Yoshimura SERT Motulは、ルマン24時間レースで2連覇を達成し、FIM世界耐久選手権タイトルの防衛を華々しく開始した。

2年間の新型コロナウイルス感染症の規制が行われた後、合計62000人の観客を集めたこの第45回大会で、グレッグ・ブラック選手、シルバン・ギュントーリ選手、ザビエル・シメオン選手の3人のライダーは、ル・マンを拠点とするチームの一員として、第45回大会の優勝に貢献しました。

このトリオは常に速く、安定しており、完璧なコンビネーションを発揮した。唯一の不安は、土曜日の午後、セーフティカーが入った際にブリヂストン装着のスズキGSXR-1000が燃料切れを起こしたことくらいだった。

しかし、この結果は、Yoshimura SERT Motulのプロ意識と24時間にわたる入念な準備、そしてピットレーンのいたるところで見られる、ボランティアを中心とした人間のたゆまぬ努力を反映したものでもあった。

先月のルマン事前テストでかかとを骨折したにもかかわらず、伝統のルマン式スタートを切った、イギリス生まれのフランス人ライダー、グレッグ選手は、「信じられないような勝利で、去年よりずっと大変だった。」と語った。
「他のチームもとても速かったから、僕たちは24時間を通して、プッシュし続けなければならなかった。だからスティントは激しく、速く行われて、ペースは本当に速かったんだ。チームメイトも素晴らしい仕事をしてくれたからね、本当にうれしいし、誇りに思うよ。」

Yoshimura SERT Motulの加藤陽平監督は、次のように語った。「昨年はルマン24時間レースとボルドール24時間レースで優勝したけど、今年は24時間レースが3つある。マシンの開発からチームワークまで、24時間レースをベースに取り組んできたから、今回の優勝で、チーム、マシン、ライダーにとても満足しているんだ。」

YART - Yamaha Official Team EWCは、金曜日の予選2回目でカレル・ハニカ選手がラップレコードを更新し、3年連続のポールポジションでEWC開幕戦に臨みんだ。しかし、スタートでヤマハYZF-R1のエンジンがかからないというハプニングが発生。チェコ人ライダー のカレル選手は、チームメイトのニッコロ・カネパ選手、マービン・フリッツ選手とともに果敢に攻め続け、2位でチェッカーを受けた。しかし、スタート時の問題はレース中も障害となったようだ。

マイク・ディ・メリオ選手、ジョシュ・フック選手、ジノ・レイ選手のライダートリオを擁するF.C.C. TSR Honda Franceは、8時間後に一時トップに立ったが、壊れたギアシフターとサイレンサーの交換のためにピットストップを行い、すぐに後退してしまった。さらにライドスルーペナルティや日曜日の朝には新加入のジノ選手が転倒してしまい、ホンダ CBR1000RR-Rをピットに戻し、修理を行った。この遅れが原因でF.C.C. TSR Honda Franceは一時表彰台から外れたが、その後すぐにそのポジションを取り戻した。

Viltaïs Racing Igolは、最高位3位まで浮上し、プライベートチームのトップとして4位につけていたが、技術的なトラブルによりリタイアとなった。

Team 18 Sapeurs Pompiers CMS Motostoreは、オイルフィルターの破損による遅れを取り戻し、ダンロップ・スーパーストック・トロフィーのポールポジションから総合4位を獲得した。しかし、BMRT 3D Maxxess Nevers、National Motos、No Limits Motor Team、Team 33 Louit April Motoの上位3チームが接戦を繰り広げるという展開になり、このチーム達がカテゴリーの上位を占めた。このレースは、小規模で資金力のないチームによって争われるダンロップ・スーパーストック・トロフィーの究極の宣伝となった。

No Limits Motor Teamは、終盤、National Motosと33Louit April Motoと順位争いで激戦を繰り広げたが、最終的にはこの2チームを抑え、ダンロップスーパーストックトロフィー2位、総合5位でを終了した。カワサキマシンを擁するフォーミュラEWCチームのTeam Bolliger Switzerlandが8位、それに続き、Pitlane EnduranceとTeam LH Racingがトップ10に名を連ねる結果となった。

ERC Endurance Ducatiは、7時間経過したあたりで、シャビ・フォレス選手がバックマーカーをかわす際に転倒し、長時間のピットストップを余儀なくされ、11位に留まった。

Wójcik Racing Teamは、マシントラブルとアクシデントにより、ヤマハ#77号車をリタイアさせざるを得なかった。BMW Motorrad World Endurance Teamは、ラジエーターに穴が開くというトラブルに見舞われ、表彰台獲得という夢が潰えてしまった。

Webike SRC Kawasaki Franceは、途中まで表彰台獲得への希望を残していたが、夜間に1時間以上のピット作業を余儀なくされ、その望みは絶たれた。

土曜日のレース開始直後、クリストファー・セニョール選手は、動きが遅かったブラッドリー・スミス選手と接触するなど、劇的なスタートとなった。クリストファー選手は歩いてピットに戻ったが、元MotoGPライダーのブラッドリー選手は、後部に大きな衝撃を受けたため、セーフティカーが導入された際に、コース脇ですぐに応急措置を受け、精密検査を受けるため、そのまま病院に搬送された。ブラッドリー選手に大きな怪我はなかったが、しばらくは病院で様子を見ることになった。ブラッドリー選手が所属していたMOTO AINは、懸命にダメージの修復に努めたが、復帰後のヤマハマシンは完璧なコンデションではなく、また、24時間をフルに走れるライダーが2人だけになったため、撤退という厳しい決断を下すことになった。

ライダーのコメント
フォーミュラEWC、シルバン・ギュントーリ選手(Yoshimura SERT Motul):
「ライバルたちのペースも速くて、ずっと攻め続けなければならなかったから、今回本当に疲れたよ。24時間フルスピードで、僅差でレースをコントロールしなければならなかったけど、なんとかこの大きなトロフィーを持って帰ることが来たよ。耐久レースはチームスポーツ。技術面でもチームメイトのみんながいなければ、何も達成できないんだ。だから、このチームの一員であることはとてもラッキーなことだと思っているよ。僕たちはよくやって退けたし、この状態を持続させたいよね。」

ダンロップ・スーパーストック・トロフィー:フィリップ・スタインマイヤー選手(Team 18 Sapeurs Pompiers CMS Motostore):
「本当にうれしいよ。夢が叶った感じで、チーム全体も本当によく頑張ってくれたと思うよ。ピットインも速かったし、チームメイトもとても速くて、夜に失ったタイムを取り戻すことができた。今までで一番厳しいレースで、本当に大変だったけれど、優勝できて本当にうれしいよ。」

次のレースは、6月2日-5日に開催されるスパ24時間EWCレースだ
かつてEWCレーススケジュールの主役であったリエージュ24時間レースの精神を復活させたスパ24時間EWCレースが、2001年以降初めてとなる国際レベルの二輪レースとして開催される。この象徴的なサーキットは、EWCの復活のためにFIMとFMBによって、安全面での大幅な改善が施された。FIAの承認を受け、いくつかのコーナーでのランオフエリアの拡大、あるセクションにおける安全バリアの再配置、そして二輪レース専用となるターン9の再調整など、カーレースの要件に沿った変更が行われた。詳細はこちら: https://www.24hspamotos.com/en/

情報提供元 [ FIM EWC ]

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