ファクトリーの支援を受けるオーストリアのチームが、ル・キャステレで行われたボルドールのテストで強さを見せつけた。現チャンピオンのチーム SRC カワサキ・フランスも好ペースを披露し、奮闘を見せた最高峰のEWCクラス2シーズン目のVRD イゴール・ピエール・エクスペリエンスを先行した。

ボルドールの開催週はセパンでレースに参戦するために不在となるブロック・パークスに代わりロリス・バズを起用するYART ヤマハが、ポールリカール・サーキットで行われた2日間のテストで、圧倒的な強さを見せた。YART ヤマハ(ロリス・バズ、マービン・フリッツ、ニッコロ・カネパ)がマークしたファステストラップ、1:54.154は、ボルドール戦がスリリングな戦いになることを予感させる。昨年、ランディ・デ・プニが予選でマークしたラップレコードは、1:54.007だった。

その他、5チームがこの日、1:55を切るタイムを叩き出した。チーム SRC カワサキ・フランス(ジェレミー・グアルノーニ、デビッド・シェカ、ランディ・デ・プニ、エルワン・ニゴン)も、1:54.398のタイムで王者の貫禄を見せつけた。マネージャーのジル・ステフラーは、9月21-22日にル・キャステレで行われる24時間レースに向けての準備に、自信を見せている。

VRD イゴール・ピエール・エクスペリエンスとTati Team Beaujolais Racingがトップ4の活躍

このボルドールでは、VRD イゴール・ピエール・エクスペリエンスも見事なパフォーマンスを披露した。フォーミュラEWCでの初シーズンを上々の内容で終えたこのヤマハのサポートを受けるフランスのチームは、ザビエル・シメオン、フローリアン・マリノ、フローリアン・アルトの布陣で臨んだボルドールのテストで、3番手タイムをマークした。「ダンロップとともに、多くの事に取り組んできた」とVRD イゴール・ピエール・エクスペリエンスのマネージャー、ヤニック・ルコは語る。
「ダンロップの開発テストライダーを務めるザビエル・シメオンからのフィードバックが、非常に役に立った。バイクにもかなり馴染んでセットアップを決めるのが楽になった。それでも、まだ改善できる余地も残っている」

Tati Team Beaujolais Racingも見事なパフォーマンスを見せて、このテストで4番手タイムをマーク。今年序盤に最高峰クラスへのステップアップを果たしたカワサキに乗るプライベートチームは、ジュリアン・エンジョラス、ケビン・デニスのパートナーとして、F.C.C. TSR ホンダ・フランスで2017-2018 FIM EWCタイトルを獲得したアラン・テッチャーを迎えている。

5番手につけたF.C.C. TSR ホンダ・フランスは、3ライダーのラインナップ(ジョシュ・フック、フレディ・フォレイ、マイク・ディ・メグリオ)に変更がないことから、純粋なパフォーマンスよりもレースに向けての準備に専念。8番手だったスズキ・エンデューランス・レーシングチームも、新シーズンもビンセント・フィリッペ、エティエヌ・マッソン、グレッグ・ブラックの顔ぶれで臨むが、チームマネージャーには新たにダミアン・ソーニアが就任している。

BMW勢は、強豪2チームが食い込んできた。BMW モトラッド・ワールド・エンデューランス は、同じくBMW勢のチーム ERC Enduranceと接戦を展開した。

トップ10にスーパーストックが2台

FIM耐久ワールドカップの王者、モト・アインは、ロベルト・ロルフ、ロビン・ミュルハウザー、ヒューゴ・クレアの布陣でスーパーストッククラスのベストタイムをマーク。チーム33コヨーテ・ルイ・モトのエンツォ・ブーロム、ケビン・マンフレディ、クリスチャン・ガマリーノとベストタイムを争った。しかしこのクラスでは、BMRT 3D Maxxess Never、復帰してくるTeam Motors Eventsも侮れない存在だ。

ボルドールに参戦する全チームは、9月19日木曜日には再びボルドールでフリープラクティスに参加する。第83回ボルドールは9月21日土曜日、現地時間午後3時にスタートを迎える。

ボルドールテスト トップ10結果(2019年9月3-4日)

1 – YART Yamaha – 1:54.154
2 – Team SRC Kawasaki France – 1:54.398
3 – VRD Igol Pierret Experiences (Yamaha) – 1:54.659
4 – Tati Team Beaujolais Racing (Kawasaki) – 1:54.860
5 – F.C.C. TSR Honda France – 1:54.947
6 – Team ERC Endurance (BMW) – 1:54.968
7 – BMW Motorrad World Endurance Team – 1:55.076
8 – Suzuki Endurance Racing Team – 1:55.123
9 – Moto Ain (Yamaha) – 1:55.422
10 – Team 33 Coyote Louit Moto (Kawasaki) – 1:55.688

関連情報 [ Bol d’Or 2019 – 暫定エントリーリスト(9月4日現在) ]

情報提供元 [ FIM EWC ]

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