伝統あるスパ・フランコルシャン・サーキットで行われているスパ24時間EWCレースの優勝争いは、Yoshimura SERT MotulとF.C.C. TSR Honda Franceが共にトップを走りながらもトラブルに見舞われ、一夜にして逆転されてしまった。

Yoshimura SERT Motulは、FIM世界耐久選手権で10時間にわたる壮絶な戦いの中、トップに立っていたが、シルバン・ギュントーリ選手のスティント時、クラッチとギアボックスにトラブルを抱え、ブリヂストンタイヤを装着するスズキ GSX-R1000Rは、その交換のためにピットに入ることを余儀なくされた。この作業には25分以上かかり、ベルギー人ライダー、ザビエル・シメオン選手の優勝への望みは絶たれた。

F.C.C. TSR Honda Franceは、同じ日本チームを襲った不幸に乗じて首位に立ったが、15時間経過後、ジノ・レイ選手のスティント時、CBR1000RR Fireblade SPのチェーンが切れ、今度はF.C.C. TSR Honda Franceが絶望的な状況を迎えた。その結果、イギリス人ライダージノ選手は、マシンをピットまで押して戻るしかなかった。この遅れに加え、修理に費やした15分で、F.C.C. TSR Honda Franceは10位まで順位を落としてしまった。

ジノ選手はこう語った。「信じられないよ。レース中、チームのみんなは一生懸命働いて、素晴らしい仕事をしてくれたのに。スズキにも起きたように、何が起こるかわからないのが耐久レースなんだけどね。でも、チェーンが外れるというのは本当に盲点だったよ。本当に悔しいよ。とにかくレースを続けて結果を出すしかないけど、望んでいた結果は難しいね。」

ベルギーに拠点を置くBMW Motorrad World Endurance Teamは、ブレーキの小さな問題が起きたが、このような大きな問題もなく、8時間のレースを残し、YART Yamaha Official Team EWCに1分21秒764の差をつけて地元ラウンドのEWCレースでリードしている。

イルヤ・ミハルチク選手は、次のボーナスポイントが与えられる16時間経過の20分前に、ダンロップタイヤを装着するBMW M1000RRをマーカス・ライターバーガー選手から引き継ぎ、首位を走っている。ウクライナのライダーはこう語った。「(メカニカルトラブルがなかったのは)運がよかったとしか言いようがない。ルマンではそれがなかったけど、残り8時間の時点で、未だ1位を争っているかのようだね。マシンも問題なさそうだし、良好な状態をキープできているんだ。全体的には満足しているけど、さてどうなることやら...。

3時間経過後に、スピードセンサーの交換で4分間のピットストップを行ったYARTが、再び優勝争いに加わることができたのは、ライダーのニッコロ・カネパ選手、マービン・フリッツ選手、そしてポールシッターのカレル・ハニカ選手の努力による賜物で、驚くべき成果である。

カワサキマシンを駆るTati Team Beringer Racingは3位につけ、Wójcik Racing Team EWC 77が4位を走行しているが、8時間経過後にトップとなり10ポイントのボーナスポイントを獲得したYoshimura SERT Motulが回復しつつあるため、後方から強いプレッシャーをかけられている。

Team 33 Louit April Motoは、ケビン・カリア選手が12時間経過後にギアボックスの問題を報告したものの、ダンロップ・スーパーストック・トロフィーFIM耐久ワールドカップでトップに立ち、総合でも6位を走っている。このクラスでは、Team 18 Sapeurs Pompiers CMS Motobaseが2位、Team LH Racingが3位につけている。OG Motorsport by Sarazinは4位で、Falcon Racingがこれに続いている。

National Motosは首位争いに加わっていたが、石でホンダマシンのラジエーターを損傷し、エンジンがオーバーヒートしたためリタイアとなった。No Limits Motor Teamは、「技術的な問題」で予定外のピットストップを2回行い、8時間経過前にステファン・ヒル選手が転倒したことでさらにチャンスを逃した。

ポールポジションのWójcik Racing Team STK 777 Yamahaは、ダニー・ウェッブ選手が最初のスティントで早くも転倒を喫していた。BMRT 3D Maxxess Neversは相次ぐ遅れのため、戦線から脱落した。今朝方、3ART Best of Bikeのクラッシュにより2度目のセーフティカーが導入された。5時間経過前にも、JMA Racing Action Bikeの事故により1度目のセーフティカーが導入されている。JMAチームのスズキマシンは一時、炎に包まれたが、大規模な修理によってレースは続行されている。

ランディ・ド・プニエ選手がスタートから2時間半後にクラッシュし、Webike SRC Kawasaki Franceにとって心痛の出来事となった。フロリアン・マリノ選手は、スタートからラ・ソースまで先頭を走るなど、オープニングアワーでは、上位5台によるトップ争いに加わっていたが、彼のスティント終了間際にシケインで他の選手と接触、転倒し、好成績への望みはここで遠ざかっていった。ZX-10RRの修復に3分以上を費やした後、エティエンヌ・マッソン選手のスティントが始まったが、エティエンヌ選手もブレーキトラブルでシケインで転倒。そのため、6分の遅れが出ていたが、ランディ選手の転倒により、この悲惨な午後に拍車をかけた。一方、フロリアン選手は転倒後、病院に運ばれ、メディカルチェックを受けた。

ERC Endurance-Ducatiは、燃料ポンプのトラブルにより、レース序盤に予定外のピットストップを余儀なくされ、早くも出鼻をくじかれた。スタートで出遅れたシャビ・フォレス選手に続いての出来事だった。しかし、夜になって再び問題が発生したため、チームはリタイアを余儀なくされた。

16時間後のポイント
12時間から24時間のEWCレースでは、フォーミュラEWCクラスとダンロップ・スーパーストック・トロフィークラスに8時間と16時間後にボーナスポイントが与えられる。16時間経過後のポイントは、各カテゴリー上位10チームに上位から10-9-8-7-6-5-4-3-2-1ポイントが付与される。

情報提供元 [ FIM EWC ]

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