耐久レースをもっと楽しもう!観戦で飛び交う専門用語集
日テレG+ではFIM世界耐久ロードレース選手権(EWC)を実況・解説がついた生中継で楽しめます。
レース中に飛び交う用語をわかりやすくまとめたので、スマホ片手にEWCを応援しよう。
あ
イエローフラッグ
転倒やトラブル車両、またはその処置などで危険な区間はその手前で黄色い旗が振られ、追い越し禁止となります。危険区間のあと、グリーンフラッグが示される地点以降で規制解除となります。
インラップ/アウトラップ
インラップはピットインする直前の周回のこと。アウトラップはピットアウトしてからの最初の周回のことを指します。
アウトラップ直後はタイヤが温まっていないため好タイムはあまり望めません。インラップで前後のライバルと差を縮める or 広げるため消耗したタイヤでギリギリを攻めるライダーが多いです。
インラップ/アウトラップのタイミングは順位の変動が起こりやすいので注目です。
FIM世界耐久ロードレース選手権(EWC)
日本でもお馴染みの鈴鹿8耐は、EWC(世界耐久ロードレース)の最終戦に組み込まれており、EWCの2019-2020年シーズンはボルドール(フランス)から始まり、セパン(マレーシア)、ル・マン(フランス)、オッシャースレーベン(ドイツ)そして鈴鹿(日本)を周ります。レース時間はサーキットによって異なり、シーズン開幕戦のボルドールや、ル・マンでは24時間を走る過酷レースとなります。
か
クオリファイング(Qualifying)
予選の意味。頭文字をとって"Q”と省略されることが多いです。本戦グリッドの順番を決めるための予選でQ1から、第1~3走者が走りベストラップを計測します。
そしてベストラップの平均タイムを割り出し、上位チームのみがQ2、トップ10トライアルへと駒を進めることができます(トップ10トライアルについては別途記載)。
クイックチャージ
ピットイン時にタイヤを交換したのち、給油を行います。素早く給油を確実に満タンにするために、ガソリンタンクには入口と出口の二つの穴が設けられ、一気にガソリンを注入して出口のホースからガソリンが溢れたことを確認して給油が完了となります。
クラス(カテゴリー)
リザルトなどではカテゴリー(category/Cat)と表記されます。
決勝レースはEWCクラスとSSTクラスの混走レースとなります。SSTはEWCクラスより改造範囲が制限されていて、フォーク・スイングアーム・エンジンなどはノーマルから変更不可。
ピットの設備もクイックタイヤ交換装置は使用禁止で、より市販車に近い車両で耐久レースを戦う必要があります。
レース中の見分け方はEWCクラスの車両はゼッケンベースが黒、SSTクラスは赤と覚えておきましょう。
さ
スティント
ライダー1人がスタート(ピットアウト)してから、次のピットインを行うまでのひとつの区切りをスティントと言います(1人のライダーで複数スティントを走る場合もあり)。
トップチームのピットストップでかかる時間は20秒前後、加えてピットロードは制限速度があるため全開走行ができません。またピットアウト後はタイヤは温まりきっていないため攻めた走りはできず、スティントが少ない方が有利といえます。
しかし、ライダーの疲弊、タイヤの摩耗、給油タイミングなどを考えるとレース中に複数回のライダー交代・スティントを重ねることは免れられません。
ピットインのタイミングはチームの戦略力が試される大事な局面であるといえます。
スペアマシン
EWCを統括するFIMのレギュレーションではスペアマシンを用意することが認められています。レース中にアクシデントに見舞われてもピットにまで戻ってくることができれば、スペアマシンに乗り換えて再復帰することができます。尚、スペアマシンの使用が許されるのは、止むを得ない事情あった場合の時のみ。
乗り換える際は変更手数料がかかります、鈴鹿8耐の手数料は5000円となります。
セパン(セパン・インターナショナル・サーキット)
2019-2020シーズンに初開催となるサーキットを指し、グランプリの名称でもあります。マレーシアの国際サーキットで詳しくは【EWC初開催のセパンってどんなサーキット?】を御覧ください。
た
チーム
耐久レースは1台のマシンを3人のライダーが乗り継いで戦います。2016年までは第1ライダー、第2ライダーと番号で呼ばれていましたが、
2017年から第1ライダーがライダー・ブルー、第2ライダーがライダー・イエロー、第3ライダーがライダー・レッドと、色で呼び分けるようになりました。
チェッカーフラッグ
チェッカーフラッグとは、8時間耐久レースならスタートフラッグから8時間経過後にトップのライダーに向けて振られるフラッグのこと。トップ通過より後ろに居る各チームもチェッカーフラッグを受けます。
1位がコントロールラインを通過した時点で、そのレースの最高周回数が決まります。後続車のリザルトはトップと何秒遅れてゴールしたかが記録されていきます。
尚、周回遅れのチームはトップチェッカーを受けた時点でレースは終了となり、トップチームとの周回遅れ数が記録されます。
トップ10トライアル
Q1、Q2の予選を通過した上位10チームのみが挑む最終予選のことです。マシンが1台ずつタイムアタックを行い、決勝の10番グリッドまでを決めるもので、クリアラップの中での走行となるためQ1、Q2に比べて好タイムが叩き出されやすいです。
トライアウト
鈴鹿8耐は日本ライダーにとって夏の風物詩。EWCの最終戦となる鈴鹿8耐は、出場枠が70台と規定されているため出場権の獲得争いは熾烈を極めます(EWC年間エントリーチームと前年シード権付与チームは除外)。
出場権の獲得方法は複数あり、EWC第2戦セパン8時間耐久レースで完走することでも出場権を獲得することができます。
な
は
ポール・トゥ・ウィン
決勝レースをポールポジションでスタートし、トップでチェッカーを受けることをいいます。
耐久レースの戦いは数時間~1日と長丁場になり、その間ピットイン/アウトのタイミング、周回遅れとなっているマシンの処理、マシントラブルなど、様々なイレギュラーが襲います。
スムーズにレースを終えることは不可能な中、トップ10トライアルでトップタイムをマークし、そのままトップチェッカーを受けるのはかなりの狭き門といえます。
ポールポジション
トップ10トライアルでトップタイムを記録し、1番グリッドで決勝レースを迎えること。しかし、EWCはスタート方法はル・マン式で出場台数も多いため、スタートフラッグが振られた直後は混乱が起きやすいです。
ポールポジションを獲得できたとしても、第1コーナーを安全に通過し、2周目、3週目と周回を重ねて場が落ち着くまで予断は許しません。
ピットイン/アウト
ライダー交代やマシントラブル、ペナルティなどでピットへ戻ることをいいます。注目するポイントは『インラップ/アウトラップ』の項とほぼ同じです。
ペースカー(ペースカー、SC)
悪天候やレース中のアクシデントによりコースを清掃する必要がある場合などに、一定の速度で走るペースカーがコース内に導入されます。
ペースカー介入中は1位を先頭に隊列を組む必要があり、前方車両の追い抜きは禁止が禁止されます。ピットレーンの出口も封鎖され、コースに復帰することはできません。
ペナルティ
レース中のペナルティに関しては基本的にピットインを命ぜられ、ピットでのストップ&ゴーペナルティが科せされます(ペナルティが実施できずレース終了となった場合は周回数が1週減算となります)。
ペナルティが発生する基準は複数あるため詳細は省きますが、基本的にクリアなレース進行を妨げる逸脱した行為などにペナルティが発生します。
ま
マレーシア
EWCの2019-2020年シーズン第2戦に組み込まれている国です。決勝レースは2019年12月14日にセパン・インターナショナル・サーキットで行われ、本イベントはWTCR(世界ツーリングカー選手権)と合同開催となります。
や
ら
ル・マン式
グランドスタンドへ向くよう一列にマシンが並べられ、ライダーはコースの反対側(グランドスタンド側)に整列。スタートの合図と共にコースを横切って飛び乗りスタートしていく方式のことです。
EWCではこの方式が採用されていて、スタート前の静寂から一転して高らかなエキゾーストサウンドと共にコントロールラインを越え過ぎ去っていく様は圧巻です。
レッドフラッグ
天候不良や重大な事故が起きた場合、レース中断を意味する赤い旗が振られます。この場合、全車両がピットに戻ります。
レギュレーション
EWCのルールはシリーズ通して細かく決められています。大会規定をもっと詳しく確認したい方は、MFJ ONLINE MAGAZINEにて公開されている「FIM耐久世界選手権の和訳PDF(外部サイト)」がおすすめです。
※PDFは2018-2019のレギュレーションを訳したものであり、最新の規定と異なる場合があります。
わ
ワークス
バイクメーカー自身が運営するメーカー直営チームのことを指します。EWC初開催となるセパン8時間耐久ロードレースには、ドゥカティが"チームERCエンデュランス”とタッグを組みワークス参戦を行うことを発表し注目を集めました。