2020年1月1日から、すべてのFIM世界耐久選手権、および、FIM耐久ワールドカップにおいて、FIM公認基準に合格したヘルメットの使用が義務化されている。公認ヘルメットは、FIM FRHPhe(FIM Racing Homologation Programme)ラベルによって識別される。FIM公認ヘルメット使用の義務化は、次戦4月18日・19日に開催されるルマン24時間レースから適用されることになる。
FIMは、今まで、公道用として承認されたヘルメットの既存の国際安全基準のみを、規定の中でふれていたが、2019年、耐久レースのために特別な認証プログラムを展開した。このプログラムには、公道用ヘルメットの基準よりも高い要件に加え、レース用ヘルメットとしての新しいテストとより厳しい性能基準が組み込まれている。このプログラムは、人間の頭の形状をより厳密にシミュレートした最近の科学研究のデータに基づいている。
特に、FIM FRHPhe-01認証規定には、クラッシュ時の脳損傷に対する保護レベルを高めるため、衝撃ゾーンと衝撃吸収能力をさらに見直し、新しく、斜め(45°)からの衝撃試験と、より高速で行われる試験が組み込まれ、基準を満たすことが条件として加えられた。ヘッドフォームには、人間の皮膚の厚さを模倣したシリコンコーティングを施し、また、アスファルト表面の摩擦係数を試験に取り入れられるよう、衝撃ゾーンの改修などが行われた。
FIM FRHPhe-01レーシングヘルメットの認証を申請するメーカーは、スペインのアラゴン工学院(サラゴサ大学)の衝撃研究所でヘルメットサンプルをこの認定試験にかける必要がある。ヘルメットは、モデル毎、サイズ毎に公認され、競技で使用することを目的とした付属品とともに試験に提出する必要がある。
FIM公認ヘルメットは、公道用であると承認された公認証明書と一緒に、チンストラップに縫い付けられたFIM FRHPhe-01ラベルによって識別される。
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なお、FIM公認ヘルメットは、2020年4月に開催されるルマン24時間レースのテクニカルチェックで必要となる。
情報提供元 [ FIM EWC ]