ハイペースの展開が予想されるボルドール24時間レース

2021年9月2日

Webikestaff

2021年8月31日（火）と9月1日（水）にポール・リカール・サーキットで行われた2日間の合同テストにおいて、ラップタイムレコードが立て続けに更新された。合同テストでは、BMW Motorrad World Endurance TeamとYoshimura SERT Motulが、1分53秒台を切るタイムを記録。また、YART-Yamaha Official EWC Teamは、この日順調な走りを見せていたTati Team Beringer Racingを抑え、BMWとスズキチームの後に続いた。9月18-19日にル・カステレで開催される第84回ボルドール24時間レースは、見逃せないレースとなるだろう。

2019年9月、同サーキットで開催された前回のボルドール24時間レース予選において、ロリス・バズ選手が1分53秒408のラップという新記録を樹立したが、2021年シーズンに参戦する上位2チームは、この記録を1秒近く更新した。

マーカス・ライターバーガー選手、イルヤ・ミハルチク選手、ハビエル・フォーレス選手からなるBMW Motorrad World Endurance Teamのライダーラインナップは、火曜日の夕方にトップタイムをマークしていたが、水曜日の午後には、新記録となる1分52秒484を記録。そのことにより、この合同テストの段階で、2021年ボルドール24時間レースがハイペースになることが決定づけられた。

グレッグ・ブラック選手、ザビエル・シメオン選手、シルバン・ギュントーリ選手を擁するYoshimura SERT Motulは、1分52秒536を記録し、1分52秒台でBMWチームに対抗した唯一のチームとなった。

YART-Yamaha Official EWC Teamも1分53秒018を記録、キレのある走りを見せていた。ボルドール24時間レースは、ニッコロ・カネパ選手、マービン・フリッツ選手、カレル・ハニカ選手のライダートリオにとって、厳しいシーズンスタートを切った後の世界タイトル争いに生き残れるかどうかという明暗を分けるレースとなるだろう。

開幕以来、たびたび上位に食い込んできたアラン・テッカー選手、セバスチャン・スエット選手、モーガン・ベルシェ選手を率いるカワサキプライベートチーム、Tati Team Beringer Racingは、1分53秒453のラップタイムを記録。再びトップ集団に入り込んだことにより、周囲を驚かせた。

また、ファクトリーチームで形成されるトップ集団の中に、下剋上を狙うもう一つのプライベートチーム、Moto Ainの名前もあった。このヤマハチームのマシンには、ランディ・ド・プニエ選手、ロビン・ムルハウザー選手、ロベルト・ロルフォ選手が搭乗し、1分53秒747のラップを記録した。

この2つのプライベートチームは、FIM EWC暫定ランキング1位のWebike SRC Kawasaki France Trickstarと2位のF.C.C. TSR Honda Franceのベストタイムを上回っており、レース本戦でも強力なライバルとなるだろう。

今回のテストで8番手のタイムを記録したVRD Igol Experiencesも、ドゥカティファクトリーチームのTeam ERC Endurance-Ducatiの前を好ペースで走行。ドゥカティチームは、フランス人ライダー、ルイ・ロッシ選手の激しい転倒により遅れをとってしまった。ルイ選手は今回の転倒で負傷し、2週間後に行われるボルドール24時間レース決勝へは参加できなくなってしまった。

スーパーストッククラス最速の2チーム、Team 18 Sapeurs-Pompiers CMS MotostoreとBMRT 3D Maxxess Neversは、EWCクラスのスイスチーム、Bolliger Team Switzerlandをはさむ形で合同テストのトップ12に入り込んだ。

すべてのチームが今回の合同テストに参加したわけでないが、そのレベルの高さから、9月18-19日に開催されるボルドール24時間レースでは過去にないようなハイペースでの戦いが予想される。

2021年ボルドール24時間レース合同テスト結果トップ12