| メーカー | DUCATI | エンジン形式 | 空冷 4st 2気筒 |
|---|---|---|---|
| モデル | Hypermotard 1100 S | 最高出力 | 90ps/7750rpm |
| 名称 | ハイパーモタード 1100S | 最大トルク | 10.5kg-m/4750rpm |
| 排気量 | 1078cc | 乾燥重量 | 177kg |
| 発売年 | 2008年 | 全長・全高・全幅 | - |
| 中心価格帯 (Webikeモトサーチ) |
90 - 95万円 | シート高 | 845mm |
| 低地燃費 | - | 最小回転半径 | - |
| タンク容量 | 12リットル | 定員 | - |
ここ数年、世界的に人気が急上昇しているモタードというカテゴリーに、ドゥカティから本気印のモタードバイク、ハイパーモタードがリリースされた。
これまで様々なメーカーがこの手のバイクをリリースしてきたけれど、それらのほとんどがオフロード車をベースとしているのに対し、ハイパーモタードは、もともとロードスポーツに搭載されていた空冷のビッグツインエンジンをオフロード風の車体に合体させたモデルだから、明らかに既存のモタードとは趣が異なる。
そして何より、ハイパーモタードはデザインが美しい。多くのモタードが、皆一様に背高ノッポでシート高が高く、サスペンションストロークも多めなのに対し、ハイパーモタードはシート高こそ高く設定されているものの、フロントフェンダー一体型のヘッドライトはヘッドパイプの低い位置に取り付けられ、タンクのシュラウドもフレームを囲み込むように下側に伸び、マシンの前周りが低く見えるようにデザインされている。シンプルな、イタリアンレッドとブラックに塗り分けられたカラーリングは、その他大勢とは一味も二味も違う、粋な格好良さがある。
今回の試乗場所は地中海に浮かぶイタリア最大のリゾート地、サルディーニャ島。1周1650メートルのプライベートサーキットでドゥカティパフォーマンス製キットパーツを組み込んだ車両、島北東部のワインディングロードではノーマル、という2本立てだ。
まずはサーキットでの試乗からスタート。ところが、一見路面が滑らかで走りやすそうでも、その実場所によって路面の色が違う(つまり場所によって路面のグリップが違う)コースと、映画の早送りみたいにコロコロ天気が変わる不安定なコンディションのせいで、最初は及び腰になってしまった。
正直な話「こんなややこしいコンディションの中で、戦闘モードバリバリのマシンでいきなりサーキットを走れっての?」って感じだったんだけど、いざ走り出してみたら、予想に反して凄く走りやすい。ECUのROMとマフラーを2in1タイプに交換したエンジンは、アクセルのオンオフにリニアに反応するが、アクセルの開け始めに唐突感がないスムーズな吹け上がりで、コーナリング中でも安心してアクセルを開閉出来るのだ。
また、フロント周りが低くて、抜群の直進安定性を持っている車体は、直線部分で早めにフロントブレーキを放し、リアブレーキを積極的に使いながらコーナーに飛び込んでいくと、ヘッドパイプを軸にマシンの挙動が安定し、自分がマシンを押さえ込んでいる気分に浸れる。試乗会に参加していたSBKライダーのルーベン・ザウスみたいにリアタイヤからスモークを上げながら逆ハンでコーナーに飛び込んで行くことは出来なくても、自分がモタードバイクを走らせている気分は盛り上がるし「もう少し乗り慣れたら自分もトライしてみようかな?」という気にさせる雰囲気と魅力がコイツにはある。
次はノーマルに乗り換えて、サルディーニャ島北西部の高速道路やワインディングを走り回ってみた。STDの2本出しマフラーは、先のキット車より明らかに排気音が控えめで、レスポンスもマイルド。だけど排気量1078ccはダテじゃない。6速5500回転で160km/hを記録するエンジンは、高速道路ではあっさり200km/hの壁を越えた。動力性能はモタードの中でも最強だ。また、高速走行時のタイヤの接地感も強く、ハンドルが振られる気配は微塵もない。ただ、フロントタイヤの反応が鋭いので、レーンチェンジなどは丁寧に操作した方が良いだろう。
一方、同じ排気量のムルティストラーダより1・7kg軽量化されたエンジンは、2500回転で街中を流せる粘りがあるが、3500回転を超えると俄然スムーズさが増し、レブリミットの8000回転までビッグツイン特有のドクドクしい加速力を感じられる。サスセッティングが硬めなのが気になるが、クラッチやブレーキ類の操作が軽く、ハンドルの振動も少ないハイパーモタードが、ストリートで他を圧倒する俊敏さを発揮するのは明らかだ。反面、フロントへの依存度が高いのでコーナー進入時はスピードは控えめにしたいところ。コイツはアグレッシブな雰囲気に負けないセルフコントロール能力が求められるバイクでもあるのだ。(八代俊二)














