YART – Yamaha Official Team EWCは、FIM世界耐久選手権2022年シーズン第1戦のルマン24時間レースにおいて、3年連続となる暫定ポールポジションを獲得した。
2022年シーズンの予選では、従来のライダー3人の平均タイムではなく、各チーム上位2人の平均タイムで競われるため、明日(土)15時(中央ヨーロッパ時間)にスタートする決勝レースでは、カレル・ハニカ選手(チェコ)とマービン・フリッツ選手(ドイツ)のラップタイムが採用され、それに際し、どのチームが上位に並ぶか決定した。
ゼッケン#7のヤマハ YZF-R1に搭乗したカレル選手は、1分34秒878のタイムを記録し、4.185kmのブガッティ・サーキットを1分35秒を切るタイムで周回した唯一のライダーとなった。これは、ランディ・ド・プニエ選手が2017年にカワサキで記録したルマンでの予選ベストタイム1分35秒730を悠々と超えるものだった。レッドライダーのセッションで、ニッコロ・カネパ選手(イタリア)がピットインする直前の周回に低速で転倒するというアクシデントが発生したにもかかわらず、YARTは、平均1分35秒080でポールポジションを獲得することに成功したのだ。
カレル選手(26)は、「チームのことを本当に誇りに思うよ。チームが完璧なマシンを用意してくれたおかげで、完璧なラップができたんだ。再びポールポジションを獲得できてうれしいよ。」と語った。「冬の間、一生懸命に練習してきた甲斐があったよ。ここでのペースもとても良かった。
僕にとっては最高のラップだった。完璧なタイミング、完璧なマシン、完璧なタイヤ。準備してくれたチームに感謝している。僕たちはいつも、もっと上を目指すことは可能だと言っているしね。だから、来年はきっと、僕たちの誰かがそれを証明してくれると思うよ。でも今は、本当に幸せなんだよ。チームメイトは素晴らしい仕事をしてくれるし、彼らとともに僕は毎日何かしらを学んでいるんだ。再びポールポジションを獲得できたことは、本当に素晴らしいことだよね。」
2022年のルマン24時間レースで優勝し、EWCのディフェンディングチャンピオンであるYoshimura SERT Motulは、F.C.C. TSR Honda France、BMW Motorrad World Endurance Team、ERC Endurance-Ducatiを抑え、2位を獲得した。インディペンデント・トロフィーのトップはWójcik Racing Teamで6位、次いでTeam MOTO AIN、Webike SRC Kawasaki France、Viltaïs Racing Igol、Team 18 Sapeurs Pompiers CMS Motostoreと続き、ダンロップ・スーパーストック・トロフィーに出場するチームでは、EWCクラスのTati Team Beringer RacingがNational Motosを抑え、11位と順位を上げた。予選後の総合順位はこちら から。
ポールポジション争いの展開
4月14日(木)の午後に行われた予選1回目では、カレル・ハニカ選手(ブルーライダー)、ジノ・レイ選手(イエロー)、ニッコロ・カネパ選手(レッド)、ケニー・フォレイ選手(グリーン)が各セッションのベストタイムを記録した。今朝は涼しいながらも、先日と同様の晴れたドライコンディションで予選2回目が行われた。カレル選手は、ブルーライダーのセッションで1分34秒878を記録してトップタイムを記録。ジョシュ・フック選手は、マーカス・ライターバーガー選手とクラウディオ・コルティ選手を抑え、グレッグ・ブラック選手に次いで3位を獲得。このセッション中、イタリア人ライダーのクラウディオ・コルティ選手や、クリスチャン・ガマリーノ選手(ホンダ)、マレク・シュコペック選手(ホンダ)など、何人ものライダーが転倒した。
イエローライダーのセッションでは、序盤、イルヤ・ミハルチク選手がトップに立っていたが、マービン・フリッツ選手とジノ・レイ選手がクイックセッションを行うと順位を下げた。ジノ選手が1分35秒186でトップとなった。そして、マービン選手が2番手、イルヤ選手、ザビエル・シメオン選手、ハビエル・フォレス選手と続き、ケビン・マンフレディ選手は転倒が目立った。
レッドライダーのセッションは、序盤マイク・ディ・メリオ選手がペースを上げていたが、ニッコロ・カネパ選手がターン7で転倒するまで先行を許す。その後、マイク・ディ・メリオ選手が再びトップに返り咲くと、残り5分のところでシルバン・ギュントーリ選手がトップに躍り出た。セッションは、EWC世界選手権2021年タイトルを獲得したYoshimura SERT Motulの一員であるシルバン選手が1分35秒535で最速を記録して終了した。復帰したニッコロ・カネパ選手が、マイク・ディ・メリオ選手、ジェレミー・ガルノニ選手、デビッド・チェカ選手などを抑え、2番手となった。
グリーンリザーブライダーは最後にコースに出たが、そのラップタイムは予選の最終順位決定には採用されない。ケニー・フォレイ選手が最速タイムを記録し、渡辺一樹選手、ジェームス・ウェストモアランド選手、マルク・モーザー選手、バリント・コバックス選手がこれに続いた。
ライダーのコメント
フォーミュラEWC、ニッコロ・カネパ選手(YART – Yamaha Official Team EWC):「本当にうれしいし、チームとチームメイトのことを誇りに思うよ。カレルのラップタイムは素晴らしくて、本当に感動したんだ。ポールポジションを獲得するためにここにいるのだから、ハッピーでないはずがないよね。レースに向けて、とてもいい感じだよ。冬の間に行ったテストでは、チームとしてとてもうまくいったし、マシンのフィーリングも良かった。ペースもいいし、完走することが目標だが、優勝争いもできると確信しているよ。僕たちはレースに勝つための最強のマシンを持っているんだ。転倒したときのデータをチェックしたら、ブレーキに小さな問題があることがわかったんだ。ピットに戻ることになっていたから、攻めはしなかったんだけど、転倒した時は本当に驚いたよ。でもピットに戻ったら、フレッシュタイヤが無くなっていて、50周以上走ったリアタイヤを履かなければならなかったんだ。だから、昨日よりラップタイムを上げて、1分34秒台に入れるのは不可能だったんだ。でも、僕たちは3人のライダーでポールを獲得したのだから、これで十分だよ。」
ダンロップ・スーパーストック・トロフィー、ヒューゴ・クレア選手(Team 18 Sapeurs Pompiers CMS Motostore):「ポールポジションだからね。もちろん満足している。今朝は気温が低かったから、このパフォーマンスができることは分かっていたが、それはもちろん我々にとってベストなコンディションだった。とても良いラップタイムを記録できたし、仕事もできたし、うれしいよ。今、僕たちにとって最も重要なのは決勝レースなんだ。昨年、ゼッケン18のヤマハマシンがスーパーストック・クラスのポールポジションを獲得したが、残念ながらレース序盤のかなり早い段階で、不幸にもストップしてしまったことを、僕は覚えているんだ。僕たちはポールポジションに戻れたし、ぜひ完走したいと思っているんだ。もちろん、スーパーストック・クラスでは表彰台獲得を狙っていくつもりだよ。」
情報提供元 [ FIM EWC ]