2019年のボルール24時間レースの覇者であるスズキファクトリーチームが、ヤマハプライベートチームのMoto Ainや、カワサキ最速スーパーストックチームのBMRT 3D Maxxess Neversを抑え、見事な勝利を収めた。

Yoshimura SERT Motulは、全704周のうち、615周に渡り首位を走行し、レースの主導権を握り続けたまた、第84回目2021年ボルドール24時間レースでは、2018年に記録した698周の最長周回数が更新された。

グレッグ・ブラック選手、ザビエル・シメオン選手、シルバン・ギュントーリ選手のライダートリオは、序盤でライバルと激しいバトルを展開していたが、突如、レースの主導権を握った。YART-Yamaha Official EWC TeamとWebike SRC Kawasaki France Trickstarは、彼らに戦いを挑み、優勝可能な位置に着けていたが、他のファクトリーチームと同様、ゴールラインに到達することができなかった。

トップから19周遅れの2位でゴールしたMoto Ainは、ランディ・ド・プニエ選手、ロビン・ムルハウザー選手、ロベルト・ロルフォ選手の活躍により、EWCクラスでの初シーズンにして表彰台を獲得した。彼らは、終盤に軽い転倒を喫したが、それまでは完璧なレースを展開していた。

BMRT 3D Maxxess Neversの活躍
Moto Ainから4周遅れの3位でゴールしたBMRT 3D Maxxess Neversは、その名を歴史に刻んだ。24時間レースでスーパーストッククラスチームが表彰台に上ることは珍しい。FIM EWCレースでスーパーストックチームが表彰台に上ったのは、2014年に開催されたボルドール24時間レース以来だった。BMRT 3D Maxxess Neversのカワサキマシンを駆るアンソニー・ロワゾー選手、ジョナサン・ハルド選手、ジュリアン・ピロ選手の3人は、681周のうち621周で首位を守り抜き、実質的にスーパーストッククラスのレースを終始牛耳っていた。

BMRT 3D Maxxess Neversの偉業は、モストでの最終戦を待たずして、チームにとって初となる2021年FIMスーパーストック・ワールドカップ優勝という形で報われた。

第84回ボルドール24時間レースの表彰台は、その多様性でも注目された。スズキ、ヤマハ、カワサキという3つのメーカーと、ブリヂストン、ダンロップ、ミシュランという3つのタイヤメーカーが偶然にも同時に登壇したのだ。

スーパーストックマシンがEWCクラスのマシンに対抗できることを証明するかのように、他のスーパーストッククラスの2チームもトップ5に入った。RAC41 ChromeBurnerは、唯一のホンダ車としてゴールラインを4位で通過した。5位にはスズキのNo Limits Motor Teamが入った。

FIM EWCの新しいヒエラルキー
フロリアン・アルト選手、フロリアン・マリノ選手、ニコ・テロール選手の3人を擁するVRD Igol Experiencesは、レース序盤でトップ5に入っていたが、転倒し、順位を落とした。しかし、ライダーの奮闘により、最終的には総合6位でゴール。

ヤマハのプライベートチームは、FIM EWCで3位のチームポイントを獲得し、最終戦のモスト8時間レースを目前に控え、新たに首位となったYoshimura SERT Motulに次ぐランキング2位と獲得した。

ボルドール24時間レースでのスーパーストック
今回のボルドール24時間レースでゴールした20台のマシンのうち11台がスーパーストッククラスのマシンであった。OG Motorsport by SarazinとFalcon Racingが、EWCの2チーム、Motobox Kremer RacingとMaco Racing Teamの順位を上回る7位と8位でゴールした。

FIM EWC初参戦のBritish Superstock team ADSS97は、11位を獲得した。

スタート時の暑さや夜の雨など、第84回ボルドールは、ライダーにとってもマシンにとっても、レース史上稀に見る過酷なレースのひとつとなった。ポール・リカール・サーキットで24時間にわたって行われたレースでは、20台のマシンがフィニッシュラインを通過した。

夜間のクラッシュやエンジントラブルにより、優勝候補を含む多くのチームが影響を受けた。Webike SRC Kawasaki France Trickstar、BMW Motorrad World Endurance Team、F.C.C. TSR Honda France、YART-Yamaha Official EWC Team、ERC Endurance-Ducatiなどは、序盤に活躍していたが、その後ランキングから姿を消した。

エンジントラブルでリタイアしたチームは、Bolliger Team Switzerland、Wójcik Racing Teamなど。3ART Best of Bikeは、クラッシュによりギアボックスがロックされたため、レース継続をあきらめた。Team 18 Sapeurs-Pompiers CMS Motostoreは、スーパーストッククラスの表彰台を目指し奮闘していたが、マシントラブルに見舞われた。また、スーパーストッククラスで注目されていたNational Motos Hondaは、転倒後のオイル漏れのためにリタイア。Team 33 Louit April Motoは、ルカ・ヴィターリ選手が負傷した後、2人のライダーでレースの継続を試みたが、リタイヤを決断した。

また、2021年ボルドール24時間レースでは、2019年末以来初めてとなる有観客レースとなった。この週末、ポール・リカール・サーキットには48,000人の観客が集まった。

FIM EWCレース次戦は、10月9日、シーズン最終戦となるチェコのモスト8時間レースだ。

2021年ボルドール24時間レース - 最終総合結果

情報提供元 [ FIM EWC ]

関連キーワード
おすすめの記事