今シーズンからFIM世界耐久選手権に参戦したベルギーの新ファクトリーチーム、BMW Motorrad World Endurance Teamは、ランキングトップを走るSuzuki Endurance Racing Teamに真っ向から立ち向かライバルとしてルマン24時間耐久レースに臨むことになった。
ワーナー・ディーメン監督が率いるBMW Motorrad World Endurance Teamは、BMWの耐久レース復帰計画の中で、このような状況(ランキング2位でルマン24時間レースを迎えること)は、うれしい誤算であったと明かしている。しかし、この状況が、彼らの使命に変化をもたらしたということはない。
先週、ルマンで行われた2日間のプライベート走行テストで、BMW Motorrad World Endurance Teamは、24時間耐久レースに向けてのマシンのセットアップを続けていた。
メカニック責任者のスティーブン・カザール氏は、「初シーズンにもかかわらず、想定外の順位を獲得しているけど、われわれにとって、マシンの信頼性が戦略的なポイントであることに変わりはないんだ。」と語る。
「このS1000RRを12時間以上連続で走行をさせたことはまだないんだよ。だから、この2日間のテストでは、S1000RRを2台用意して、1台のマシンをノンストップで長距離を走らせてみたんだけど、タイヤと燃料以外は特に手をつけなかったよ。あと、新しいダンロップのタイヤと電気系統のテストも行ったよ。長距離レースでは、電気系統がわれわれのマシンの弱点の一つだったからね。しっかりチェックすることは、とても重要なんだ。われわれは、いまだにこのマシンを使いこなせていないんだ。ただ、チャンピオンシップで2位に立っているのは想定外だったけどね。だから、この状況を最大限に生かしながら、リスクを抑えて、競争力を維持できるように頑張らないとね。あと、フランス語圏の選手とドイツ語圏の選手との親睦を深めてチームの結束力を高めるということにもしっかり取り組んでいるよ。また、燃料補給など自分たちが行う作業は、もっと効率よく行えるようにしていこうと思っているんだ。最近、われわれは、ゾルダーでピットストップ作業を重点的に練習したんだ。半日のうちに47回のピットストップを行って、ブレーキ交換と給油のピットストップを25秒以下に抑えることができたよ。」
情報提供元 [ FIM EWC ]