日本のホンダチーム、F.C.C. TSR Honda Franceは、劇的だった12時間レースと衝撃的だったゴールを経て、エストリル12時間レースで優勝を果たした。F.C.C. TSR Honda Franceは、Webike SRC Kawasaki France TrickstarとBMW Motorrad World Endurance Teamに1周差をつけていた。
F.C.C. TSR Honda Franceは、勝負の分かれ目となった最後の30分から素晴らしいレースを展開し、その末に見事優勝を飾った。ジョシュ・フック選手、高橋裕紀選手、マイク・ディ・メリオ選手が、Webike SRC Kawasaki France Trickstarのジェレミー・ガルノニ選手、エルワン・ニゴン選手、デビッド・チェカ選手、BMW Motorrad World Endurance Teamのハビエル・フォーレス選手、マーカス・ライターバーガー選手、ケニー・フォレイ選手を抑えてゴール。そして、2位と3位の差は1秒以下であった。
再び、2位の表彰台を獲得したことで、Webike SRC Kawasaki France Trickstarは、2021年FIM EWCランキングのトップに立った。
表彰台を狙っていたフロリアン・アルト選手、フロリアン・マリノ選手、ニコ・テロール選手のライダートリオを率いるVRD Igol Experiencesだったが、ゴールまであと数周というところで小さなミスを犯してしまい、表彰台を逃してしまった。
練習走行では苦戦を強いられたMoto Ain(ランディ・ド・プニエ選手、ロビン・ムルハウザー選手、ロベルト・ロルフォ選手)は、見事なレース運びで5位を獲得した。
BMRT 3D Maxxess Neversは、転倒を喫しながらも7位のERC Endurance-Ducatiと8位のBolliger Team Switzerlandの2つのEWCチームを抑え、6位でゴールした。
激闘の12時間
耐久レースファンは、2021年のエストリル12時間レースをすぐには忘れないだろう。スタート直後は、有力選手がリードしていたが、事態は一転した。非常に暑いコースで、ライバルからのプレッシャーを受けた上位陣は次々とクラッシュしていった。BMW Motorrad World Endurance Team、Yoshimura SERT Motul、そしてYART-Yamaha Official EWC Teamは、トップを走行中、レースの半分も走らないうちにクラッシュしてしまった。レース終盤、Webike SRC Kawasaki France Trickstarが優勝するだろうと思われたが、ゴールまであと1時間30分というところで燃料切れを起こし、優勝を逃してしまったのだ。
不運に見舞われた上位チーム、YART-YAMAHA Official EWC Teamは、転倒により10位でゴール。
Yoshimura SERT Motulは17位。このスズキチームは、2回のクラッシュで、トップ集団に戻ることができなかった。スズキファクトリーマシンに乗ったザビエル・シメオン選手と、Tati Team Beringer Racingのモーガン・ベルシェ選手が、周回遅れのライダーをかわそうとしたところで、接触し、転倒を喫した。
転倒してうなだれていたザビエル選手に手を差し伸べたモーガン選手には、その行為が評価され、アンソニー・デルハール・EWCスピリット・トロフィーが授与された。Tati Team Beringer Racingも、この時点で4位につけており、表彰台を狙える位置にいた。
BMRT 3D Maxxess Nevers、スーパーストッククラスで優勝
スーパーストッククラスもなかなかの見応えがあった。総合6位でスーパーストックを制したBMRT 3D Maxxess Nevers(Kawasaki)は、National Motosとの長い戦いの末に勝利した。この戦いは、Honda National Motosが燃料切れを起こし、終止符が打たれた。National Motosがスーパーストッククラス2位をキープし、Team 18 Sapeurs-Pompiers CMS Motostore(ヤマハ)が、序盤のクラッシュから見事な追い上げを見せ、3位となった。そして、Team 33 Louit April MotoとSlider Endurance がスーパーストッククラストップ5に入った。
次のFIM EWCレースは、9月18日と19日にポール・リカール・サーキットで開催されるボルドールとなる。
2021年エストリル12時間レース - 暫定レースランキング
情報提供元 [ FIM EWC ]