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投稿者:

栗田晃

2019年10月10日

プロが教える!スピードメーターケーブルの洗浄と注油方法!簡単な作業で確実に効果アリ

最近では電気式を採用するモデルも多いですが、原付からビッグバイクに至るまで、金属製のケーブルによってタイヤの回転をスピードメーターに伝達しているバイクもたくさん存在します。

ケーブル内部の錆びや潤滑不良はメーターのスムーズな動きを妨げたり、ケーブル切断の原因にもなるため、定期的な洗浄と注油を行うことが有効です。

屋外保管のバイクでは、ケーブル内部に雨水が浸入することも意外に多いので注意が必要です。

目次 <読みたい部分に飛べます↓>

 

POINT

・スピードメータケーブルは取り回しが重要

・ケーブルが急角度で曲がっていたり、サビていると切断や針のブレの原因

・ケーブルのメンテナンスは洗浄と注油がキモ

 

1.スピード&タコメーターケーブルは取り回し方法にも配慮しよう

▲1980年代中盤のスズキRG250ガンマは、スピード・タコメーターともに機械式でメーターケーブルによって回されている。フリクション増加によるレスポンス悪化を防ぐためにも、清掃と潤滑が必要だ。

 

フロントホイールのメーターギアとスピードメーターをつなぐスピードメーターケーブルは、原付のモンキーやスーパーカブから1000ccクラスの大型車まで、機械式メーター装着車にとって当たり前の部品です。

 

ステンレスやスチール製のケーブルはクラッチやスロットルにも使われていますが、それらが押し引きの力を伝達するのに対して、スピードメーターケーブルは回転力を伝達するのが相違点となり、インナーケーブルはコイルスプリングのように巻かれています。

フロントフォークのストロークとともに屈伸するスピードメーターケーブルは、フレキシブルな特性が求められると同時に、その特性を発揮するためにはメーターギアとスピードメーターをつなぐ取り回し方法=レイアウトも重要になります。

 

ハンドル交換やフロントフォークのメンテナンスで、メーターを一時的に取り外すことはよくありますが、復元時に曲がりがきつくなるような角度で取り付けるとインナーケーブルが擦れて抵抗が増してメーターの針がブレたり、切断の原因となるので注意が必要です。

メーターギアの直後で急激に立ち上がったり、メーターの下側でケーブルの向きがいきなり変わるようなら、一度ケーブルを取り外して通し方を再検討してみましょう。

 

▲メーター本体の取り出し部分とアウターケーブルの金具は、このように真っ直ぐ接続つながる。ケーブルの取り回しが悪くて無理な力が加わると、インナーケーブルに悪影響を与えてしまう。

 

ところで、スピードメーターケーブル回転数はJIS規格によって定められており、バイク用ではタイヤが時速60km/h相当で回転した際にケーブルが1400rpmで回転するように設計されています。

したがって、原付のメーターでも750ccのメーターでも、時速60km/hで走行している際のメーターケーブルの回転数は1400rpmで同じというのは、ちょっとした豆知識です。

 

2.保管中や走行中の雨水がケーブル内部のサビを呼ぶ

▲インナーケーブルはコイル状に巻かれた部分から汚れが染み出てくるので、表面を流すだけでなくパーツクリーナーや洗油に漬け置き洗いすると良い。赤サビでケーブル表面を浸食している場合、残りの寿命は短いので交換しよう。

 

クラッチやスロットルケーブルほど意識されることはありませんが、スピードメーターケーブルは取り回し方によって作動性が左右されるほどデリケートなパーツなので、定期的なメンテナンスが重要です。

取り回し注油とともに、特に注意が必要なのはケーブル内部への水の浸入です。

日頃から屋外保管や雨天走行を行っていると、メーターギアやメーター本体とケーブルを繋ぐナット部分から水分が入ることがあります。

この時フロントフォークのストロークを考慮して、ケーブルの立ち上がりがメーターギア部より下にあると、アウターケーブル内部が水たまりになってしまい、そこに浸っているインナーケーブルが錆びてしまう場合があるのです。

オンロード車ではそれほどでもありませんが、ホイール周りに水が掛かる機会も多いオフロードを走行するトレール車では、ケーブル内の水分に注意が必要です。

 

これを確認するのは簡単で、メーターギア部でケーブルを外した時にサビ水が垂れてきたり、インナーケーブルが部分的に錆びていたら雨水が浸入していた証拠です。

インナーケーブルのサビはケーブル自体の柔軟性を損ない、回転ムラの原因となることがあります。

速度が速い=ケーブル回転数が多い時は勢いで回ってしまいますが、バイク自体の速度が遅くケーブル回転数が低い時は安定しないため、メーターの針がフラフラと安定しないことがあります。

サビが原因となるのはもちろんですが、インナーケーブルとアウターケーブルの接触部の潤滑不足でフリクションが発生しても同様の症状が発生することがあるので、ケーブル内に水が入っていなくても注油が必要なのは言うまでもありません。

 

3.注油の前にはまず洗浄。作業はアウターケーブルを外して行う

▲アウターケーブルを車体から外したら、パーツクリーナーを通して洗浄する。車体のどこかと擦れて外皮が破れると水分が入りやすくなるのでケーブルを交換しよう。補修用部品が入手できない絶版車の場合、最低でも収縮チューブで破損部分を保護しておく。

 

▲パーツクリーナーを注入したら、アウター内部の残留分をエアブローで吹き飛ばしておく。パーツクリーナーが残っていると油分が洗い流されてしまう。

 

スピードメーターケーブルのメンテナンスは、他のケーブルと同様に「洗浄」「注油」をセットで行います。

インナーケーブルにサビが発生している時は、アウターケーブルの内側にもサビが付着していると想像できますし、たとえサビが無くてもインナーとアウターが擦れた部分には摩擦による汚れが付着しているので、まずはメーターからアウターケーブルを取り外してインナーケーブルを抜き取ります。

インナーケーブルはメーターギア側、車体下部に抜ける場合が多いですが、機種によってはケーブル先端にOリングやオイルシール、ワッシャーが組み込まれていることもあるので、部品を落として紛失しないよう慎重に引き抜きます。

次にアウターケーブル内にパーツクリーナーをスプレーして洗浄します。内部の汚れとともに赤サビの粉が出てくる時は、それなりにサビが定着していると考えられるので、愛車に長く乗り続けていきたいなら新品ケーブルに交換するのも良策です。

また、ケーブル内にパーツクリーナー成分が残り続けると油分を洗い流してしまうため、洗浄が終わったらエアブローで吹き飛ばしておきましょう。

 

▲ アウターケーブルとの隙間に詰まってフリクションロスとならないよう、インナーケーブルのグリスは擦り込むように薄く均等に塗布する。

 

インナーケーブルの洗浄もパーツクリーナーを使いますが、コイル状のケーブルに入り込んだ汚れを浮き出させるため、浅いバットに遅乾性のクリーナーを溜めて、ケーブルをしばらく浸しておくのが有効です。

汚れが充分に落ちたらウエスでしっかりと拭き取り、コンプレッサーがあればケーブル内部に残ったクリーナーをエアブローで吹き飛ばします。

インナーケーブルのグリスは、たっぷり塗ればサビ防止には有効ですが、ケーブルが回転する際のフリクションロスになり、新たな汚れを巻き込む原因となるので、金属の潤滑に適した、あまり粘度が高くないものをケーブル表面に均等かつ薄く塗るようにします。

グリスを塗布したインナーケーブルをアウターに挿入して指で回し、ケーブルを屈曲させてもスムーズに回ることを確認したら車体に復元します。

 

遅乾性パーツクリーナーはこちら

 

今回使用したグリスはこちら

 

POINT

・ケーブルのメンテナンスは洗浄と注油をセットで行う

・インナーケーブルにサビや汚れが蓄積している可能性がある

・サビの状況によっては新品ケーブルに交換するのがオススメ

・洗浄後に使用するグリスは粘度の高くない物を薄く均等に塗る

 

メーターケーブルはこちら

 

4.復元時にはケーブル端部とメーター&ギアの位置合わせを慎重に。

▲メーターギア側のワッシャーやOリングを入れ忘れると、インナーとアウターワイヤーの長さの比率が変化してメーターギアを押す場合がある。過去にメーターケーブルを外した形跡のある中古車なら、パーツリストなどの資料で部品構成を確認しておきたい。

 

▲メーターギアとインナーケーブルのマイナス溝の位置を合わせてからケーブルを挿入する。溝が合わない時は前輪を回して調整し、決して力任せに押し込まないこと。また、アウターケーブルのナットは思い切り締めると割れることがあるので、プライヤーで軽く締める程度にとどめておく。

 

グリスを塗布したスピードメーターケーブルをセットするする際は、先述したとおり無理な曲がりが発生しないようにアウターケーブルの通り道を確認します。

メーター側のチェックポイントとしてはアウターケーブルが素直にまっすぐ入っているか、メーター直下でケーブルが急激に曲がらないようにすることが重要です。

ホイールのメーターギア部も同様で、アウターケーブルが突っ張らずたるみすぎないように取り回しましょう。

インナーケーブル挿入時は、メーターギア側にワッシャーやオイルシールが組み込まれる場合は忘れずにセットします。

その上で、メーター本体とメーターギア部の位置合わせを確実に行います。

 

このバイクの場合、インナーケーブルはメーター側の断面が四角、メーターギア側がマイナス溝のスリットが刻まれているので、それぞれ正しい位置にセットします。

これを合わない位置で無理に押し込むとフリクションの増加につながり、インナーケーブルがメーターの駆動部を押してトラブルの原因ともなります。

 

このように洗浄と潤滑を行うことで、メーターの動きがスムーズになると同時にケーブル切断などのトラブルも未然に防止できるので、たまにはスピードメーターケーブルを外してインナー

を確認してみましょう。

POINT

・組付け時はアウターケーブルが急激に曲がらない、突っ張りすぎない、たるみすぎないように

・メーターギア側にワッシャーやオイルシールが組み込まれる場合は忘れずにセット

・洗浄と潤滑でメーターの動きがスムーズに!ケーブル切断のトラブルも未然に防止

インナーケーブルのサビは大敵!長持ちさせるには定期的なメンテが有効。

メーターの針ブレや異音を感じたらもう遅い!

機械式メーターのケーブルはクラッチやスロットルと同様に洗浄と潤滑でスムーズな作動性を維持しよう。

 

 

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