第43回ルマン24時間レースは、2020年8月29日に開幕する。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、開催日の変更と無観客での開催を余儀なくされた2019-2020年FIM世界耐久選手権・第3戦は、ランキングを左右しうる様々な要素を伴ったレースになることが予想される。
2019-2020年FIM耐久世界選手権は、1ヶ月後にフランスのルマン、ブガッティ・サーキットで再開される。各チームは、セパン8耐終了後から、この半年間の予期せぬ空白時間を利用して、パフォーマンス、マシン、ライダーラインアップの調整と改善を行い、8月29・30日に開催されるルマン24時間レースに向けて準備を進めてきている。
Suzuki Endurance Racing Teamは、ポイントリーダーとしてルマンに臨むことになったが、もちろん、他のファクトリーチームが優勝争いの主導権を握る可能性も高い。SERTと同様にダンロップタイヤを装着するBMW Motorrad World Endurance Teamは、トップと僅差で暫定チームランキングを追従している。YART Yamaha(ブリヂストン)も、そのすぐ背後からチャンスをうかがっている。Webike SRC Kawasaki France Trickstarは、新たなパートナーのミシュランとコンビを組み、取りこぼしたポイントを取り戻すべく着々と準備を進めている。F.C.C.C. TSR Honda France(ブリヂストン)は、日本で準備・調整を行った新型CBR1000RR-Rを携えて現地に乗り込んでくる。Team ERC Endurance(ミシュラン)は、ドゥカティ パニガーレV4 Rにとって初となる24時間レースに向け、空白の時間を調整のために費やしてきた。
意気込む挑戦者たち
ファクトリーチーム以外にも、多くのチームが先頭集団でのレース展開を狙っている。Wójcik Racing Teamが最も注目されているが、ライダーラインアップを強化してきたVRD Igol Pierret Experiences、Bolliger Team Switzerland、3ART Best of Bikeからも目が離せない。
スーパーストッククラスでは、今シーズンの最初の2戦で連勝したMoto Ainだが、同じく序盤で表彰台を獲得したBMRT 3D Maxxess NeversとGERT56 by GS Yuasaが虎視眈々と背後からその座を狙っている。このクラスも、Wójcik Racing Team 2とNo Limits Motor Teamを筆頭に、挑戦者が欠乏する事はない。
ランキング争いの鍵を握るレース
最大65ポイントを獲得できるルマン24時間レースは、チャンピオン争いやランキング争いのターニングポイントとなる可能性が高い。新型コロナ感染症の影響による予定変更は、2020年7月19日に開催される予定であった鈴鹿での2019-2020 FIM EWCグランドフィナーレを11月1日に変更させ、9月19日と20日に開催予定のもう1つの24時間レース、ボルドールが同シーズン中に再び開催されるという結果を招き、トータル獲得ポイントにも大きな影響を与えることとなった。
特にこの8月と9月に行われる2つの24時間レースは、優勝すればFIM耐久ワールドカップのチャンピオンの行方を決定付ける合計130ポイントを獲得する事も可能であるため、鈴鹿8耐には出場しないスーパーストッククラスのチームにとっては重要なレースとなる。
ルマン24時間レースのライブ中継
無観客開催となるルマン24時間レースは、テレビのライブ中継で楽しむ事ができる。レースの模様は、フランスのEurosport 2をはじめ、他の地域でもスタートからゴールまでライブで中継される予定だ。また、L'Equipe(フランス)、Hulu/日本テレビ(日本)、Astro(マレーシア)、Motortrend(アメリカ)、Sky NZ(ニュージーランド)でもライブ中継が行われる。
そして、ルマン24時間レースをより楽しめるよう、耐久レースファンのためのスペシャル企画も用意されている。
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情報提供元 [ FIM EWC ]