具合に疑問を持つ必要がないんだよ。それに、チームスピリットの面でも仲良くなりやすいんだ。これらのことから、彼はチームにとって素晴らしい要素であり、強い存在なんだよ。」

Q:新しいマシンと新しいタイヤに適応するのは、彼にとってどれほど大変なことなのか?
「彼は2020年末にSERTを離れたけど、バイクは以前のものにとてもよく似ているんだよ。もちろん、新しいパーツや新しいものもあるけど、おおむね以前とまったく同じマシンなんだ。もちろん、主な違いはタイヤなんだけどね。ダンロップからブリヂストンへスイッチしたけど、それには適応する必要があるね。僕自身もそうしてきたし、経験豊富なライダーなら問題なく対応できるはずだよ。」

Q:今シーズンのマシンの変更点は?
「バイクにはいくつかのテクニカル的な改良が施されていて、去年までのような低ポイントを克服できるような、新しい改良点もあるんだ。チームは冬の間、マシンを微調整できる新しいパーツを作るために懸命に働いてきてくれたんだ。一段と良いマシンになっていることを期待しているよ。」

Q:EWCの競争はますます激しくなっているが、2023年のレベルについてどう思う?
「年々、レベルが上がっているのは確かなんだ。今のところ、ラップタイムはどんどん速くなっているしね。タイヤも良くなって、バイクの性能もどんどん良くなっている。だから、EWCの今のレベルは、僕たちライダーにとって、どれだけ速く走れるかを確認するのに適しているともうよ。もちろん、すべてのライダーが全力で走っているし、すべてのメーカーがマシンを改良しようとしているから、今シーズンも厳しい戦いになるだろうと思うよ。だけど、僕たちのチームが最も経験豊富なチームであり、マシンも最も信頼できるマシンでもあるんだ。それは、チャンピオンシップを勝ち取るために必要な最重要項目であることは変わりはないんだ。」

Q:2022年シーズンのボルドールでの結果は残念だったが、それを乗り越えるのは大変だった?
「翌日には吹っ切ることができたよ。2019年の鈴鹿でエンジントラブルがあったんだ。その日はチャンピオンになれるはずだったんだけど、終了7分前にエンジンブローしてしまって、勝てなかったんだ。その時は本当に残念で、辛くて。その時はそれを乗り越えるのに時間が掛ったね。2022年のレースでは、すべてのレースで強いパフォーマンスを発揮できたことが大きな収穫だったかな。スパではギアボックス、ボルドールではエンジンに問題が発生したんだけど、予選も決勝も好調で、ラップタイムも良かったし、チームもチームメイトも強かった。優勝はできなかったけど、優勝する力は十分にあったのだから、そのことを忘れてはいけないと思うんだ。もう少しマシンの信頼性を高めることができれば、またチャンピオンシップを争うことができると思うよ。」

Q:猛暑の中、2人だけで戦った鈴鹿8耐での走りが特に印象に残ってるのでは?
「確かに、(渡辺)一樹と僕の2人だけでバイクに乗り、あんなに強い走りができたからね。このレースはとても難しいレースだったし、その中で力を発揮するのはいつも難しいんだけど、この年初めてそのレースで力を発揮できたと思っているんだ。チャンピオンシップのポジションを守ることができるマシンとタイヤを手に入れることができて、本当にうれしかったよ。なんとか少しの間だけリードして先頭でバトルしていたけど、そうしたらいつの間にか、僕たち2人だけになってしまった。3位でフィニッシュできたのは、とても良かったし、最高のライディングのひとつだと思っているよ。この時のライディングとルマンでのライディングもとても良かったから、良い思い出になったよ。ルマンでは、かかとを骨折してしまって、ちょっときつかったんだけどね。」

Q:2023年もYoshimura SERT Motulのラインナップの中心を担うシルバン・ギュントーリ選手は、冬の間、カーレースをこなしているようですが、
カーレースは魅力的?「彼とその話をしたことがあるんだ。僕はどんなレースも好きだし、カーレースはもうちょっとしたらやってもいいかなと思うよ。今のところは、今の僕のメインの仕事であるバイクに集中しているけどね。僕も数年後にはそうなるんだけど、シルヴァンは、キャリアの第2ステージに差し掛かっているからね。だから彼は、カーレースの道に進んでいるんだと思うよ。とても面白いし、見た目もカッコイイから、ぜひやってみたいね。」

Q:新人の頃、尊敬していたライダーは誰?
"「僕は今までそういうライダーがいなくて、『ロッシは神様だ』とか、そういうことも言ったことがないんだよね。
だけど、どんなライダーでも学ぶところだあって、彼らのやり方を理解しようと常に心がけてきたよ。"私がレースを見始めたころは、マイケル・ドゥーハンの時代で、彼をよく見て、その方法を学ぼうとしたんだ。もちろん、ビアッジやロッシ、最近ではマルク・マルケスとか、尊敬するライダーはいるし、彼らのやり方を学ぼうとすることもあるよ。だけど、「なりたい」と夢見るような人物ではなかったかな。僕にとって、彼らがどうやって仕事の質を保って、どうやってキャリアを管理していくかが重要なポイントだったよ。」

Q:知らない人達のために、あなたの英語名とイースト・ミッドランズ訛りはどこから来たのか教えてもらえる?
「僕は、イギリスのダービーシャーで生まれたんだ。ダービーだね。僕が3歳の時、両親とフランスのボルドーから1時間半ほどのところに移り住んだんだ。それ以来ずっとそこに住んでいるよ。二人ともイギリス人だから、父や母とはいつも英語で話しているんだけど、それが訛りの原因なのかな。」

FIM世界耐久選手権2023年シーズン・レーススケジュール最新版
第1戦(開幕戦):ルマン24時間レース(フランス、ルマン、ブガッティ・サーキット)2023年4月13日〜16日
第2戦:スパ24時間EWCレース(ベルギー、スパ・フランコルシャン・サーキット)2023年6月16日〜18日
第3戦:鈴鹿8時間レース(日本・鈴鹿サーキット)2023年8月4日〜6日
第4戦(最終戦):ボルドール24時間レース(フランス、ポール・リカール・サーキット) 2023年9月14日〜17日

グレッグ・ブラック選手について:https://www.fimewc.com/driver/gregg-black/

Original Source [ FIM EWC ]

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