FIM世界耐久選手権2022年シーズン第3戦、"コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレースは、Team HRC #33を先頭に、YART - Yamaha Official Team EWC #7がEWC参戦組を牽引し、中盤戦に突入している。
レース前の1週間は、雲で灰色の空が広がり、霞んだり、雨の日が続いた。しかし、決勝レース当日は、絵に描いたような青空と雲のコントラストが美しい夏空の下、ライダーたちはルマン式スタートから、バイクに飛び乗り、レースをスタートさせた。
ほとんどのライダーとマシンは、素晴らしいスタートを切ったが、ニッコロ・カネパ選手が搭乗するヤマハ YZF-R1 #7は出遅れ、22位まで順位を落とした。一方、Yoshimura SERT MotulのGSX-R1000R #1を駆るグレッグ・ブラック選手はは、1周目に4位まで順位を上げる大健闘を見せた。
1周目が終わるやいなや、Astemo Honda Dream SI RacingのCBR1000RR-R #17を駆る作本輝介がT13で転倒し、SDG Honda RacingのCBR1000RR-Rに搭乗する浦本修充選手がこれに巻き込まれる形となり、決勝レースで初めてセーフティカーが導入された。両チームにとって夢のようなレースが一瞬で悪夢と化す不運なレース終了となった。
2台のマシンの回収とセーフティーバリアの修復が必要なため、7周のセーフティカーが導入されたが、セーフティーカーのホンダNSXに続き、#33、そしてジョシュ・フック選手がオープニングスティントを担当したFCC TSR CBR1000RR-R Fireblade #5、スタートを担当したレオン・ハスラム選手が乗るKawasaki Racing Team Suzuka 8H ZX-10R #10に続いて、SERT、そしてイルヤ・ミハルチク選手が乗るBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMのM1000RR #37の順で走行した。
セーフティカー導入が解除され、再スタート後は、グレッグ選手、高橋選手、レオン選手の3台で激しいトップ争いが展開されたが、HRCがペース取り戻したところで、リードを広げ始める。
序盤の駆け引きは終わると、今度は誰が先にピットインするかという戦略的な問題が注目され始めた。答えはYARTだった。ニッコロ選手は、10周目に10位、その1周後に7位、14周目には3位と、出遅れを挽回する素晴らしい走りを見せた。
そして、26周目に入ると、ニッコロ選手はピットに戻り。マービン・フリッツ選手にバトンをタッチした。これが決勝レースでの初のピットストップとなった。そして、次に#5のマイク選手がジョシュ選手に、そしてSERTのグレッグ選手が渡辺選手に、28周目には#33HRCの高橋選手から長島選手に交代している。
HRCがピットインしたことで、カワサキ #10が1周リードした後、こちらもピットイン。燃費戦略による駆け引きであることは明白だった。
Webike SRC Kawasaki France #11にとって考慮すべきは燃料消費量だけではなかった。ランディ・ド・プニエ選手がデグナー2で低速で転倒し、ピットに戻り、フロリアン・マリノ選手がコースに復帰するまでに7分間を要してしまった。
開始から2時間経過時点で2回目のセーフティーカーが導入された。#51が転倒し、マシンから出火したのだ。ライダーは無事だったが、マシンが軽い火傷を負った。Honda #5は、ブレーキマスターシリンダー交換のためのピットストップが長引き、2人のライダーは順位を下げてしまった。
8時間の半分が過ぎようとした直前には、さらなるドラマが待っていた。BMW M1000RR #37がオーバーヒートし、イルヤ・ミハルチク選手はピットまでマシンを押して戻った。この熱さでは無理もないが、そのせいで、ライダーもオーバーヒート寸前であった。一方、ジョナサン・レイ選手はシケイン進入で周回遅れの集団をかわす際、転倒をしてしまった。しかし、ジョナサン選手はすぐさまレースに復帰した。すぐ後ろを走っていたYART もライダーチェンジのためピットイン、その結果順位が入れ替わった。一方、BMWはクーラントリテンションの問題が解決されず、残念ながらリタイアとなった。
レース後半に入り、HRC #33はカワサキ #10をリードし、SERT Suzuki #1は、YART Yamaha #7の前を走っている。
Scores on the doors at half time
情報提供元 [ FIM EWC ]