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投稿者:

たぐちかつみ

2019年11月08日

プロが教えるフロントフォークオイルシール交換のコツ

気が付いた時にはフロントフォークからオイルから漏れ……。ブレーキディスクやキャリパーにフォークオイルが流れて付着すると、ブレーキ性能は著しく低下する。

そんなオイルシールは即交換したいが、交換時には周辺パーツにダメージを与えないように、十分な配慮や注意が必要だ。

 

さぁ、オイルシール交換にチャレンジ!!

目次 <読みたい部分に飛べます↓>

 

1.スコン! スコン!! と抜けるタイプもある。

「正立式フロントフォーク」の分解にチャレンジ中。

分解後のフロントフォークは安定状態で作業しないとパーツにダメージを与えやすい。

作業台や大型万力は必需品と考えよう。

 

ここでは具体的な「フォークシール交換」にクローズアップしよう。

オイルシールを交換したのに、またまたオイル漏れが発生……!? といったトラブルは意外と多い。

 

ここではシール交換時のコツを知っておこう。

フロントフォークには正立式、倒立式があるが、ここでは「正立式」を題材に作業ポイントを解説。

フロントフォークを車体から取り外す前にやるべきことがある。

それは、

①インナーチューブの一番上にあるトップボルトを「あらかじめ緩めておくこと」。

②ボトムケースの真下から締め付けられているシートパイプ(ダンパーパイプとも呼ばれる)固定ボルトを「緩めておく」こと。

 

あくまで締め付けトルクを逃がす程度の緩め方で良い。

フロントフォークが車体に取り付けられた状態だと、実は、上下それぞれのボルトを緩めやすいのだ。

インナーチューブを固定するステム側(アンダーブラケット側)のクランプを緩めず作業すれば、インナーチューブが回らないため、トップボルトは緩めやすい。

また、フロントホイールを外した直後なら、シートパイプ締め付けボルトも緩めやすい傾向だ。

 

その理由は、トップボルトを取り外す前なら、内部のフロントフォークスプリングが圧縮されたままなので、シートパイプが空回りしにくい=ボルトを緩めやすいのだ。

分解後、正立フォークのトップボルトとシートパイプ締め付けボルトを取り外し、傷つけないように大型万力でボトムケースを固定し、オイルシールの抜け止めサークリップを取り外す。

それからインナーチューブをスライドさせてオイルシールを抜き取ろう。

 

旧車のインナーチューブにはスライドメタルが無いため、スーッと抜けることが多いが、80年代以降のモデルにはスライドメタルが組み込まれる例が多いため、「スコン、スコンッ!!」と、低圧入されたフォークシールをスライドメタルで引っ掛けて抜き取ることができる。

 

POINT

・分解前にパーツリストを確認しスライドメタルの有無を把握しておくと作業時に手惑わないで済む。

・メタル入りならオイルシールはインナーチューブのスライドで抜ける。

 

2.オイルシールの取り扱いは慎重に!!

メーカー純正オイルシールに交換した今回。

機種によってはフリクションロス(摺動抵抗)が少ないスペシャルパーツも販売されているので、部品購入時にはスペシャルパーツの適合有無を確認しよう。

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3.スムーズな組み込みに必要なラバーグリス

オイルシールを組み込む際には、インナーチューブを差し込むシールリップにダメージを与えないように、潤滑グリス=ラバーグリスを必ず利用しよう。

ラバーグリスは金属対ラバー(ゴム)部品の抵抗低減のために利用するグリスだ。シリコン系グリスでも代用可能

 

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4.インナーチューブに差し込む際の、テクニック!?

インナーチューブの端に不用意にオイルシールを差し込んでしまったことで、重要なシールリップを切ったり、ダメージを与えてしまうことがある。

フォークシールに限ったことではないが、こんな状況下ではニール袋を保護ツール代わりにオイルシールを差し込んでみよう。

 

POINT

・機種にマッチした部品をあらかじめ注文しよう。

・組み込む際にはラバーグリスで潤滑性を高めよう。

・一番重要なのがシールリップを損傷させないこと!!

 

5.上手に圧入するためのテクニックと手順

専用工具のオイルシールドライバーを準備して、打ち込みピースを3等分(120度)に調整してからウエイトを使って叩き込み圧入する。

オイルシールの平衡を保ちながら徐々に打ち込もう。オイルシールが斜めになったら浅い方だけ強めに叩いて平衡を保とう。

 

フォークシールドライバーはこちら

 

インナーチューブにスライドメタルが付く80年代以降のモデル用フロントフォークは、インナーチューブの抜き取り時にオイルシールが一緒に抜けるが、旧車の場合はスライドメタルが無く、インナーチューブだけ抜けてオイルシールがボトムケースに残る例が多い。

そんな時には専用工具だ。

 

オイルシールを抜き取る特殊工具には様々なタイプがあるため、状況に合致した工具を選んで利用しよう。

特殊工具を数種類持ち合わせると、より確実なメンテナンスができる。

ボトムケース内側にキズを付けないように抜き取ることが重要なのだ。

 

マイナスドライバーやタイヤレバーなどを使って無理やりオイルシールを抜き取ると、ボトムケースのオイルシール圧入部分(内周壁)にキズを付けてしまうことがある。

この縦キズがオイルシールに悪影響を与え再びオイル漏れや滲みの原因になることもある。

 

POINT

・圧入時にオイルシールが斜めになったときには、平均的になるように素早く対応しよう。

・斜めのまま無理に圧入し続けるとオイルシールが変形し、オイル漏れの原因になってしまう。

 

6.あると便利なフロントフォーク用「各種特殊工具」

オイルシールドライバーやプーラーは様々な工具メーカーから様々なタイプが販売されている。

その名の通り特殊な作業時に効果的な「特殊工具」は、さまざまな商品を持ち合わせていたいもの(今回はハスコー製を利用)。

メンテの仕上げにはフォークオイルを注入し、左右のオイルレベル(油面高さ)を合わせるが、あると便利なのがデイトナ製のオイルレベル調整シリンジである。

 

デイトナ:フォーク油面調整ツールはこちら

 

POINT

・専用工具のオイルシールプーラーを頼ることでキレイな抜き取りができる。

・ボトムケース内壁のキズがオイル滲みの原因になる。

・オイルシールドライバーで圧入する際には、一カ所ばかり叩かず全体が平均的に叩こう

 

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