2020年8月以降に行われたすべてのFIM EWCレースは、無観客で開催されてきたが、遂に2021年9月18-19日にポール・リカール・サーキットで開催されるボルドール24時間レースにファンが戻ってくる。観戦者の人数に制限はない。熱戦が予想されるFIM世界耐久選手権第3戦では、一般来場者は、健康パスポートと観戦チケットを提示するだけで観戦が可能だ。
ポール・リカール・サーキットで開催されるレースの雰囲気を直接楽しめるという、耐久ファンにとってはこの上ない朗報だ。フランス当局は、ボルドールでは有効な健康パスポートの提示があれば、人数無制限で観客を受け入れることができることを確認した。
ル・カステレで開催されるボルドール24時間レースでは、ファンで満員になったグランドスタンドの熱気、レースのスタートとゴールに漂う独特の雰囲気、そして夜間走行の魅力を再び体験することができるなど、サーキットを訪れる観客にとっても、チームにとっても特別なものとなるだろう。
見逃せないレース
2020年では中止となったが、2021年のボルドール24時間レースは、グランドスタンドだけでなく、コース上でも今までにないレースイベントとなるだろう。ルマンとエストリルで繰り広げられた華やかで熱い戦いにより、2021年FIM EWCチャンピオンタイトルとFIMスーパーストック・ワールドカップの行方は混迷を深め、予想のつかない展開となっている。暫定ランキングの上位に君臨する優勝候補チームたちも、僅差で優勝を争っている。Yoshimura SERT Motulは、ルマン24時間レースで優勝したが、エストリル12時間レースでは苦戦を強いられた。逆に、F.C.C. TSR Honda Franceは、ルマンでは苦戦したが、ポルトガルでは優勝を果たした。BMW Motorrad World Endurance Teamは、両レースともに転倒を喫しながらも3位を獲得。しかし、ルマンとエストリル共に2位を獲得したWebike SRC Kawasaki France Trickstarは、F.C.C. TSR Honda Franceに5ポイントの差をつけ、暫定ランキングトップに立っている。また、YART-Yamaha Official EWC Team、ERC Endurance-Ducati、VRD Igol Experiences、Wójcik Racing Team、Moto Ainなどもボルドールでは、上位に食い込んでくることは間違いない。そして、スーパーストッククラスにおいても同様の激戦が繰り広げられだろう。FIMワールドカップランキングトップのNational Motosと2位のBMRT 3D Maxxess Neversの差は、わずか2ポイントのみだ。
ボルドールはパーティー
今年は9月18日(土)の夜にロックグループ、The Limiñanasのコンサートが開催される予定で、若手グループ、Cheap Teenがオープニングを務める。また、ボルドール・ヴィレッジでは、ライブイベントや展示会が開催され、パドックでは出場チームの様子を見ることができるなど、ファンにとって見逃せないイベントが目白押しだ。
ボルドール24時間レースの主催者であるLarivière Organisationの代表、ソフィー・カサスノヴァス氏は、次のように語っている。
「2020年のボルドールが中止になったことは、他の多くのスポーツイベントと同様に、競技者だけでなく、ファンの皆さんにとってもショックなことでした。パンデミックが始まって以来1年以上が経過しましたが、選手やファンの皆様と再会できることに私は喜びを隠せません。幸いなことに、動員人数制限なしという本来の条件で開催することができます。健康パスポートやバリアジェスチャーのような感染リスクを抑えるための要請はあるものの、ファンの皆様がサーキットで開催されるショーやライブイベントなどを十分に楽しんでいただくことはできます。3週間後に行われるトップクラスのモーターサイクルのお祭りでお会いしましょう。」
2021年FIM EWC・ワールドカップ順位表(2ラウンド終了時点)
情報提供元 [ FIM EWC ]